パドレス、NLDSで重要な先発の1人を失う
現地2024年10月5日からいよいよNLDSが始まりますが、その前日の4日にパドレスにとっては痛すぎるニュースが入ってきました。
ジョー・マスグローブがトミー・ジョン手術となりました。
Joe Musgrove talks with the media after receiving news that he will undergo Tommy John surgery. pic.twitter.com/kzw7UEpa8S
— Sammy Levitt (@SammyLev) October 4, 2024
WC Gm2で途中降板
ジョー・マスグローブはブレーブスとの対戦となった現地2024年10月2日のNLワイルドカード・シリーズのGm2に先発。前日のGm1でブレーブスを4-0で下していたパドレスはGm2を取れば2戦先勝のワイルドカード・シリーズを勝ち上がることが出来る重要なゲーム。その重責を任せられたジョー・マスグローブは、初回、後がないブレーブスの先頭打者のマイケル・ハリス2世の2塁打をきっかけに犠牲フライで1点を奪わるも、2回裏に味方打線がブレーブス先発のマックス・フリードから5点を奪い、逆転。
その後は2回、3回を三者凡退。4回表も2アウトまで奪い、3人目のマット・オルソンの初球に大きなカーブを投げ、ジョー・マスグローブが2球目のモーションに入ろうとしたところで女房役のカイル・ヒガシオカがタイムを要求。マウンドに向かいました。こういう場合はたいがい緊急で故障になることが多いので、嫌な予感がしましたが、やはりその通りでマイク・シルド監督及びトレーナーもマウンドに駆けつけそのまま降板となりました。
Joe Musgrove exited the game in the 4th inning after Kyle Higashioka noticed something wrong in his windup pic.twitter.com/2nUldInUuz
— Talkin’ Baseball (@TalkinBaseball_) October 3, 2024
降板当日の初診では肘のハリということでした。
精密検査でUCLの損傷が発覚
パドレスの編成トップのA.J.プレラーによると、ジョー・マスグローブは現地2024年10月4日に精密検査を受けたところ、右肘UCL(Ulnar Collateral Ligament: 尺骨側副靱帯)の損傷が発覚。トミー・ジョン手術を受けることになったと発表しました。
損傷度合いは現時点では完全断裂なのか部分断裂なのかは明確ではなく、したがって手術の内容も再建型のトミー・ジョン手術なのかあるいは、修復型のインターナル・ブレース手術なのかは明らかではりません。
マスグローブは2025年は全休決定
一般的に投手の再建型のトミー・ジョン手術なら余裕のあるスケジュールで復帰まで18ヶ月。インターナル・ブレース手術ならもう少し早くて12ヶ月から14ヶ月ほどで復帰している例があります。
いずれにせよ、現時点で1年後はもうシーズンが終わった時期になるので、2025年は全休が決定したと言っていいでしょう。2025年のオフにじっくりとリハビリを行い、完治すれば2026年の開幕には間に合う見込です。ただし、本来リハビリ登板に当てる時期がシーズンオフになるので、ひょっとしたら2026年のシーズンは数ヶ月ずれるかもわかりません。
今季は肘の故障に泣いたマスグローブ
ジョー・マスグローブはこの兆候が出ていたのも確かです。
まず、2023年8月4日に右肩関節包の炎症で15 Days IL入り。結局、復帰は叶わず、シーズンの最終登板は2023年7月28日のレンジャーズ戦ということになり、2023年9月30日には60 Days ILに移りました。
2024年は海外での開幕シリーズの2戦目に先発するなど開幕には間に合ったものの、4月はいま一つ調子に乗ることが出来ずに3勝3敗、ERA 6.94。5月5日に右肘の炎症でIL入り。その後、5月21日に復帰し、26日にも登板しましたがやはり右肘の炎症が再発し、6月1日に再びILへ。この時は肘に骨棘があることが判明しました。復帰したのは8月12日のパイレーツ戦でそこからシーズン終了までローテーションは守ってきました。
今季の成績は2度のILを経て19先発で11勝8敗、ERA 3.88。数字自体は良かっただけに、このポストシーズンでも期待されましたが、残念ながらここで離脱ということになりました。
ポストシーズンにも強かっただけにパドレスとしては残念なことに。
契約は2027年まで
こうなるとオフシーズンのパドレスの動きも気になります。マスグローブの穴をどう埋めるのか、シーズンオフの課題が出来てしまいました。
ジョー・マスグローブは1992年12月4日生まれで現地2024年10月4日時点で31才。そしてパドレスとの契約はご覧の期間となっています。
- 5 年/$100M (2023-27)
- 2022年8月1日に延長契約
- $20M/年 x 5
- フル・ノートレード条項(2023-26)
- 13 クラブへのトレードをブロック(2027)
パドレスは5年のうち1年を手術で失うことになりました。
30才超えでのTJでもクリス・セールの好例あり
マスグローブ個人としては契約のど真ん中での怪我で不幸中の幸いとなりました。これがFAイヤーならかなり厳しい状況となっていました。
また30才を超えてからのトミー・ジョン手術は選手寿命との兼ね合いでかなり勇気のいる決断ですが、この点はクリス・セールが跳ね返してくれています。
クリス・セールは2020年にトミー・ジョン手術を実施。この時はマスグローブと同じ31才。そして2021年8月に復帰。その後は2022年、2023年と不本意なシーズンではありました。肘以外の怪我として打球が指に当たるという事故や自転車で転倒するなどの自責の事故など。
2024年、クリス・セールはブレーブスに移籍。そして18勝をマークし、サイ・ヤング賞候補です。しかもトリプル・クラウンを達成!これはマスグローブにも大きな勇気を与えているでしょう。
NLDSは?
マスグローブを欠くことになったパドレスは、ドジャースとのNLDSは10月5日のGm1はディラン・シーズ、10月6日のGm2はダルビッシュ投手が先発。1日空いて10月8日のGm3以降の先発は現時点では未定。NLDSは3戦先勝でMAXで5戦。
10月1日のNLWC Gm1に投げたマイケル・キングはGm3はREADY状態でしょう。ただし、パドレスが王手あるいは逆王手をかけられた時に使いたいはずで、Gm3に登板とは限りません。となると、やはり現状では足らないので、誰を起用するか?ですが、まずベテラン左腕のマーティン・ペレスは決定でしょう。そして、もうひとり入れるとすればナックル・ボーラーのマット・ウォルドロンでしょうか?シーズン後半にラフ・アウティングが続いたのは心配なのですが。
NLDSでのパドレスのローテーションも見ものです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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