またしてもドジャース
またしてもドジャースですね。現地2025年1月28日、ロサンゼルス・ドジャースはレンジャーズからFAとなっていたカービー・イェーツ(Kirby Yates)と1年契約で合意です。
こちらは現地2025年1月21日の段階で、「暫定的な」合意というふうに出ていましたが、この日はフィジカル・チェックが通ったことも判明。これはさすがに決まりと見ていいかと思います。まもなくオフィシャルとなる見込みです。
これでドジャースはスーパー・ブルペンが誕生したと言ってもいいでしょう。
契約内容
ドジャースとカービー・イェーツの契約内容は大筋で以下の通り。
- 1 年/$13M保証 (2025)
- パフォーマンス・ボーナス:$0.5M/ 50、55 試合登板ごとに(MAX + $1M)
大幅アップ⇑
パドレス時代の2019年に41セーブを上げ、ナ・リーグのセーブ・タイトルを獲ったことのあるカービー・イェーツですが、実はサラリーはほぼ$5M近辺で推移しておりました。
セーブ・タイトルを獲った翌年の2020年はまだ調停ステータスでパドレスと1年/$7.0625M (2020)でサイン。額としては大きかったのですが、いかんせん2020年は短縮シーズンとなったため、サラリーはフルの37%に限定されたため、額面で$2.61Mほど。
2021年はFAとなりブルージェイズとサインしたものの、2020年は4.1イニングしか登板しなかったこともあり、 1年/$5.5M (2021)での契約に。
2022年からはFAとしてブレーブスと2年/$8.25M (2022-23)で契約。これもAAV(Annual Average Value)では$4.125Mほど。2024年はレンジャーズと1 year/$4.5M (2024)でサイン。このようにほぼ$5M程度での推移。ゆえに2025年はは単価(AAV)としてはグンと上がったことになりますね。
リリーバーはなかなか大型契約ということにこぎつけない傾向があるので、AAV$10M超えは良いニュースかと思います。
2024年のイェーツは50試合締め/33セーブ
ここまで単価が上がった理由はやはりカービー・イェーツの2024年の際立った成績があります。
レンジャーズで61試合に登板し、そのうち50試合を締め、セーブポイントは33。7勝2敗でERAはなんと1.17。素晴らしく高品質の投球を披露し続けたのです。
また、61.2イニングで奪三振はなんと85。SO9だと12.4。SO%はリーグ平均が21.9%だったのに対し、イェーツのそれは35.9!そして対戦した打者の打率は.199。驚異的な数字を叩き出していたのでした。
さらに驚くのは4シームの割合。2024年は37歳のシーズンだったのですが、4シームは60.7%。ちなみに2023年のそれは53.9%で2022年は50.4%。年々比率が高まっているのが驚異です。アベレージ・ベロシティーは93.2mphで2023年の93.6mphより若干落ちているにも関わらずです。
スプリットの威力
しかも4シームのWhiff %(空振り率)は35.2%。ここまで4シームに威力を持たせているのには理由があって、スピンレートの高い4シームであることはもちろんのこと、やはりスプリットのちからが大きいと言っていいでしょう。
カービー・イェーツのスプリットの投球割合は2024年は38.7%。4シームが60.7%でしたから、残りのほとんどがスプリットということに。スライダーは0.6%でした。
要は3球種しかないのです。若い打者ならギャンブルのように決め打ちしてくることもありますが、GB%(ゴロ率)が45.5%で、いかに芯を外して凡打を打たしているかがわかります。このGB%も2023年は35.6%でしたので2024年は大いに改善してきています。それはHard Hit %にも比例して現れており、2023年が40.2%、2022年に至っては45.5%でしたが、2024年は33.1%に激減しております!
あとは怪我の多いカービー・イェーツが1年間、フルに稼働してくれれば良いですね。3年連続で60試合以上に登板していますから、ドジャースもそこが懸念だったのでしょう。
やはりコペックの1ヶ月離脱が獲得の契機か?
ホット・ストーブ序盤には頼りになるベテランのブレイク・トライネンとの再契約をまもめ、さらに隠れた超人気FAのタナー・スコットさえも獲得したドジャース。
もはやこの時点で盤石なブルペンと見てよかったのですが、気になったのはマイケル・コペックの怪我のニュース。これは某記者さんの情報だったがゆえに慎重に見ていましたが、実際どうなのかも少しわかりました。現地2025年1月28日時点でドジャースGMのブランドン・ゴームズはこう語っています。
「コペックの投球とオフシーズンのトレーニングプログラムは他の選手と同じだ。しかし、彼が1ヶ月間欠場するのは間違いない。コペックは投げていて、とても調子がいいという報告を受けている」と。
つまりは某記者さんの1ヶ月離脱という点は当たっていたということになり、ただし、長引くような怪我ではないと。だから半分当たっていたというところでしょうか。
では調子がいいのならどうして1ヶ月遅れるのか?と思うのですが、故障でなければなんらかのテクニカルな取り組みでしょうか?
いずれにせよコペックの開幕が遅れることは確かなようで、この一報もカービー・イェーツのディールを促進するのに一役買った面もあるでしょう。
ゆえに日本開幕戦ではマイケル・コペックは見られない可能性が高そうです。
ドジャースのスーパー・ブルペン
カービー・イェーツ加入により、ドジャースのブルペン陣は強烈なことになっています。
- CL候補:カービー・イェーツ:
- 2024年 33セーブ
- CL候補:ブレイク・トライネン:
- 2024年のLADの最終的なクローザー。ビデオゲームのようなスライダーはアスレチックス時代から定評あり。スウィーバーですね。
- セットアップ:タナー・スコット(LHP):
- 大谷選手さえキリキリ舞いにさせたハードスロー・レフティー
- アレックス・ベシア(LHP):
- 2024年も貴重なレフティーとして常に安定した投球を披露。WS制覇の功労者の一人。
- アンソニー・バンダ(LHP):
- キレの良いボールを角度よく投げ込む左腕。コントロールにやや不安あり。
【IL】
- セットアップ:マイケル・コペック:
- ハードスロー・ライティー。開幕は1ヶ月遅れる見込み。
- ブラスダー・グラテロル:
- ハードスロー・ライティー。少なくとも前半戦は無理
- エバン・フィリップス:
- 2024年に18セーブ。ポストシーズン中に腕の疲労からWSロスター落ち。現時点では40manに入っている
タナー・スコットとカービー・イェーツが入ったので、ライアン・ブレイジャーはロスター落ちするかもしれません。
以上、ドジャースの強烈なブルペンのお話でした。
お読みいただき、ありがとうございます。
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