パドレス、さらに積み上げる!
また豪勢なサラリーの話題が入ってきましたね。
現地2023年2月26日、サンディエゴ・パドレスがクラブのリーダー的存在である3Bのマニー・マチャードとの11年/$350Mの契約延長の話をまとめました。
設定期限を過ぎたがまとまる!
パドレスがマニー・マチャードとの長期の契約延長を模索しているとの報道が出たのは、現地2023年2月9日のこと。この日はちょうどダルビッシュ投手と6年/$108Mの契約延長にサインした日でもありました。
そしてマニー・マチャード自身が2023年終了後にオプトアウトを行使するつもりであると記者団に打ち明けたのが、現地2023年2月17日。
この後に出てきたのが、マチャード側がパドレスに対して、契約延長の話のデッドラインを2月16日に設定していたということでした。この時点でもう期限は過ぎており、このままシーズンに突入すると思われました。
さらに出てきた話がパドレスは期限設定の2日前に、現在の契約にさらに5年/$105Mを上乗せするカウンター・オファーを提示したものの、マチャード側が首を縦に振らなかったということ。
マチャード側が設定期限を2月16日にしていたのは、これからスプリング・トレーニングのワークアウトも始まることもあり、シーズンに集中したいという考えからでした。
よって、一旦はこの話は棚上げ。オフに再燃という流れになるのかと思われましたが、パドレスはさらに積み上げ、合意に至ったというお話です。
契約内容
- 11年/$350M (2023-33)
契約は、2023年から始まり、前の契約の残り6年分の期間を延ばして、上書きした形です。
この新契約には、ノートレード条項が入っており、オプトアウトは入っていない模様。
前の契約
マニー・マチャードの前の契約は、2019年2月にサインした以下の内容。
- 10 年/$300M (2019-28)
- サイニング・ボーナス:$20M
- 支払い
- $10M (2019)、$30M (2020-28)
- 2023シーズン終了後にオプトアウト可
- ノー・トレード条項あり(マチャードは年間6クラブをブロック)
- ロード・ゲームでのホテル・スイート、ペトコパークでのプレミアムチケット購入の権利
初年度の2019年のサラリーは$10Mですが、サイニング・ボーナスの$20Mが同年に支払われているので、実質的には、$30M x 10年です。
筆者はマチャードの前契約が決まった時に「オプトアウト」が入っているのは、果たしてパドレスがワールドシリーズへ進出するくらいのコンテンダーとなるのかどうか?そうならなければ強いクラブへ移籍するという意思が反映されていると思っていました。
おそらく、当時はそれで間違いはなかったと思うのですが、その4年後まさか、オプトアウトがこのような形で新契約のレバレッジに使われるとは夢にも思いませんでした。マチャードのエージェントは、MVP Sports Groupですが、ボラス・コーポレーション並みの豪腕ですね。
オプトアウト行使は、マチャードにとっては容易な決断であったかもしれません。2019年からパドレスでかなり生産的な数字を出し続けており、とりわけ2022年シーズンは32 HR、打率.298、OBP .366、SLG .531、172安打、102 RBI 、9盗塁と高品質の数字をバランス良く出しておりました。
新旧契約のまとめ
前契約 | 新契約 | |
契約内容 | 10 年/$300M (2019-28) | 11年/$350M (2023-33) |
契約日 | 2019年2月 | 2023年2月 |
旧契約稼働期間 | 2019→2022 (4年) | NA |
新契約期間 | NA | 2023→2033 (11年) |
実支払い | $30 x 4 = $120M | $350M |
AAV | $ 30M | $$31.82M |
旧契約と新契約の期間と金額をまとめるとこのようなことが言えそうです。
- 新旧を併せると、結果的にマチャードはパドレスと15年/$470M(2019-33)でサイン
- これをAAVにすると、$31.33M
- パドレスが最初に提示した旧契約+5年(2029-33)/$105Mは期間的には、新契約とマッチ。金額的には5年/$105Mは、AAVで$21Mになることから、かなりまともなオファーだったと言えるでしょう(むしろ頑張ったくらいの額)。結果的にそれに$10M/年を上積みしたということに。
マチャードが40才で開幕を迎えるシーズンまで
マニー・マチャードの誕生日は、1992年7月6日。2023シーズンの開幕時点は30才で、2023年7月6日の誕生日で31才となります。
今回の契約延長は、ファイナルが2033年ですから、開幕を迎えた時点でマチャードは40才、そして2033年7月6日の誕生日で41才なるまでのシーズンの契約に。なかなかの冒険ですね。
他のラグジュアリー契約も追い風に
今回の契約は今オフの他の選手のラグジュアリー契約も追い風になったと思われます。
特に下記の3名とは年齢もほぼ同じ。ジャッジとボガーツは1992年生まれでマチャードと同じ年で、ボガーツは誕生日が12月なので、フルシーズンで40才のまま。トレイ・ターナーは1993年生まれです。
- アーロン・ジャッジ(NYY):9 年/$360M (2023-31) / 39才まで
- トレイ・ターナー(PHI):11年/$300M (2023-33)/ 41才まで
- ザンダー・ボガーツ (SDP ) : 11年/$280M (2023-33) / 40才まで
その他にもダンスビー・スワンソンの$177M、カルロス・ロドンの$162M、ジェイコブ・デグロムの$185M、ブランドン・ニモの$162M保証なども良い影響を与えたと思われます。
パドレスのCB TAX
今回のマチャードのAAVアップは贅沢税の算出にも影響を与えています。パドレスのAAVの上位は、マチャードの$31.81M、ボガーツの$25.45M、ダルビッシュ投手の$18M、フアン・ソトの$23M、ジョー・マスグローブの$20M、ジョシュ・ヘイダーの$14M、タティス・Jr.の$24.28Mなど。
現時点での40manの予想総額は、$274M超え。今季の基準額は$233Mですから、$41M以上オーバーで、2021年から3年連続超過となり、税率もアップします。
現時点での予測税額は$23Mです。
お読みいただき、ありがとうございました。
コメント