今季は攻守に精彩を欠く
現地2023年6月16日のこととなりますが、クリーブランド・ガーディアンズが編成に着手。ベテラン捕手のマイク・ズニーノ(Mike Zunino )をDFAとしました。
ロスター・ムーブ
また併せて、ガーディアンズはリリーバー右腕のコディー・モリス(Morris)をトリプルAにオプション(降格)とし、空いたスポットに元ブレーブスの右腕、トゥーキー・トゥーサン(Touki Toussaint )をトリプルAから昇格させたと発表しています。
ズニーノの今季の状況
オースティン・ヘッジスのFAでCLEに
マイク・ズニーノは2022年12月に1年/$6M (2023)でガーディアンズとサイン。
ガーディアンズは昨シーズン(2022)、オースティン・ヘッジスをメイン捕手として起用。105試合を任せました。そのオースティン・ヘッジスが2022年11月にFAとなり、メイン捕手がいなくなったのがマイク・ズニーノを獲得した背景です。
ちなみに、オースティン・ヘッジスは元々はパドレスのメイン捕手でしたが、2020年のトレードデッドラインでガーディアンズに移籍。今季はFAでパイレーツに移籍しています。
マイク・ズニーノですが、長打力もさることながら、投手を育てるのがうまいと評判の捕手で、ガーディアンズは$6Mで契約したものの、どちらかというとバックストップとして起用することを想定していました。メインはキャム・ギャラガー、デービッド・フライ、そして若いボー・ネイラーで競わせるという思惑でもありました。
ところが、いざ開幕となると、やはりベテランのマイク・ズニーノに頼らざるを得なくなったということです。
2022シーズンに胸郭出口症候群
マイク・ズニーノはもともとはシアトルにいた捕手。マリナーズ時代には2014、2017、2018と3度も20HR以上をマークしています。2018年11月にレイズとマリナーズ間でトレードが成立し、レイズに移籍となりました。
レイズとは1年契約+クラブオプションで契約を重ね、2022年もクラブ・オプションを行使されての残留。とりわけ、2021年の成績が良く、109試合で33HR,62 RBIをマーク。オールスターにも選ばれ、MVP投票でも票を獲得したほど。
ところが、ちょうど1年ほど前の2022年6月に左肩の炎症を発症。検査の結果、左肩に胸郭出口症候群を発症していたことが判明。以降は治療に専念。2022シーズンの復帰を目指していましたが、間に合わず。結局、6月9日のゲームを最後にシーズン・エンディングとなったのでした。
2022年は打率.148、OBP .195、SLG .304、HR 5、RBI 16。
2023年の打撃は悲惨
今季はまだ胸郭出口症候群の影響があったのかもしれません。左肩ゆえに右打者のズニーノには何らかの影響はあったとも想像されます。
ただ、元々は打率が非常に低い打者で、33HRを放った2021年においても、打率は.216。その打率の低さを長打力でカバーしていた選手でもあります。8番、あるいは9番に入った捕手が、SLG.559 (2021年)の数字で打席に立てば相手投手は一発を警戒しますから、相当な圧をかけることが出来たわけです。
また打率の低さから三振率(SO%)の高さも容易に想像できますが、マイク・ズニーノはMLB平均の21.7%に対して、2021年でさえも35.2%を記録。2023年に至っては43.6%も記録していたのでした。
これではさすがに打線のつながりにかけます。ガーディアンズは、先の捕手のオースティン・ヘッジスも打率.163(2022)と捕手としての平均以下の数字でしたので、捕手の打撃には泣かされていたのでした。
今季の打撃成績は、140-22、打率.177、OBP .271、SLG .306、HR 3、二塁打 7、RBI 11、SO 61、BB 15。OPS+は63です。
肝心の長打が出なかったのです。
パスボールがNO.1
守備の面ですが、投手とのコミュニーケーションが抜群に良く、フレーミングにも一定の評価のあったマイク・ズニーノですが、守備でも今季は精彩を欠きました。
パスボールの数が5でこれは現地2023年6月17日時点でMLBワースト1。これは投手の低めの変化球の頻度や精度にも関わって来ますので、一概に捕手のせいには出来ないものの、投手との信頼を築く点においても後逸の数の多さは致命的でもありました。
また、CS%は17%。リーグ平均の22%を下回ったのも痛かったところです。
ガーディアンズの捕手
さて、マイク・ズニーノをDFAにしたガーディアンズは、これからキャム・ギャラガーとデビッド・フライの起用を増やす見込みです。ただ、キャム。ギャラガーはバックアップの役割でも打てず、29試合で打率.137、OBP .177、SLG .187とこちらも打撃に難がある状態。現地2023年6月17日のDバックス戦ではギャラガーが先発マスクをかぶりましたが、デービッド・フライに途中交代しています。
デービッド・フライは今季16試合に出場し、打率.250、OBP .280、SLG .417で、HR 1、二塁打1 。
ガーディアンズは、23才のボー・ネイラーも17日付けでトリプルAから昇格させております。ボー・ネイラーは今季トリプルAで、打率.253、OBP .393、SLG .498、HR 13、RBI 48をマーク。守備の方はパスボールが3で、CS%は17。リード面も含めた守りの面でやや不安を残しております。
DFA後のズニーノ
DFAから約1週間でガーディアンズはトレードか、ウェーバーを通過させてリリースするかを決めることになります。契約上はまだ$3M以上のサラリーのが支払が残っているため、それを引き継ぐクラブは出てこなさそうです。このままリリース、FAという流れになりそうです。他のクラブがズニーノとサインする場合はMLB最低年俸の日割りでの契約となります。
ガーディアンズ、巻き返しなるか?
ガーディアンズは現地2023年6月17日のDバックス戦を終えて32勝38敗ながら、ア・リーグ中地区2位のポジションをキープ。首位ツインズは36勝35敗でそのゲーム差は3.5。この地区がポストシーズンに進出するには今季も地区優勝するしかない状況となっております。
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