SSのディールが沸騰
現地2022年12月13日、ツインズからFAとなっていた注目SSのカルロス・コレア(Carlos Correa)のディールが成立しました。サインしたのはサンフランシスコ・ジャイアンツ。ファーレン・ザイディ(Farhan Zaidi)ベースボール・オペレーション社長がかなり奮発しました。
同日はまだ合意ですが、まもなくオフィシャルになる見込みです。
追記:メッツと新契約
カルロス・コレアは現地2022年12月20日、メッツと新契約に至りました。その経緯などは下記のリンクを。
追記:ツインズへ
なお、一旦はメッツともディールが合意となったコレアですが、現地2023年1月11日、ツインズとサインすることになりました。
契約内容
ジャイアンツとカルロス・コレアのディールはご覧の通り。現時点での詳細は不明で、ひょっとしたら、アウォード・ボーナスなど出てくるかもしれません。エージェントはボラス・コーポレーションで、前の契約ではアウォード・ボーナスがありました。
- 13 years/$350M (2023-35)
- オプトアウトはない見込み
- フル・ノートレード条項あり
- AAV(Annual Average Value):$26.92M
カルロス・コレアの誕生日は1994年9月22日で合意時点で28才。2023年の開幕時も28才ですから、契約最終年の2035年は40才のシーズンということになります。
オプトアウトした前契約
一応、2022年3月にツインズと合意した契約も記載しておきます。
- 3 years/$105.3M (2022-24)
- $35.1M x 3(サイン時点では、内野手のAAVとしては最高額)
- オプトアウトあり。2022シーズン終了後と2023シーズン終了後の2度
→2022年終了後にオプトアウトを行使 - 2022は限定的ノートレード条項あり(非公開の5クラブへの移籍はNG)
- 2023-24はフル・ノートレード条項あり
- アウォード・ボーナス:LCS MVPで $0.05M。WS MVP、ASG、ゴールドグラブ賞、シルバー・スラッガー賞受賞でそれぞれ $0.1M
2度めのFAでメガディール
2021年終了後に初FAとなったカルロス・コレアはアストロズからのクオリファイング・オファー(QO)を拒否。FA市場に打って出て、ツインズとの高単価ショート・ターム・ディールでサインしました。
ボラス・コーポレーションゆえ、1度目のFAの2021年オフは新CBA(労使協定)のネゴシエーションが難航してロックアウトが長期にわたると読んでいたと思われます。そうなると交渉期間が限られ、本人が望むようなメガ・ディールにはならないということで2度めのFAを想定した契約で手を打ったということでしょう。
ツインズとの契約をオプトアウトし、2度めのFAとなったコレアは上述のようなメガディールをゲットしました。
ハーパーの大型ディールも凌駕するほどの契約
カルロス・コレアはトレイ・ターナー、ザンダー・ボガーツ、ダンスビー・スワンソンらとともにFAののSSの「ビッグ4」と呼ばれ、この4人の2022シーズンのrWAR (Baseball ReferenceのWAR)は、ボガーツが5.8、スワンソンが5.7、コレアが5.4、そしてターナーが4.9。
28才になったばかりのコレアはこの中でもおそらく最高額のディールをゲットするだろうと見られていました。 なお、ミネソタ・ツインズは猛プッシュをかけていて、10年/$285Mをオファーしたものの、コレア側にYESと言わせることが出来ず。さらに、ここに来てヤンキース、メッツも参戦という状況となり。ディールの価格はつり上がるだろうと思われた中、ジャイアンツが獲得に至りました。
SSのディールはまさに沸騰。トレイ・ターナーはフィリーズと11年/$300M (2023-33)/AAV $27.27Mでサイン。ザンダー・ボガーツはパドレスと11年/$280M (2023-33)でサイン。残るはダンスビー・スワンソンとなりました。
メガディール一覧
今回のカルロス・コレアのディールはFAでの契約という点ではハーパーの13年/$330M( 2019-31)と同じ長さで、金額はそれを超えるものとなりました。SSではフランシスコ・リンドーアを抜いて年数・金額ともに1番の契約です。
