ジャイアンツの興味深いディール
今オフ、ショーン・マナエアとミッチ・ハニガーは獲得出来たものの、アーロン・ジャッジ、千賀投手、カルロス・ロドン、そしてカルロス・コレアと悉くハート・ブレイキングな結果となっているジャイアンツ。
特に、獲得に向けて数年を要して準備してきたアーロン・ジャッジとのディール不成立は正直なところ、大きな痛手となりました。とは言え、前に進むために残っているFA選手からインパクトのあるヒッターを!と探してきた結果、現地2022年12月23日にディールが成立。それがメッツからFAとなっていたOFのマイケル・コンフォート(Michael Conforto)です。FAとなっていたと言っても2021年オフからFAとなっていたというところが、このディールの興味深いところです。
契約
ジャイアンツとマイケル・コンフォートの合意内容は、以下のものとなっています。オプトアウトありの噂もあるので、ファイナライズされましたら更新します。
- 2年/$36M (2023-24)
マイケル・コンフォートが2021シーズンのサラリーとしてメッツと調停を避けてサインした内容は、1年/$12.25M 。
2021年終了後に初FAとなったマイケル・コンフォートはメッツからクオリファイング・オファーを受けるも、これを拒否。2021-22年のQOの金額は$18.4M。今回の契約は単価でそれに近い金額となりました。
2022年はプレーせず
さて、このディールの興味深いところは、マイケル・コンフォートが2022年にプレーしていなかったところにあります。
上述の通り、マイケル・コンフォートは2021年終了後にFAとなり、メッツから大幅に単価が引き上がるQOを提示されましたが、マルチ・イヤー・ディールを求めて拒否。FA市場に打って出た訳ですが、2021-2022年オフは特別なオフで、例のCBA(労使協定)の改定があり、2021年12月1日にロックアウトがスタート。
名だたる選手たちはその前に大型契約を決めて行きましたが、マイケル・コンフォートはこれに間に合いませんでした。
2022年4月に右肩を手術
そのロックアウト期間中の2022年1月、マイケル・コンフォートはトレーニング中に右肩痛を発症。その影響もあり、ロックアウトが明けた後も彼には引き合いはあれど、ディールが押し寄せるという状況にはなりませんでした。怪我の情報にGMは敏感です。
そしてシーズン開幕後もディールが決まらないコンフォートから衝撃のニュースが。4月中旬に右肩を手術し、なんと2022年は全休するという内容でした。
2022年のドラフトが終わり、コンフォートと契約してもドラフトピック権を差し出す必要がなくなった状況で、複数のクラブが肩の回復を見込んで短期間のディールをオファーしたようでしたが、実現には至らず。結果、マイケル・コンフォートは2022年はプレーせず、約1年待ってようやくディール成立にこぎつけたのでした。
4シーズン(2017-20)で97HR
マイケル・コンフォートは、1993年3月1日生まれの29才。2023年の開幕時には30才となります。右投げ左打ちのOF。ドラフトは2014年のメッツの1巡目指名(全体10位)。
デビューは早く、ドラフト翌年の2015年で、オールスター・ブレイク後の7月24日。22才の時です。
2015年は56試合で、打率.270、OBP .335、SLG .506、HR 9、RBI 26。
2016年はほぼレギュラーとしてゲームに出場するも、109試合で打率は.220とややダウン。HRは12本。
マイケル・コンフォートの名前が一躍有名になったのは2017年から。この年は109試合に出場し、打率.279、OBP .384、SLG .555で、HR 27、RBI 68。
2018年は153試合に出場し、主にLFとCFで出場。打率.243、HR 28、RBI 82をマーク。
2019年シーズン開幕時はRFを守り、打ってはロケットスタートを切り、42試合で打率.271、HR 9、RBI 21をマークしていたものの、5月16日に2Bのロビンソン・カノーと衝突。脳震盪で退場するハプニングがありました。なお、復帰は早く、12日後にはドジャー・スタジアムで自身初のグランド・スラムを放っています。この年は、151試合に出場して打率.257、HR 33、RBI 92。
60試合の短縮シーズンとなった2020年には54試合に出場して、打率.322、HR 9、RBI 31、OPS+ 154をマーク。キャリア最高のシーズンを送りました。
【YOUTUBE】Conforto’s Unbelievable Week
マイケル・コンフォートの2017年から2020年までの4シーズンの合計は、1959打席、1667打数442安打。打率.265、OBP .369、SLG .495、OPS .864、OPS+が134。RBI 273、そしてHRは97本!
HRは27本(2017)、28本(2018)、33本(2019)と推移。非常に魅力的な数字を量産ぶりでした。
2021年に急落
そんな素晴らしい4シーズンを過ごしたマイケル・コンフォートでしたが、2021年に大スランプに陥ります。125試合で、打率..232、HR 14、RBI 55と急落しました。OPS+は101で、なんとか平均を保ったものの、この急落はメッツの打撃陣の足を引っ張る要因にもなってしまいました。
この年はFA直前のシーズン。良い契約を勝ち取る選手はFA直前に大暴れをして、まさにハロー効果で良い契約を勝ち取るのですが、マイケル・コンフォートの場合はその逆となってしまいました。
ロックアウト前にディールが決まらなかったのもこのせいであり、さらに肩痛がそれに拍車をかけたのでした。
復活なるか!
マイケル・コンフォートの2021年の打撃の急落はおそらくは故障。肩痛の影響があったのか?それとも公表していない箇所で故障があったのか?
ただ、2017-20の4シーズンの成績を見ればおわかりの通り、マイケル・コンフォートは本来の調子に戻れば、ジャイアンツにとって非常に頼もしい存在になることは間違いありません。
果たしてこの契約がジャイアンツに福をもたらすのか?非常に興味深いディールでもあります。
お読みいただき、ありがとうございました。
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