30SVのC・ホームズ、先発としてサイン
現地2024年12月6日、ニューヨーク・メッツはヤンキースからFAとなっていたクレイ・ホームズ(Clay Holmes)と3年契約で合意しました。ディールはフィジカル・チェックの結果待ちで、まもなくオフィシャルになる見込みです。
メッツはクレイ・ホームズは先発として起用する予定です。
契約内容
両者の契約内容はご覧の通り。
- 3年/$38M (2025-27)
- $13M(2025)、$13M(2026)、$12M(2027)
- 2026年終了後にオプトアウトあり
特筆としては2年後にオプトアウトが入っています。クレイ・ホームズは1993年3月27日生まれの31歳(現地2024年12月6日時点)。2025シーズンが始まってすぐに32歳になります。仮に2年後にオプトアウトしたなら、34歳で再び市場へということに。MLSの蓄積で現時点でFAとなったので、この設定は割とベターな選択肢かと思います。1つ楽しみを置いているということになるかと思います。
クレイ・ホームズとは
クレイ・ホームズはヤンキース2021年のトレード・デッドラインでヤンキースに移籍し、2024シーズンまで3シーズン半過ごしてきました。今回はサブウェイ・シリーズの相手のメッツに移籍ということでニューヨークを横断するという形になりました。
クレイ・ホームズは2011年のアマチュア・ドラフトでパイレーツから9巡目で指名を受けてプロ入り。高校卒からのプロ入りです。
ドラフト・イヤーから数えてマイナーで7シーズンを過ごして上がってきた苦労人で、デビューは2018年で25歳の時でした。メジャーに上がってからは2019年に一度マイナーに落ちただけで、マイナーでの通算成績はオール・レベルで134試合、うち114先発で42勝29敗1セーブ、ERA 3.63。
マイナーではほとんど先発として登板していましたが、メジャーではほぼリリーフでの登板。先発はデビュー・イヤーの2018年に4試合に投げただけ。
パイレーツでの3年半は安定しておらず、2018年は11試合に登板してERAが6.84、2019年は35試合に登板してERAは5.58。短縮シーズンの2020年は1.1イニングに登板したのみ。
トレードで才能発揮
2021年、パイレーツで44試合に登板し、ERAは4.93。この登板数が評価されたのか、2021年のトレード・デッドラインで内野手のディエゴ・カスティーヨらとのトレードでヤンキースへ移籍。
ヤンキースに移籍してからはまるで別人で、25試合に登板して5勝1敗、ERA 1.61と抜群の成績を残し、ワイルドカードシリーズでヤンキースがレッドソックスに敗れた際には、2イニングを無失点に抑えるなど好投。
2022年から2024年までの3シーズンはクオリティーの高いブルペンとしてその名を知られました。
2022シーズンには、2022年、アロルディス・チャップマンとジョナサン・ロアイシガの負傷により、クレイ・ホームズの立場は一気に昇格。アーロン・ブーン監督にクローザーを指名され、6月15日までに11セーブを挙げ、防御率はわずか0.29。オールスターにもノミネートされました。このシーズンは62試合で63.2イニングを投げて7勝4敗20セーブ、ERA 2.54をマークしました。
2023シーズンには66試合で63.0イニングを投げて4勝4敗24セーブ、ERA 2.86。
2024年も好調なスタートを切り、4月末まで13.1イニングを投げて無失点。5月からはややコマンドに苦しみ始め、夏は割と不安定な成績に。6月初旬から8月末までの30試合の登板でERAは3.64。9月に入ると、ヤンキースはクローザーをルーク・ウィーバーに変更。ホームズはセットアップの役割でシーズンを終えました。2024年は67.0イニングを投げてERA 3.14。2024年はキャリアハイの30セーブを記録しつつも、13セーブ機会を吹き飛ばしたのはMLBワーストとなりました。たあ、ポストシーズンには復活。10月は一度もリードをひっくり返されることなく、5ホールドをマークしております。
クレイ・ホームズはいわゆるシンカー・ピッチャー。4シームがほとんどなく、ファストボールはシンカーで、シェアは55%を超えます。そして右打者に対してはのけぞらせて、スライダーあるいはスウィーパーで仕留めるという横の変化で勝負する右腕。厄介なのはボールの強さ。リリーフだったこともあり、2024年のシンカーのアベレージ・ベロシティーは96.6mphを記録しています。
ローテーションとなり、いささかアベレージ・ベロシティーは落としてくると思いますが、もう1つ緩いボールがあるとかなり楽になりそうに思うのですが、何か試してくるでしょうか!?
第2のセス・ルーゴか!?
リリーバーがローテーション転向に成功した現在進行形の典型と言えばやはりセス・ルーゴ。彼は元メッツのセットアップマン。さらに、現ブレーブスのレイナルド・ロペスや現パイレーツで、クレイ・ホームズとヤンキースで同僚であったマイケル・キングも成功例です。
特に現ロイヤルズのセス・ルーゴは2023年に先発投手としてパドレスとサイン。2023年は26先発、146.1 IPで8勝7敗、ERA 3.57をマーク。
さらに、2024年はロイヤルズで33試合に先発し、206.2イニングを投げ、16勝9敗、ERA 3.00とALを代表するローテーション投手となりました。サイ・ヤング賞は惜しくもタイガースのタリク・スクーバるに譲りましたが、投票では堂々の2位にランクインしております。
メッツの先発
クレイ・ホームズの加入により、メッツの現地2024年12月7日時点のローテーションは千賀滉大投手、フランキー・モンタス(新たに契約)、ポール・ブラックバーン、デービッド・ピーターソン、タイラー・メギル、そしてクレイ・ホームズいう面々。この中にブルペンに回る人も出てきますが、かなりいいメンバーですね。
メッツはFAでルイス・セベリーノ(A’sに決定)、ショーン・マナエア、ホセ・キンタナを失っております。まだ再契約の可能性もあるかもしれませんが、フアン・ソトのディールが決まる前にまずはローテーションを1人決めたという格好になりますね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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