ガーディアンズとロッキーズで成立したトレードについて
現地2025年3月22日にガーディアンズとロッキーズでトレードが成立。ロッキーズの長距離砲ノーラン・ジョーンズがガーディアンズに移籍することになりました。ロッキーズにはユーティリティーのタイラー・フリーマンが動きます。
トレード概要
1:1のトレードではありますが、一応概要を記しておきます。
ガーディアンズGet
- ノーラン・ジョーンズ(Nolan Jones/27)LF or 1B | B/T: L/R
ロッキーズGet
- タイラー・フリーマン(Tyler Freeman/26)UTL | B/T: R/R
CLEの背景
インパクト・バットが必要
ガーディアンズのOFはLFにスティーブン・クワン、CFにレーン・トーマスでこの2つはもう決定。ここは堅いところです。RFに関してはスプリング・トレーニングではウィル・ブレナンとジョンケンシー・ノエル(Jhonkensy Noel)で争っておりました。
ジョンケンシー・ノエルは2024年のALCSで9回裏2アウトから同点HRを放ったことで印象に残っている方も多いと思います。
左投げ左打ちで27歳のウィル・ブレナンはここ2年でガーディアンズのRFを務める機会が多かったのですが、この間の平均成績は.265/.303/.370、OPS .673、HR 13、二塁打 37、SB 19。まずまずというところ。
一方、2024年にメジャー・デビューを果たしたジョンケンシー・ノエルは右投げ右打ちの23歳。2024年は67試合の出場で.218/.288/.486、OPS .774、HR 13、SB 0をマーク。
成績を比較しておわかりのように安打で出塁率を上げるウィル・ブレナンに対し、ジョンケンシー・ノエルは一発でフィールドで貢献するタイプ。2024年はプラトゥーン(左右投手の使い分け)で起用されてきた両者ですが、今季もその様相ではあったのですが、ここをガーディアンズ・フロントはインパクトのある2人でプラトゥーン起用したいと考えたというのがこのトレードのガーディアンズ側の背景の1つ。
ノーラン・ジョーンズの成績は後述します。
INFユーティリティーは不要に
ガーディアンズ側の背景の2つ目ですが、それがこれまでこなしてタイラー・フリーマンの役割の終了にあります。タイラー・フリーマンは、典型的な守備型の選手でダイヤモンド全体で質の高いディフェンスをこなします。しかし、打撃成績は2024年は118試合に出場して、.209/.305/.321(84wRC+)とOBPが辛うじて.300を超えることでなんとかサバイブしてきた選手で、そもそもバットの力はあまり期待できない選手。
デービッド・フライはUCL手術
ガーディアンズにはデービッド・フライという一発のある面白い選手がいますが、彼は昨秋にUCLの手術を行い開幕はIL。デービッド・フライはホセ・ラミレスと交代で3BとDHをこなしてきた選手。
そのデービッド・フライが開幕から数ヶ月は不在なのですが、ガーディアンズは2B、3Bを守れる選手が育ってきてきて、ガブリエル・アリアスとダニエル・シュニーマン(Daniel Schneemann)が2Bを争っていますから、彼らのどちらかが3Bを守ることが可能。
ゆえにユーティリティー・ロールであったタイラー・フリーマンの役割がなくなってしまったという背景がありました。
COLの背景
ロッキーズ側の事情ですが、ここはボールが飛ぶことが幸いしてか質のいい内野手が育つ環境となっており、かつてのトロイ・トゥロウィツキーもそうですし、ノーラン・アレナド、DJ・ルメイヒュー、トレバー・ストーリーと錚々たる内野手を輩出しています。
現在もSSのエジキエル・トーバーをはじめ、3Bにライアン・ミクマン(Ryan McMahon)がおり、この三遊間はかなりレベルが高いです。そんな中、2Bの有力候補であったタイロ・エストラーダ(Thairo Estrada)が開幕を控えたこの時期にレンジャーズのクマール・ロッカーの剛速球を左手首に受けて骨折。復帰まで4~8週間の離脱を余儀なくされました。
ロッキーズは今オフにカイル・ファーマーを獲得しており、おそらく打撃の面ではカイル・ファーマーが2Bを守ることになると思われますが、タイラー・フリーマンは内野手のバックアップの1番手としてその守備でロッキーズを支援する白羽の矢が立ったというところです。
ノーラン・ジョーンズは古巣へ復帰
ノーラン・ジョーンズですが、もともとは2016年のインディアンスの2巡目指名でプロ入りした選手です。デビューは2022年で28試合で、打率.244でHR 2。2022年11月にフアン・ブリトとのトレードでロッキーズに移籍することに。
2023年はロッキーズで.297/.389/.542、HR 20、SB 20をマークし、3.8fWAR/4.3bWARを記録。 NLROY投票で4位に入る活躍を見せました。
しかし、2年目の2024年はスランプに陥り、さらに背中の問題なども79試合の出場にとどまり、.227/.321/.320と精彩を欠きました。
強烈なアーム
そんなノーラン・ジョーンズは強烈な肩をもっており、2024年7月1日には101.3mphをマーク。OFの守備でもガーディアンズに面白いことを巻き起こしそうです。
ノーラン・ジョーンズが2023年ほどの成績をマークすれば、ガーディアンズの野球が変わるかもしれませんね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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