クリス・セール、2週間後の復帰もない見込み
現地2023年6月1日のレッズ戦で、4回に失点1,奪三振6で途中降板したクリス・セール。明らかな怪我とわかる交代で何があったか心配でしたが、第1報が出て、左肩の炎症ということで現地2023年6月2日付けで15Day ILに入りました。
ベロシティーが落ちた
1日のレッズ戦は、代わる必要のない場面での降板で、3回表に1失点を喫したのみでした。直近の登板では97mphを超える強い4シームを投げていたクリス・セールは初回こそMid-90mphのベロシティーが出ていたものの、2回以降は92-93mphとなり、3回表に球速が落ちたところをカート・カサーリ、ケビン・ニューマンに連続ダブルを浴びて1失点を喫したのでした。
4回表には更に苦しい投球となり、先頭から2者連続で二塁打を浴び、これで1点が入らなかったのがラッキーで、しかも次打者のスチュアート・フェアチャイルドを浅いRFフライに仕留め、RFのアレックス・ベルドゥーゴのホーム送球でアウトにし、ダブルプレーを獲ったまではよかったです。つづくニック・センゼルに四球を出したところで降板となりました。
レッドソックスは4回裏にラファエル・デバースの2塁打とジャスティン・ターナーのタイムリーで1点を返し、1-1の同点に。7回裏にはキケ・ヘルナンデスのソロHRで勝ち越しに成功し、8回裏には一挙6点を奪い、スターターのトラブルにも関わらず、8−2のスコアでゲームをものにしました。
クリス・セール、15 Day ILを延長する見込み
一旦は左肩の炎症との診断が下りましたが、レッドソックスはMRIを実施する予定で正式な診断まであと1週間ほどかかります。現時点ではなんとも言えませんが、15日 Day ILの復帰となる2週間後もおそらくローテーションには戻ってくることはなく、ILの期間を更新することになりそうな見込みです。
直近5登板で復調していた
今季はラフ・スタートで始まったクリス・セールですが、現地2023年4月30日のガーディアンズ戦から復調。5月20日のカージナルス戦まで4戦連続でQS(Quality Start)をマーク。5月26日のDバックス戦まで入れれば5戦連続で好投が続いていたのでした。
Date | Oppo | IP | H | R | ER | BB | SO | HR | ERA |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
4/30 | CLE | 6.1 | 3 | 1 | 1 | 0 | 5 | 0 | 6.75 |
5/5 | @ PHI | 6.0 | 7 | 3 | 3 | 1 | 10 | 0 | 6.37 |
5/13 | STL | 8.0 | 3 | 1 | 1 | 1 | 9 | 1 | 5.40 |
5/20 | @ SDP | 7.0 | 3 | 2 | 2 | 1 | 8 | 2 | 5.01 |
5/26 | @ ARI | 5.0 | 4 | 1 | 1 | 1 | 3 | 0 | 4.72 |
やや腕の角度も上がり97mphの強いボールを投げるクリス・セールを見て、これは完全復活となったと思っていたのですが、ちょっと黄色信号が灯ってしまいました。
30代に入ってから怪我の連続
クリス・セールは1989年3月30日が誕生日で、今季は34才のシーズンを過ごしています。
2010年に21才でデビュー。デビュー後の2年はブルペンでの登板で、相手からすると非常に厄介なリリーバーでした。
2012年から先発に転向し、2016年12月にマイケル・コペックとヨアン・モンカダらとのトレードでレッドソックスへ移籍。
2018年までは輝かしいキャリアを過ごしました。この2012年から2018年までの7シーズンはいずれも二桁勝利をマーク。17勝を3度マークするなど、計99勝59敗、ERA2.91をマーク。しかも200IP以上のシーズンが4度もあります。7年連続でオールスターに出場です。
サイ・ヤング賞の投票では最高で2017年に2位に入りました。このシーズンは17勝8敗で、ERAは2.90。SO9は12.9で、BB9は1.8、HR 9は1.0です。
2018年が29才のシーズンで、2019年から30才のシーズンに突入。
そこからは怪我との戦いになっています。2019年からforearm soreness(前腕部の痛み)を発症し、UCLへのダメージを連想させ、2020年3月19日にトミージョン手術を行うことが決まりました。
トミージョン手術以降の詳細は下記の記事に記しています。
肋骨、カムバッカーによる骨折、自転車から落下・・・・。
そして、今季はスタートは非常にラフで、高いERAを算出する要因でもありましたが、上述の通り、直近5試合でようやく本来の調子を取り戻したかのように見えていたのでした。
よって、非常に残念なことになっています。
5月は4スタートで、26.0 IP、被安打17、失点7、自責点7、BB 4、SO 30、HR 3でERAは2.42。BBが1試合当たり1つに減ったのが一番良いポイントでもありました。
レッドソックスのローテーション
クリス・セールが少なくとも2週間はローテーションを外れるということで、レッドソックスはタナー・ホウク、ギャレット・ウィットロック、ブライアン・ベイヨー、ジェームズ・パクストンをローテーションに加えて、ブルペンに転向となったコーリー・クルーバーを先発に復帰させる見込です。
ネイト、ワカがピッチャー・オブ・ザ・マンス
2022年にレッドソックスのローテーションで投げていて、FAで今季他クラブに移った2人の投手が2023年5月のピッチャー・オブ・ザ・マンスに選ばれています。
ア・リーグは今季からレンジャーズで投げることになったネイサン・イオバルディで5月は4勝0敗、ERA0.96、30 SOと快投。
ナリーグは今季からパドレスに移籍となったマイケル・ワカが受賞。ワカは3勝0敗、ERA 0.84、26 SOとこちらもネイトと同じような数字をマーク。
いやはや、なんたる皮肉でしょうかね。
クリス・セールの詳細が待たれます。
お読みいただき、ありがとうございました。
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