- マイク・トラウト(LAA):12年/$426.5M: 2019-30(ただし、前契約の残り2年分が上書きされた上での12年)
- ムーキー・ベッツ(LAD) :12 年/$365M :2021-32
- アーロン・ジャッジ(NYY): 9年/$360M: 2023-31
- カルロス・コレア(SFG):13年/$350M :2023-35
- フランシスコ・リンドーア(NYM): 10年/$341M : 2022-31
- フェルナンド・タティス・Jr.(SDP) : 14年/$340M: 2021-34
- ブライス・ハーパー(PHI) :13年/$330M: 2019-31
- ゲリット・コール(NYY): 9年/ $324M: 2020-28
- コーリー・シーガー(TEX):10年/$325M
- マニー・マチャード(SDP):10年/$300M :2022-31
- トレイ・ターナー(PHI): 11年/$300M : 2022-33
- ジャンカルロ・スタントン (MIA) : 13年/$325M : 2015-27
カルロス・コレアの直近2年の数字
2021年、カルロス・コレアはアストロズで打率.279、二塁打 34、HR 26、Run 104、RBI 82。BBは75個数え、OBPは.366と非常に高いものです。OPS+は130。
このシーズンは2度目のオールスター選出で、初のゴールドグラブ賞を受賞。MVP投票でも5位に入りました。アストロズは地区優勝を果たし、5年連続でALCSに出場。これはコレアの力も大きかったです。
ポストシーズンでは、ホワイトソックスとのALDSで打率.385をマーク。レッドソックスとのALCSでは打率.255。そしてブレーブスとのワールドシリーズでコレアは6安打、4RBIと活躍したものの、アストロズは6試合目で敗退。これがカルロス・コレアのアストロズでの最後のゲームとなりました。
2022年、ツインズでは136試合に出場し、二塁打 24、HR 22、Run 70、RBI 64、打率.291をマーク。OPS+は140でした。
キャリアの実績
キャリアを通じてご覧の実績を残しています。
- AL ROY 受賞(2015)
- オールスター出場:2度 (2017 & 2021)
- ゴールドグラブ賞受賞:1度 (2021)
- 20HR以上のシーズン: 6度 (2015-2017、 2019、 2021 & 2022)
- 100 Runs以上のシーズン:1度 (2021)
- ワールドシリーズ・チャンプ:1度(アストロズ-2017)
ジャイアンツ、守備をどうする?
ジャイアンツと言えば、名SSのブランドン・クロフォードがおります。ジャイアンツとクロフォードは2021年8月に2年/$32M (2022-23)で延長契約。2023シーズンもコントロール下です。
ただ、さすがのブランドン・クロフォードも2022年は35才のシーズンで大苦戦。2021年に年間144安打を誇った打撃は影を潜め、2022年は年間94安打で打率は.231。
ジャイアンツはブランドン・クロフォードとの契約が2023シーズンで終了。来季も考え、クロフォードを3Bにコンバートさせると見られております。
なお、2Bにはタイロ・エストラーダ、ウィルマー・フローレス、トミー・ラステラらがおり、ラステラ以外は3BもSSもこなせます。J.D.デービスは3Bも守れます。
コレアの獲得でジャイアンツは攻撃力も守備力も大幅に更新することが可能となりました。OFではミッチ・ハニガーを獲得しましたし、ジョク・ピダーソンもQO受諾で残りました。楽しみなシーズンでもあります。なお、ドジャー・スタジアムでは激しいブーイングが起こるかもしれません。
そう言えば、2017年にLAD戦士だったジョク・ピダーソンとは仲良くやっていけるのか!?これは余計な心配かもしれませんが・・・。
お読みいただき、ありがとうございました。
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