バスター・ポージーがやりました!
現地2024年12月7日、今FA市場でSSで再注目であったウィリー・アダムス(Willy Adames)のディールが決定。サンフランシスコ・ジャイアンツに決まりました。
現時点ではまだ合意ですが、まもなくオフィシャルになる見込みです。
ジャイアンツは今オフからOBのバスター・ポージーがPOBO(President of Baseball Operations)に就任しましたが、このディールはバスター・ポージーがまとめた最初の大きなディールとなります。
SFG史上最大の契約
さらにこのディールはジャイアンツのフランチャイズ史上最大の契約となります。これまではバスター・ポージー自身の9年/ $167M(2013-2022)が最高でした。バスター・ポージーはこの延長契約前に2013年のサラリーとして$8M(2013)でサインしていましたが、それを上書きした延長契約でした。
そのポージーのディールを超えたウィリー・アダムスの契約内容の大筋はこちら。
- 7年/$182M (2025-31)
- サイニング・ボーナス:$22M
また詳細が入れば更新しますが、現時点で29歳のウィリー・アダムスはオプトアウトを入れていないのではないか?と思います。
総額からのAAV(Average Annual Value)は$26M。2024年のウィリー・アダムスのサラリーはブルワーズと調停を避けて1年/$12.25M (2024)でサインしていましたから、AAVから言っても大幅な増となります。
ウィリー・アダムスとは
実況などではウィリー・アダメスと言っていますが、当ブログでは昔からウィリー・アダムスと記載していましたので、もうそのまま使わせてください。
デービッド・プライスとのトレードでレイズへ
ウィリー・アダムスは2013年、17歳でデトロイト・タイガースとサイン。
2014年、ウィリー・アダムスは18歳でクラスAに昇格していましたが、同年のトレードデッドラインでレイズへ移籍。この時、デトロイト・タイガースは2012年にサイ・ヤング賞を受賞したデービッド・プライスを獲得したのですが、レイズがエースを出す代わりにこだわったのがこのウィリー・アダムスの獲得。マイナーでの活躍に早くから目をつけていたようです。なお、このトレードはタイガース、レイズ、マリナーズの3チームトレードで、ウィリー・アダムスとともにドリュー・スマイリーがレイズに動き、タイガースはCFのオースティン・ジャクソンをマリナーズに送っています。
その後、2015年から順調に昇格していったウィリー・アダムスは2018年5月22日のレッドソックス戦でメジャー・デビュー。デビュー戦では4回にクリス・セールからソロHRを放ち、これがメジャー初ヒットとなっています。
この頃、レイズのSSは元マイアミのSS、アディ二ー・エチェバリアでしたが、バットで優勢だったウィリー・アダムスは徐々に出場試合を増やして行きました。デビュー・イヤーは85試合に出場し、.278/.348/.406をマーク。
初のフルシーズンとなった2019年は.254/.317/.418、HR 20、RBI 69、bWARは4.2を記録。この年、ポストシーズンデビューとなったアダムスは、ALDSでアストロズと対戦。敗退しましたが、13打数5安打、二塁打 1、HR 2と大いに活躍。
短縮シーズンとなった2020年。レイズはALイーストを制覇。ウィリー・アダムスは60試合中54試合に出場し、打率.259、HR 8、RBI 23をマーク。OPS+は127でした。ただ、ポストシーズンではあまり当たりが出ず、打率はいずれも2割を切り、二塁打はALCSまでに2本を放ったのみ。ドジャースとのワールド・シリーズでは21打数3安打、SO8と大ブレーキとなったのでした。このワールドシリーズはランディー・アロウザリナがその名を轟かせたシリーズでした。
2021年、電撃トレードでMILへ
2021シーズンに向けて、レイズは嬉しい方のアップグレードが控えておりました。SSのワンダー・フランコの昇進です。ようやくスターになったウィリー・アダムスでしたが、これはちょっと気の毒な雰囲気に思いました。
ただ、シーズンに入ってからも前年のポストシーズンからの打撃不振は続き、40試合を終えた時点で打率は2割を割る状態に。そしてレイズはトレードを実行しました。
2021年5月21日、ブルワーズからJ.P.フェイライゼンとドリュー・ラスムッセンというリリーバー2人を受け取る代わりに、トレバー・リチャーズとウィリー・アダムスをブルワーズにトレードしたのでした。 レイズはもうワンダー・フランコを上げるチャンスを狙っていたようなところがありました。しかし、これが後に大きな失敗へと繋がります。
このトレードはブルワーズのSSのルイス・ウリアスが守備に問題があったため、レイズと受給がマッチした訳ですが、移籍後のアダムスはグラブだけでなくバットも復活。トレード後は99試合で.285/ .366/ .521、OPS .886をマーク。HR20、RBI 58と一躍ブルワーズのトップ・ヒッターとなったのでした。のびのびできるとこうなるという典型ですね。
2022年にはブルワーズのショートとしてフルシーズンを過ごし、139試合に出場、打率.238、HR 31、RBI 98でOPS+は112を記録。同年春の2023年ワールド・ベースボール・クラシックのドミニカ共和国代表にも選出されました。
2024年、ウィリー・アダムスは151試合に出場して打率.251、二塁打 33、HR 32、Run 93、RBI 112、SB 21をマーク。OPS+は118。ポストシーズンでは、ワイルドカード・シリーズでメッツに敗れたものの、MVP投票では10位に入り、キャリア最高のシーズンを過ごし、注目FAとして市場に出たという流れです。
レイズの誤算
レイズがウィリー・アダムスを出した誤算ですが、期待していたワンダー・フランコがリーグにその名を轟かせたまではよかったものの、2023年夏に未成年者との不適切な交際が発覚。その後はフィールドに戻ってきておりません。
レイズは彼をチームの核にしようとして異例の延長契約まで結んでいたのですが、大誤算となったのでした。
SFGの内野
ジャイアンツの内野ですが、3Bはマット・チャップマンで決まり。SSはタイラー・フィッツジェラルドもしくはブレット・ワイズリーかというところでしたが、ウィリー・アダムスが入りましたので、彼らは2Bを争うということになりそうです。1Bにラモンテ・ウェイド・Jr.もしくはウィルマー・フローレス。ウィルマー・フローレスはDHで起用されるケースも増えそうです。
QO選手とサイン 補償とペナルティー
ウィリー・アダムスはブルワーズからQOを提示されていましたが、これを拒否してFAとなってジャイアンツとサインしたことから、補償とペナルティーが発生します。
まず出ていかれたブルワーズですが、レベニュー・シェアリング受領者です。$50M以上の契約なので、2025年MLBドラフト1巡目の後のコンペティティブ・バランス(以下CB)ラウンドAで補償を受けることができます。
そしてサインしたジャイアンツですが、贅沢税も超えておらず、レベニュー・シェアリングを受けていないことから、2025ドラフトで2番目に高い指名権を失い、さらに2025年のインターナショナル・ボーナス・プールから$0.5Mの枠も失います。
仮にジャイアンツが2人目のQO拒否選手とサインした場合は、残り3番目の指名権とさらに$0.5Mドル枠を没収されます。
ともかく、ジャイアンツに最強の三遊間が誕生しました!
お読みいただき、ありがとうございました。
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