今季、10勝8敗
現地2023年8月16日、シカゴ・カブスは、エースのマーカス・ストローマンが右胸郭軟骨骨折(みぎ きょうかく なんこつ こっせつ)と診断されたと発表しました。
マーカス・ストローマンは今季、10勝8敗、ERA 3.85をマークしていました。
右股関節炎 & 右胸郭軟骨骨折
マーカス・ストローマンは8月1日に右股関節炎で戦列を離れ、同日に15 Day ILに入っていました。
デビッド・ロス監督の情報では、13日(日)にブルペンで投げた後、右肋骨に違和感を感じ始めたといいます。
そして15日(火)、やはり肋骨部分に症状があったため検査をしたところ、右胸郭軟骨骨折が判明したとのことでした。
右股関節がようやく癒えかけていたところに今度は肋骨を傷めたということに。
現時点では復帰予定は未定。場所が場所だけに安静するしかなく、今季中に復帰できるかどうかは微妙なところです。
今季の前半はサイ・ヤング受賞ペース!
カブスで2年目のシーズンを迎えるマーカス・ストローマンは、3月30日の開幕投手としてマウンドに上がり、ブルワーズを相手に6回、3ヒッター、スコアレス投球でシーズン初勝利を上げると、4月7日のレンジャーズ戦においても6回、2ヒッター、スコアレス投球で2戦2勝の好調な滑り出しを見せました。
ただ、その後は一旦は勝ち星から遠ざかるのですが、その間もQSを継続。唯一、4月23日のドジャース戦では、6回5失点で負けがつきました。
5月後半から7連勝!
すごかったのが、5月19日からの登板です。同日のフィリーズ戦から、6月20日のパイレーツ戦までの1ヶ月で7戦に登板して7勝!ここで一躍、NLサイ・ヤング賞という声が上がり始めます。この間のERAは1.29。6月20日のパイレーツ戦ですでに9勝をマークしました。
この調子でどこまで行くのだろう?と思われましたが、6月終盤からやや様子がおかしくなり、6月25日のカージナルス戦から7月31日のレッズ戦までの7試合で勝ち星は1勝4敗、ERAは9.00と大幅に悪化したのでした。
もうこの期間で右股関節が相当傷んでいたようで、肋骨の痛みも出始めていたのでしょう。
身長5フィート7インチで、170cmのマーカス・ストローマンは筋肉の塊のような体つきをしていますが、強いボールを投げるための体重移動、そして最後のフィニッシュで股関節と胸部を傷めたというところかと思います。
カブスのローテーション
マーカス・ストローマンが今月はじめに抜けたということで、カブスのローテーションは、13勝3敗のジャスティン・スティールを筆頭に、9勝を上げているドリュー・スマイリー、7勝のジェイムスン・タイヨン、4勝のカイル・ヘンドリクス、そしてヘイデン・ウェズネスキーと一応、5枚はおります。
ハビアー・アサードがゲームメイク
現地2023年8月16日のホワイトソックス戦では、ハビアー・アサード(Javier Assad)が先発。先発、ブルペンと前も後ろもこなすタフガイですが、この日は6.0イニングで3失点、自責点2と見事にゲームメイクしました。
0-3とホワイトソックスがリードして終盤に突入したこのゲームは、カブス・ブルペンが奮闘。アサードが奪われた3失点のみで終盤までリレーします。
打線はホワイトソックス先発のマイク・クレビンジャーの今季1番の投球に手も足も出なかったのですが、クレビンジャー降板後の8回裏に、ニック・マドリガル(2021年までCWS)がアーロン・バマーからソロHRを放ち、追撃。
クリストファー・モレルがサヨナラHR
そして1-3で迎えた9回裏、ホワイトソックスのグレゴリー・サントスからまずはコディー・ベリンジャーが2塁打で出塁。つづくダンスビー・スワンソンが四球で歩き、ノーアウトでランナー1、2塁となり、クリストファー・モレルに打席が回ります。
モレルは、サントスの強烈なシンカーと高速スライダーで2球で追い込まれます。ランナーが溜まってはいるものの、ここまではホワイトソックスが勝つと思っていました。モレルに打つ雰囲気など皆無だったからです。
3球目のスライダーをよく見たモレルに少し余裕が見られました。そして4球目。ヤズマニ・グランダールが要求したのはもう一度インサイドにシンカー。仮にこれでボールとなったとしても、最後は外のスライダーでモレルは終了・・・こう見ていたと思います。ただ、3球目の見逃し方が良かったので、もう一度インサイドに行きたくなったのでしょうね。
ところが、4球目のシンカーがまさかのど真ん中に。しかも、バットが出しやすい高さとなりました。これはサントスの完全な失投。
モレルはこれにしっかりとスイングして対処。打球は右中間への2塁打コースかと思われましたが、ぐんぐん伸びて、右中間スタンドへ!カブスが土壇場で4-3でサヨナラ勝利を決めたのでした。
これには驚きました。まったく打てるとは思えなかったクリストファー・モレルがサヨナラ3ランHRです。
失投とは怖いものですね。
カブスはこの勝利で62勝58敗とし、首位ブルワーズに2.5ゲーム差に迫りました。なお、カブスは現時点でワイルドカードの3枠目に入っております。
ストローマンを欠いたローテーションですが、アサードによるゲームメイクがチームに勇気をもたらしたのかもしれませんね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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