エンゼルス、勝ちゲームを落とす
現地2023年8月3日、エンゼルスは遠征から戻り、この日からアナハイムでマリナーズとの4ゲームシリーズ。同地区ライバルでしかも、ワイルドカード争いのライバルでもあります。このゲームが始まる前の現地2日終了時点での両クラブの成績はエンゼルスが56勝53敗、マリナーズが56勝52敗で、エンゼルスはブレーブス戦での連敗が響いて順位を落としました。
直接対決で挽回すべく、マウンドに上がったのは大谷選手でした。
大谷選手、4回スコアレスで降板
100mphのファストボールと遅いスウィーバー
この日の大谷選手は力も抜けてメリハリをつけた投球を披露。ここぞという時にはギアを上げて、99mphを連発。
この日の最速は2回表に2アウトランナー1塁の場面でジョシュ・ロハスの2球に投じた100.2mphでした。
そして非常に興味深かったのは4回表の投球。ひょっとしたら、指の影響があったため、やむを得ずの投球だったかもしれません。このイニングはすべてオフスピードのボール。
イニング先頭のカル・ラレーには初球の80.5mphのスウィーバーを3B前の内野安打にされて出塁を許すも、つづくタイ・フランスには80mphのスウィーバーで5-4-3のダブルプレーに打ち取り2アウト。さらにドミニク・カンツォーネには77.7mphのスウィーバーでRFフライに打ち取り、このイニングはなんとたった5球で抑えました。
普段、80mph後半をマークするスウィーパーを遅くして、これはなかなか良かったですね。使える!と思ったかもしれません。コマンドには気を使ったと思いますが、これが使えれば投球の幅も広がりますし、かなりのパワーセーブにもつながるかもしれません。
大谷選手は、中指の痙攣が起こり、4回で降板しました。中指が伸びない状態だったとのこと。
本人はまだ1、2イニングは投げられたかもしれないが、スコアレスの展開で失点したくなかったので、早めに監督に報告して今回は降板を決意したとのことです。全体を考えた上での決断だったようです。
4回、59球を投げて被安打3、スコアレス、BB 1、SO 4。
次回の登板に期待です。
なお、マリナーズはトレードデッドラインで獲得したジョシュ・ロハスとドミニク・カンツォーネを起用。
マリナーズ先発ウーに苦戦
マリナーズ先発は、ブライアン・ウー。2021年の6巡目指名の投手です。非常にきれいなメカニックで投げてくる右腕でここまで1勝3敗。
mid-90mphのファストボールですが、威力は強め。スライダー、カットの投手です。オーソドックスな右腕ゆえ、左の多いエンゼルスはかなり得意ではないかと思ったのですが、苦戦しました。要所をうまく湿られました。
4回裏は大谷選手の四球をきっかけにムース(マイク・ムスターカス)も続き、2アウト1、3塁のチャンスだったのですが、ランダール・グリチャックが三振に取られて無得点。
ウーはボールを散らしていい投球を披露しました。
先制点はマリナーズで5回のピンチを切り抜けたホセ・ソリアーノが6回表に先頭のエウヘニオ・スアレスに一発を浴び、0-1。
エンゼルスは直後に、2アウトからの大谷選手の申告敬遠。すぐさま2盗を決めます。そしてC.J.クロンがアウトハイのスライダーを強引にCFへ弾き返して、2塁ランナーの大谷選手が生還して1-1の同点に。さらに、ムースも2塁打を放ち、クロンを迎え入れ2-1と勝ち越しにも成功。
ここまでは非常に良かったです。
大谷選手が40号
さらに8回裏には大谷選手が、アイザイア・キャンベルから右中間へ40号ソロHRを放って、3-1とリードを拡げ、最終回の守りに繋げます。この追加点は大きかったと思ったのですが、まさかの展開になりました。
【YOUTUBE】This is 40!! Shohei Ohtani blasts his 40th homer of the season!
カルロス・エステベスがグランドスラムを浴びる
最終回のマウンドにはカルロス・エステベスが上がりました。
しかし、イニング先頭のカル・ラレーにはストレートの四球。つづくタイ・フランスにも四球を与えノーアウト1、2塁。ストライクとボールがはっきりしてしまいました。
ドミニク・カンツォーネには甘いコースをRF前に運ばれ、ノーアウト満塁のピンチを迎えます。
ここでテオスカー・ヘルナンデスを三振で打ち取り、なんとか良い空気を作ったカルロス・エステベスでしたが、つづくルーキーのケイド・マーローには渾身の4シームで三振を奪いに行きますが、これをマーローが捉えられてしまいます。打球は右中間スタンドに入る豪快な当たりで、グランドスラムとなってしまいました。マリナーズが5-3と逆転に成功します。
カルロス・エステベスは今季初の救援失敗となりました。
本人もイニングの最初に2人を歩かせてしまったことを悔やんでおりました。カルロス・エステベスはここまで44試合に登板し、5勝2敗、23セーブでERA は2.66。疲れも溜まってきている時期だと思うので、打たれたのはもう切り替えるしかないですね。
ムース、躍動
C,J.クロンの加入で3Bで固定されたマイク・ムスターカスですが、守備に打撃に躍動しています。ロイヤルズ時代を彷彿とさせる生き生きした動きが非常にいいですね。
この日も4-2で1RBIをマーク。今、モニアックが下降気味なので、ムースのバットはエンゼルスにとって非常にありがたい状態となっています。
大谷選手、登板はスキップする可能性あり
さて、体のあちこちが痙攣しているという大谷選手。ひょっとしたら、次回登板は一度スキップするかもしれません。
ただ、DHとしてはこれからも出続けるようです。
この試合で、40HRで14盗塁。このパフォーマンスを表現する言葉はずいぶん前に使い果たしたような状態で、すごいことをやってのけてくれています。
お読みいただき、ありがとうございました。
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