大谷登板ゲームで怪我で降板したその後
現地2023年6月9日、マリナーズ@エンゼルスのゲームは大谷翔平投手が先発。マリナーズはルイス・カスティーヨが先発し、非常に興味深い対戦となりましたが、5回を終了して3-3のタイスコア。
エンゼルスは大谷選手降板後の6回裏に2点を奪って勝ち越し。9回表にクローザーのカルロス・エステベスが1失点を喫するも、5-4で1点差ゲームをものにしたという流れでした。
打者1人、1BBで緊急降板
その大谷選手降板後の6回表のマウンドに立ったのがベン・ジョイス(Ben Joyce)。
ベン・ジョイスはテオスカー・ヘルナンデスと対戦し、ご覧のような投球を披露。
- 100.4mph 4シーム (ボール)
- 101.1mph 4シーム (ストライク)
- 99.9 mph 4シーム (ボール)
- 100.4mph 4シーム (ボール)
- 102 mph 4シーム (ボール)
そしてテオスカー・ヘルナンデスに四球を出したところで、ベンチからコーチが出てきてそのまま離脱することになりました。
尺骨神経炎と診断
この時、ベン・ジョイスは、右手の痺れを訴えて退場したのですが、翌10日(土)に緊急でMRIによる検査を実施。その結果、尺側側副靭帯(UCL)に構造的な損傷がないことが判明。尺骨神経炎(ULNAR NEURITIS)と診断されました。もしも、尺側側副靭帯(UCL)を断裂あるいはかなりの損傷を伴っていると、再建手術としてのトミージョン手術が必要になる訳ですが、そうではなかったことにエンゼルスとしては一安心というところです。
診断では、最低でも2週間を要するということからエンゼルスはベン・ジョイスを10日付けで15 Day ILに入れました。期限が来れば状態を見て、それ次第でさらに延ばすことも。
尺骨神経炎とは
What is Ulnar Neuritis and How to Manage the Condition? https://t.co/9BI7RohxYH pic.twitter.com/nR8dSViI68
— Adam Farber (@PSKOrthopedic) February 3, 2018
この尺骨神経炎は、MLBではこれまで多くの投手が経験してきた症状で、例えばレイズの左腕ジェフリー・スプリングスが今治療しているのがこれ。また、レッドソックスの右腕、ギャレット・ウィットロックが開幕に出遅れたのもこれです。
尺骨神経炎は尺骨神経が圧迫されることで炎症を起こしたりする疾患。ベン・ジョイスがしびれを感じたという自覚症状がそうです。尺骨神経は、腕から小指に至る神経で、肘を通る部分が最も圧迫される部分です。尺骨神経炎は、早く治療しないと、筋肉の衰えなど、他の症状を引き起こす可能性があることからまずは症状を緩和させるために投球を控えるということが必要になってきます。
また、尺骨神経は、小指と薬指に感覚を与えると同時に、手の小さな筋肉のほとんどと前腕の大きな筋肉を制御している大事な神経でもあります。
平均101.6mph
現地2023年5月29日にMLBデビューを果たしたベン・ジョイスはこれまで5試合に登板。4.0イニングで85球を投げ、被安打5、失点2、BB 4、SO5、被本塁打 1。イニングが少ないのでERAは4.50となっています。
この5試合の4シームの平均ベロシティーは101.6mph。
やはり、豪球と引き換えに腕に相当な負担をかけているのも事実です。エンゼルスは1イニングに限定して起用してきていることから、大事に使ってはおります。
ヘラルド・レイエスがコールアップ
ベン・ジョイスがILに入ったということで、ベロシティーのある投手が必要なエンゼルスは30歳の右腕、ヘラルド・レイエス(Gerardo Reyes )を、トリプルAからコールアップしました。
ヘラルド・レイエスはトリプルAで21.1イニングを投げ、ERAは4.64、SO 32。90mph後半をマークすることができる右腕。
そのヘラルド・へイエスは現地2023年6月10日のマリナーズ戦で早速マウンドに上がりました。2-5のスコアでマリナーズがリードした状況で6回表のマウンドに上がったレイエスは、被安打2、失点1という結果でした。
なお、10日のゲームは、6-2でマリナーズが勝利。エンゼルス投手陣は被安打16。なお、BBが1つだけだったのは良かった点でもあります。
エンゼルスは敗れましたが、シーズン成績を35勝31敗とし、ALウエストの3位。マリナーズは4位で31勝32敗です。
ベン・ジョイスはしっかりと治してから戻ってきてもらいたいですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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