タピア、スピードで攻撃にインパクトを作るもDFAに
現地2023年6月6日、ボストン・レッドソックスは、たびたびその走力で攻撃に良いインパクトを与えたライメル・タピア(Raimel Tapia)をDFAとしました。
打率.264
今季29才のシーズンを迎えていたライメル・タピアは、もうベテランと言っても良いようなキャリアとなりました。
2022年11月にブルージェイズからノンテンダーFAとなり、その後レッドソックスとマイナー契約を結び、開幕前にメジャー・ロスターに入りました。
レッドソックスでは、これまで39試合に出場し、97打席で87-23、打率.264、OBP .333、SLG .368、HR 1、二塁打 4、三塁打 1、盗塁 6をマーク。BBは9でSOは19。
非常にひたむきにプレーし、ときにはその俊足で攻撃にバリエーションを与え、ある種の存在感を発揮していただけに、ちょっと残念な結果となりました。
とにかくLHPに弱かった
ライメル・タピアはとにかくスピードがあり、パワー不足をそれで補ってきました。ただ、守備は平均よりちょっと悪いくらい。ケビン・キアマイアーのようなインパクトのあるDRSをマークしてきた訳ではありません。
レフティーの多いBOS/OFでは目立たず
レッドソックスのOFは、アレックス・ベルドゥーゴ、吉田選手、そしてジャレン・デュランといずれも左打ちの選手ばかり。右打席ではキケ・ヘルナンデスもいますが、現時点ではINFとしての出場が多いことから、彼を除けばということにはなりますが。その中でタピアは第4のOFとして十分に活躍をしてきました。
しかし、数字に偏りがあったのも事実です。
左打席のライメル・タピアの今季の右投手との対戦成績は、打率.309、OBP .373、SLG .441と非常に良かったのに対し、左投手とは打率.105、OBP .191、SLG .105と、もはや壊滅的。左投手の時には起用できる数字ではありませんでした。
彼がリードオフで起用されたゲームも何度かあり、非常に面白い布陣だと思ったのですが、定着しなかったのはそういう左腕への極端な弱さがあったからでもあります。
アローヨの復帰に伴い
なお、ライメル・タピアがDFAとなったのは、クリスチャン・アローヨがILから復帰することになったことによるロスター調整です。
デビュバル、ストーリーも復帰準備へ
なお、レッドソックスはこの春、驚異的なスタートを見せながらも痛々しい守備での怪我で離脱したアダム・デュバルがすでにマイナーのゲームに出場し、調整に入っています。そしてトリプルAのゲームでHRを放つほど、ビシバシとバットを振れるようになっています。彼の復帰はまもなく!
また、トミージョン手術のリハビリ中のトレバー・ストーリーもスローイングセッションではすでに90フィート(約30m)の距離まで伸ばせております。ストーリーが復帰することになれば当分はDHでの起用となります。
ストーリーがSSに入るのは、まだ時間がかかるとして、驚異的なアスリート力を見せつつも、スローイングに粗さのあるキケ・ヘルナンデスはやはりOFとして起用したいところ。
そうすると、ベルドゥーゴのRFは決定として、CF、あるいはLFにアダム・デュバル、キケ・ヘルナンデス、あるいはジャレン・デュランが入ることに。
吉田選手はストーリーが復帰するまではDHで起用されると思われます。
そしてストーリーが2BあるいはSSの守備に就くようになれば、吉田選手がDHあるいはLFに。
いずれにせよ、攻撃のオプションはかなり増えることになります。
タピアの今後
レッドソックスはこの後、タピアをウェーバー公示し、1週間以内にトレードするか、ウェイバーを通すか(クレームオフなし)か、リリースするかを決定することになります。
マイナー契約からメジャー契約となったタピアのサラリーは$2Mです。トレードならいくらかお金を積んで投手を取るかという選択もあります。
お読みいただき、ありがとうございました。
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