2021年にATLで37セーブ
現地2023年3月4日のこととなりますが、テキサス・レンジャースがFAで残っていた実績ある左腕リリーバーのウィル・スミス(Will Smith )と1年のメジャー契約でサインしました。
Will Smith recorded the final out of the World Series against the Astros last season. Now he’s been added to Houston’s World Series roster pic.twitter.com/58tdaTEeDI
— Talkin’ Baseball (@TalkinBaseball_) October 28, 2022
レンジャースは40manロスターのスペースを空けるため、内野手のマーク・マシアス(Mathias)をDFAにしています。
契約内容
レンジャースとウィル・スミスの契約は以下の通り。
- 1年/$1.5M保証(2023)
- パフォーマンス・ボーナス:+$2.5M (登板試合数、ゲーム・フィニッシュの数に応じて)
今回の契約は2022シーズンの成績が今ひとつだったため、厳しい内容となりました。
前の契約
ちなみに前契約はご覧の通り。これは2019年11月にブレーブスとサインした内容です。
- 3年/$40M (2020-22)
- $13M (2020-22)
- 2023: $13M クラブ・オプション ($1Mバイアウト)
ウィル・スミスは、2022年8月2日にトレードでアストロズに移籍。この時、ブレーブスが2022年の残りサラリーも負担しています。
シーズン終了後、アストロズは2023年のクラブ・オプションを拒否。このときのバイアウトの$1Mもブレーブスが負担しています。
2022年はピリッとしなかったウィル・スミス
頑丈であることは間違いないウィル・スミス。2022年はブレーブスとアストロズで併せて65試合に登板。後述しますが、2021年も71試合に登板していますから、2年連続でゲーム後半を任され、フル稼働というところです。
ところが2022年はブレーブスで、ERAが4.38と特に前半戦はピリッとしませんでした。アストロズに移籍してからは、ERAは3.27と持ち直しはしましたが、シーズントータルのERAは3.97。4点台が見える直前まで行きました。
65試合中、失点を喫したのが23試合。自責点を記録したのは19試合。よって、かなりのゲームで抑えており、そこは十二分に評価して良い点ではあるのですが、後ろを任せる投手としては心配しながらマウンドに送り出す状況が多かったとも言えるでしょう。
2021年は37セーブ
ブレーブス移籍2年目となった2021年は、71試合でERAは3.44。60試合のゲームを締めくくり、37セーブを上げ、ブレーブスのワールドシリーズ制覇に貢献。失点したゲーム数は71試合中わずか20試合。
スライダーの方が4シームよりも多い投手で、4シームが特別速い訳ではなく、2021年の平均ベロシティーは92.8mph。よって、被安打数はまあまあ数えてしまい、2021年においてもH9は6.5。
2022年はH9が8.8で、アストロズに移籍してからは9.4と上がりました。これは2022年の4シームの平均ベロシティーが92.1mphに落ちたことも要因にありそうです。
2017年にトミー・ジョン手術
ウィル・スミスは、1989年6月10日生まれの33才。シーズン途中で34才になります。
ドラフトは2008年のエンゼルスの7巡目指名。2010年にロイヤルズにトレードで移籍。
メジャー・デビューは2012年のロイヤルズ時代のこと。ルーキー・イヤーはすべて先発で登板。2013年にリリーバーに専念しました。
2013年12月、ロイヤルズが青木選手を獲得したトレードで、ブルワーズに移籍。
ブルワーズに移籍したウィル・スミスは、2014年キャリア・ハイとなる78試合に登板。ERAは3.70。素晴らしかったのは2015年で、76試合で、ERAは2.70。
2016年のトレードデッドラインでジャイアンツへ移籍。ジャイアンツでは26試合でERA2.95とかなり良かったのですが、2017年のスプリング・トレーニングで左肘のUCLの損傷が判明。トミー・ジョン手術を受けることに。2017年は全休。
復帰したのは2018年5月で、トミー・ジョン手術明けにも関わらず、54試合に登板し、ERA 2.55と素晴らしい成績を残しました。2019年も63試合に登板し、ERA 2.76。この2年は本当に素晴らしかったと思います。
2019年オフにFAとなり、ブレーブスとサイン。ブレーブスでは上述の通り、2021年に素晴らしい結果を残したのでした。
レンジャーズ、ブルペンを補強
ジェイコブ・デグロム、ネイサン・イオバルディー、アンドリュー・ヒーニーと今オフはスターター陣を揃えてきたレンジャーズ。来たるべき未来にはジャック・ライター、クマール・ロッカーも控えているという状況。
ただ、今季を見る限り、ブルペンが今ひとつ弱いです。それに左腕のブレット・マーテンがショルダー・イシューで60 Day ILに入りました。ウィル・スミス獲得の背景はこれが一番の要因でもあります。
現時点でクローザーは、超ベテランのイアン・ケネディーが務めることになっていますが、このウィル・スミスもクローザー・ロールを任されるかもわかりません。
良い左打者が多い中、ウィル・スミスはレンジャーズにとって良い武器になるかもわかりませんね。
お読みいただき、ありがとうございました。
コメント