2017シーズン以来の復帰へ
現地2023年1月13日、ミルウォーキー・ブルワーズからFAとなっていたアンドリュー・マッカッチェン(Andrew McCutchen/36)がパイレーツと1年契約で合意に至りました。
ここまで残っていたベテランOFの移籍先がどこになるのか、興味深かったのですが、古巣に復帰ということになりました。マッカッチェンは1度目のパイレーツ時代に素晴らしい活躍を見せ、2013年にNL MVPを獲得。今回の復帰は、2017シーズン以来となります。
【YOUTUBE】Andrew McCutchen Pirates Career Highlights (Cutch going back to the Bucs!!!)
契約内容
パイレーツとアンドリュー・マッカッチェンのディールは以下で合意。
- 1年/$5M保証(2023)
前の契約
なお、ブルワーズとの前の契約は1年/$8.5M(2022)。これはロックアウトが空けた後、割とすぐに決まり(2022年3月15日)、内容は素っ裸というか、オプション及びパフォーマンス・ボーナスなどはついておらず、このまんまという契約でした。
その前は、フィリーズと2018年12月に3年/$50M(2019-21) + 2022 $15Mクラブ・オプション($3Mバイアウト)でサインし、マルチイヤー・ディールはこれが最後。なお、2022年のクラブ・オプションはフィリーズが拒否しています。FAとなって上述のブルワーズとサインしたのでした。
もう一つ遡ると、1度目にパイレーツに所属していた時のディールまでたどり着きます。そのディールは6年/$51.5M (2012-17) + 2018 $14.75M クラブ・オプションで$1Mバイアウト付き。
これは、マッカッチェンが2009年にデビューして、メジャー4シーズン目に突入しようかという2012年3月のタイミングでサインしたエクステンション(延長契約)。マッカッチェンは早々に囲い込まれた訳ですね。それだけパイレーツの顔として期待され、実際、大きな実績も残すことになりました。
アンドリュー・マッカッチェンとは
アンドリュー・マッカッチェンは、1986年10月10日生まれの36才。ドラフトは2005年のパイレーツの1巡目指名で全体順位は11位。高校卒のOFとして1巡目指名で、ここまでキャリアを積み上げてきた訳ですから、スカウトの目は正しかったということになりますね。
プロ2年目の2006年にはすでにAAに到達。2007年にはAAAに昇格し、
マイナーではどのレベルでも一貫して高い打率を残し続け、2008年はじっくりとAAAでフルシーズンを過ごし、135試合で、打率.283、OBP .372、SLG .398、9HR、50 RBIをマーク。盗塁は34です。若い頃から万能なプレーヤーだったことがわかりますね。
1度目のパイレーツ在籍時の成績が圧巻
翌年の2009年6月4日にメジャー・デビュー。ルーキー・イヤーは108試合で、打率.286、OBP .365、SLG .471、HR 12、RBI 54、盗塁22でROYの投票で4位に入りました。
なお、この年のNL ROYを受賞したのは、フロリダ・マーリンズのクリス・コグラン。128試合で打率.321をマークしました。クリス・コグランは2017年までメジャーでプレー。また、パイレーツでは、ギャレット・ジョーンズが7位に入り、非常に活気に溢れたシーズンだったのがわかります。ギャレット・ジョーンズは1B/RFを守っていた左打者で、メジャー通算122HR。パイレーツ時代には80RBI以上のシーズンを2度達成しています。
アンドリュー・マッカッチェンはパイレーツ時代はまさにアウトスタンディングな活躍を見せ、2010年からレギュラーとして定着以降、2017年まで平均して155試合に出場。これだけでもいかにすごいかがわかりますね。
2009年から2017年までのパイレーツ在籍時の通算成績は、1346試合に出場し、1463安打、打率.291、OBP .379、SLG .487、OPS.866、OPS+136、盗塁 171、HR 203 、RBI 725。
アウォードなどはご覧の通り。
- オールスター:5年連続出場(2011〜2015)
- 2013: NL MVP (2012: MVP 3位、2014: MVP3位、2015: MVP 5位)
- 2012 ゴールド・グラブ賞
- シルバー・スラッガー賞:4年連続(2012-2015)
- キャリアハイ・シーズン安打数:194 (2012)
- キャリアハイ・シーズンHR数:31(2012)
- キャリアハイ・シーズンRBI:96(2012、2015)
- キャリアハイ・シーズンRUN:107(2012)
2018年にSFG/NYY
パイレーツでのプレーが終わりを告げたのは2017シーズン終了後。パイレーツは2017年11月の段階で2018年のクラブオプションを行使。マッカッチェンとはあと1年の契約が残ったのですが、2018年1月にトレードが発生。ジャイアンツに移籍となったのでした。このときにパイレーツが獲得したのがブライアン・レイノルズです(カイル・クリックもおりました)。
ジャイアンツでは130試合で打率.255とやや翳りを見せました。2018年8月31日に今度はヤンキースにトレードとなります。これは時期的にもポストシーズン用の補強だったのですが、マッカッチェンはALDS(vs BOS)で、15-2、打率 .133と全く機能しませんでした。
2018年10月にFAとなったマッカッチェンは上述の通り、フィリーズとサイン。2019年、絶好調でスタートしたマッカッチェンでしたが、現地2019年6月3日のパドレス戦でランナーに出た際、挟殺プレーとなり、ステップを踏んだ際に左ヒザのACLを断裂。これでシーズン・アウトとなったのでした。
2020年は、コロナ・パンデミックで7月24日に開幕。マッカッチェンは60試合中、57試合に出場し、打率 .253とまあまあの成績を残しました。
フィリーズとのファイナル・イヤーとなった2021年は144試合に出場するも、打率は.222。ただ、HRは激増。27HRとキャリア3位の数字を残しました。
2022年、ブルワーズでは134試合に出場し、打率.237、OBP .316、SLG .384、HR17、RBI 69。OPS+はデビュー以来、初めて100を切る99に。
CFのブライアン・レイノルズの動向次第
ジャック・スウィンスキーなどプロスペクトが台頭しているパイレーツですが、動向が気になるのが、ブライアン・レイノルズ。彼がトレードに出るかどうかで、マッカッチェンがゲームに出られる状況になるかどうかが決まりそうです。
パイレーツは2022年12月にロッキーズからコナー・ジョーを獲得。彼は3Bですが、LFとして起用が考えられます。また、ヤンキースがDFAにしたところをパイレーツがクレームオフしたミゲル・アンドゥハーもおり、彼もLF候補です。もしブライアン・レイノルズが残るなら、彼らとの競争ということに。
キャリア終盤、パイレーツでもう一花咲かせるかどうか?というのがアンドリュー・マッカッチェンの2023シーズンです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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