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【MLB規制】強粘着異物の具体的な運用が明らかに(追記あり2)

オンフィールドで6月21日からスタート

 現地2021年6月15日、投球時の強粘着の異物による滑り止めを規制する具体的な運用が明らかになりました。

 前日の記事で記した内容とほぼ変わらないものでした。特に罰則はドクタリング・ボール(Doctoring Ball)と同じで10日間のサスペンション(出場停止)となりましたが、前日分の記事が大枠、この記事が規制の具体的な運用方法であるという意味合いでお読みいただければと思います。

 MLBはグリップ強化の粘着剤を長年黙認してきた背景がありました。一つには滑リ止めにより、バッターへの危険を減らすというのもあったのですが、ここ数年、調合が進化し、その度が過ぎてきたというのが今回の実施の大きな背景でもあります。

ニュー・ガイダンス

 現地2021年6月15日にMLBがアナウンスしたのは、”a uniform standard for the consistent application of the rules, including regular checks of all pitchers regardless of whether an opposing club’s manager makes a request.”というもの。

 「対戦相手のクラブのマネージャーが要求したかどうかに関わりなく、すべての投手への定期的なチェックを含む、規則を一貫して適用するための統一基準」というもの。

 これは、クレームに関係なく、決まった手順で投手に対して粘着物の異物をチェックするための文言という意味合いです。

具体的な運用ルール

 こちらはRule 3.01に規定されたサスペンション(退場)のルールを用いるとのことですが、具体的に見てみましょう。

罰則

 投手は強粘着の滑り止めを使用した場合、たとえば巷間言われる「スパイダー・タック」や日焼け止めの調合剤、あるいはパイン・タールも含めてですが、その使用が認められた場合は退場となり、10日間のサスペンション(出場停止)が課される。

パイン・タールについて

 かつてマイケル・ピネダもひっかかったパイン・タールですが、これを日本語訳にすると「松脂まつやに」。しかし、松脂はロジンバックの中にも含まれている成分。ここで言うパイン・タールは、ピネダが首につけていたようなベッタリとした液体状のものというふうに捉えた方がよいと筆者は思います。だから松脂と書くと、ちょっと実質的なものとは開きが出るのでは?と思います。

実施タイミング

 具体的な運用方法です。

  • 出場する双方全ての投手に対して行われる。
  • 先発投手にはゲームごとに複数の必須チェックがある。
  • リリーバーは以下のいずれか、早いタイミングでチェックを実施。
    • イニングの最後
    • ゲームに入るとき
    • ゲームから出る時(交代時)
  • これらのチェックは、イニング間、あるいは投手交代時など、進行中のタイミングで行われる。
  • キャップ、グラブ、指先をチェックされる(詳細は明らかにされず)。
  • アンパイアは疑わしいと判断した際は、いつでもチェックできる。

捕手、野手にも

 また、捕手にも決まった手順でチェックが実施され、ポジション・プレーヤーに対しても、投手への引き渡しがないかどうかをモニタリグされます。

 なお、ポジション・プレーヤーは、投手に異物を渡さない限り、異物を持っていても退場とはならないとなっています。

後方支援も

 チェックはリプレー・ビューの対象ではないようです。

 チェックへの協力を拒否した選手は、規則に違反しているとみなされて、退場および10日間の出場停止というのは、上記の通りです。また、クラブの従業員に対しても、プレーヤーの異物使用、そのマスキングを支援したりすることは、罰金およびサスペンションの対象に。これはチェックへの協力の拒否や違反報告の怠りに対してもその対象となります。

 そもそも、魔調合していたのはエンゼルスの用具担当だったという背景からもこちらにもメスが入った次第です。

サスペンション時のサラリーとロスター

 さすがにMLBなのですが、サスペンションのサラリーがどうなるのか?も決められており、支払われることが決まっています。また、違反した場合、アクティブ・ロスターに入れたままのようです。こちらは投手枠が減るような形になり、残りの投手が登板過多で故障の要因にならないかいささか心配ではります。であれば、野手枠を減らすか?です。

ロジンバック

 ロジンバックは引き続き、使用可能。ただし、日焼け止めや他の物質との併用は認められない。なお、投手は屋外スタジアムでの日没後の日焼け止めは使用禁止。屋内スタジアムではそもそも使用禁止となっています。

 また、アンパイアは使用前にロジンバックをチェックすることになりました。

グリップが弱いのでは?

 前日の記事にも書きましたが、ロジンバックの成分の中にも松脂は入っていますが、むしろロジンバックは汗などによる滑りを抑えることに効果がありそうです。よって、滑るボールに対してロジンバックだけでどこまで有効なのか?はちょっと要検討ではないでしょうか?

 もう、ボールを変えたら?と思いますね。

追記:赤裸々

 日本時間2021年6月19日ですが、追記します。かなり赤裸々ないたずらの実態が明らかに。これはたぶん消される動画ではないかと思いますので、早めにご覧ください。

 やはりボールを変えるしかないと思います。

【告白】滑るメジャー球との戦いに投手人生をかけてきた 上原&憲伸がダルビッシュに激しく同意(Youtube動画)

 お読みいただき、ありがとうございました。

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