チーム内パンデミック阻止に向け
現地2020年8月6日、MLBとMLBPA(以下選手会)は、ゲーム内でのCOVID-19 のさらなる感染のリスクを減らすように設計された新しいセイフティー・プロトコルに合意しました。
これはスタッフを含め、カージナルスで13名の感染、マーリンズで20名以上のテスト陽性反応が出たクラスターに対する対処策です。
新セイフティー・プロトコルの概要
こちらはウォール・ストリート・ジャーナルのジャレッド・ダイアモンド氏の取材に基づいた情報ですが、以下の点が網羅されました。
(1)厳格なマスク着用
「選手とスタッフは口と鼻を覆うフェイスガードを常時着用せねばならない。これはダグアウト、ブルペンにおいても同様である。ただし、フィールド内では除く。」
口と鼻を覆っていれば、マスクでもネックウォーマーの変形のような布でも構わないのですが、フィールド内でのプレー以外の場所では厳しく着用を義務付けられることとなりました。ゲームに出ている選手は呼吸を整えたりすることがあるので、ダブアウト内では多少柔軟性をもって対処されると思いますが、ゲームに出ていない選手やコーチは必ず着用になりました。
(2)十分なスペースの確保
屋内で一緒に過ごす時間を最小限に抑えるために、ホームチームはビジターチームに対して、屋外の屋根付きスペースを提供すること。 ホームチームは、雨が降ったときにソーシャル・ディスタンスを確保できる適切なスペースも提供する必要あり。
もう実施されていることですが、ベンチ横にテントを張っている球場がほとんどです。要は距離を確保することが求められています。フィールド横、そしてロッカールームも同様です。
ゲーム中もブレーブスのように崇めるようにハイファイブをすれば良いでしょうね。
(3)遠征のリストは最小限に
遠征する者は絶対に必要な要員に限定すること。
これは一般の会社でも「不要不急の出張は避ける」というのがあると思いますが、選手の遠征に関してもそれが求められています。
(4)宿泊先でのマスク着用
選手とスタッフは、ホテルの自室以外では、常にフェイスカバーを着用すること。
ホテルで自室で過ごす時以外もマスク着用が義務付けられました。当然と言えば当然ですね。
(5)外出の報告義務
ロードチームの選手、スタッフは何らかの理由で滞在しているホテルを離れる場合、チームのコンプライアンス担当者に通知すること。
外部との接触による感染リスクについての規定です。これはブレーブスとのエキジビション・ゲーム後に、ホテルから外出したマーリンズの選手がいて、これもチーム内クラスターの要因の一つと見られていることから規定されました。
(6)自宅での過ごし方
ホームチームのプレーヤーとスタッフは、「バー、ラウンジ、モール」など、たくさんの人々が集まるような場所に行くことが禁止されています。
ホームチームと書かれてありますが、自宅で過ごす場合についての規定です。ホームチームの選手は基本的に自宅が滞在場所になることから規定されました。
厳しい罰則
選手とスタッフが上記の新しいガイドラインに違反した場合は懲戒処分も辞さずということになりました。MLBと選手会はそれに同意しています。具体的には以下です。
シーズン・バン”banned”も可能
「注意喚起後もフェイスカバーの着用を拒否したり、あるいはこれらのプロトコルに著しく違反していると判定された対象者は、書面による警告を受けた後、2020シーズンへの参加を禁止される。」
”ban”は動詞及び名詞で「禁止する」、「出来ないようにする」、「禁止」、「追放」などの意味です。
ペナルティーがなければ、新しい規定も効力を発揮しないことから、新しいセイフティー・プロトコルに違反した者は、残りシーズンから退場させられることが決まりました。
中には変わり者のような行動をする人もいるでしょう。もう個人の信念よりも、少しでも感染のリスクを抑えることにフォーカスした内容です。
シーズン・エンドの処分をくだされれば、日割りとなるサラリーの日数がさらに減ることから、選手のサラリーへのインパクトは大きいです。
とにかく、MLBが目指しているのは60試合の完結です。選手は関係者はコミッショナーがシーズンを強制的に終わらせたりするようなことがないよう、しっかりと守って自身の健康とチーム内のリスク軽減を貫いて欲しいと思います。
テストでも不正のないようにしてもらいたい
現規定では陽性反応が出た後、2回連続で陰性になれば現場復帰できるルールです。あくまで想定のお話ですが、それをパスするために、某うがい薬などで口内や鼻腔の表面からウイルスを消してテストに臨むなどというようなことはやめてもらいなと思います。そういったことがまかり通っているとか、そういう意味ではなく、PCR検査にパスする方法はあるので、そういうのはやめてもらいたいということです。
表面からウイルスが消えたとしても、体内には残っている可能性もあり、それがまさしく「偽陰性」で、大きな感染のリスクにつながりますから、他の人のことも考えて行動してもらいたいなとは思います。
以上です。この規定は現地7日からイフェクティブ(施行)されることになっています。
お読みいただき、ありがとうございました。
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