ノンテンダー・デッドラインが12/2から11/30へ
現地2021年11月24日、MLBとMLBPA(選手会)は、もともとの設定を現地2021年12月2日としていたノンテンダー・デッドラインを2021年11月30日に前倒しにすることに合意しました。ケン・ローゼンタールさんの情報。
なお下記リンクの記事では当初の設定の12月1日というふうに記載させていただいていましたが、もともと12月2日であったということに訂正させていただいています。
そしてそれがさらに変更になり、11月30日になるというのが本日の記事です。
ロックダウン想定の決断
今回の前倒しの決断は、ロックダウン想定です。
現行のCBA(Collective Bargaining Agreement「労使協定」)が2021年12月1日23:59をもって失効することはすでに何度か書かせていただいている通りです。
CBAは労使協定で、選手とクラブとの契約はこれが大前提となって締結されることから、現地2021年12月2日に新しいものが制定されないことには、FA、契約、その他MLBと選手のフィールドでの合意事項など全ての動きが止まってしまいます。いわゆるロックダウンです。
12月1日に期限を迎えるはずであったノンテンダーも、このままでは翌日の12月2日に動きが止まってしまうということで、その期限を前倒しにしたのでした。
たった、1日ですがノンテンダーFAとなった選手が翌日に即ディールが決まる機会が増えることになります。まあ、実際はノンテンダーとなった時点で即、手を挙げたくなる選手に限られてはいると思います。
ノンテンダーとは?
テンダーとはMLS3年から5年以内のいわゆる調停資格のある選手に、翌年もプレーするかどうかテンダー(=オファーと同義)することですが、テンダーしないことをノンテンダーといい、ノンテンダーとなった選手は、MLS6年未満であっても、ノンテンダーFAとして各クラブと契約を結ぶことができる制度。
詳細は下記に記載させていただいています。ご参照ください。
毎年ビッグネームが出てくる
MLS3から5年の選手ですから、FAの選手と違ってサラリーもそれほど高額でない選手がほとんどです。
ノンテンダーFAは、言葉は悪いですが相当な掘り出し物を見つける機会でもあります。
サラリー削減の対象となるケースが多い
過去のノンテンダーFAですが、2020年11月にはカイル・シュワーバーがカブスからノンテンダーに。
さらに、ブレーブスはアダム・デュバルをノンテンダーに。結局、デュバルはマーリンズに入りましたが、トレードデッドラインでブレーブスが再度獲得。2021シーズンはRBIでタイトルを獲りましたね。
また、きわめつけがエディー・ロザリオ。ツインズがコロナ禍でクラブの収益が下がったことから、エディー・ロザリオをノンテンダーにしました。結果、ワールドシリーズはじめポストシーズンでも大活躍でしたね。
2019年11月のノンテンダーでは、名手ケビン・ピラーがそうでした。また、この年の衝撃は2BでGG賞を獲ったヨルマー・サンチェスをホワイトソックスがノンテンダーにしたこと。
2018年11月には、俊足のビリー・ハミルトンをレッズがノンテンダーにしたのは衝撃的でしたね。その他、アビサイル・ガルシア、ジョナサン・スコープ、ウィルマー・フローレスと2021年も活躍した選手がリストに入りました。
このようなビッグネームが飛び出すのがノンテンダーです。
どうして、サラリーも高くなく、ゲームでの貢献度も高い選手をいわゆる放出してしまうのかというと、サラリー削減でもっとも効果が高いのが調停資格選手になるからです。
本当は単価の高い選手をカットしたいところですが、契約時にマルチ・イヤーでサインしていると彼らに手を出せないからです。それが契約なので。
よって、その次に単価の高い調停資格の選手がサラリー削減の対象に。
2021年、ツインズがエディー・ロザリオをノンテンダーにしたのはそういうことでもありました。
その他、単価の安いプロスペクトがデビューを控えるということで、編成上、押し出すというケースもあります。
以上、期限が早まったノンテンダー・デッドラインについてでした。魅力的な選手は出るはずですが、果たして、即ディールが決まるかどうかはわかりません。
お読みいただき、ありがとうございました。
コメント