ヘルシーな状態なら非常に心強い存在!
現地2023年2月16日、エンゼルスがベテラン左腕のマット・ムーア(Matt Moore )と1年契約で合意しました。
Matt Moore is close to being an Angel. 😇 https://t.co/FBJ6CKBVQT pic.twitter.com/gLeYuNAfJ5
— theScore (@theScore) February 16, 2023
契約内容
内容は詳細が明らかになったら改めて記載します。後述しますが、2022年が素晴らしかったので、2023年のサラリーは、それよりも高いのは間違いないところです。
前の契約
参考までに前の契約内容を記載しておきます。
2022年はレンジャーズと1年/$2.5Mでした。ただし、サイン時はマイナー契約。いわゆるスプリット・コントラクトという形式をとっていて、メジャーに上がった場合の設定が$2.5Mでした。
マット・ムーアは2022年4月16日にメジャー・ロスターに入り、その日はレンジャーズにとって開幕8試合目。日割りになったとは言え、ほぼほぼ$2.5Mの満額に近いサラリーとなったはずです。
ちなみに、2020年にソフトバンクとサインした際は、1年/$3.5M。2022年にフィリーズとサインした額は、$3Mでした。
NPB経験もあるベテラン左腕
マット・ムーアは1989年6月18日生まれで、現時点で33才。シーズン途中で34才となります。2020年にはNPBのソフトバンクにも在籍したことがあるので日本でも有名な投手ですね。ソフトバンクでは13試合、78.0イニングを投げ、6勝3敗、ERA 2.65。奪三振 89、SO9 10.3、BB9 2.5。
もともとメジャーでは球速は速いけれどもBB%の高い投手でしたので(特に若い頃の2012-14にかけては年間10%超え)、せっかくのバリバリのメジャーリーガーも、魅力が相殺されてしまうことを懸念しておりました。実際、ファームで調整していた時は、BB9が5.1とやはり高かったのですが、この間にしっかりとチューンナップ出来たようで、一軍に上がってからは上述のようにBB9を2.5に抑えました。さすがです!
NPBでは1年のみの在籍でしたが、この経験は後に活かされているでしょう。
2022年、リリーフ専任でERA 1.95
ソフトバンクの時もそうでしたが、マット・ムーアと言えば先発ローテーション投手というイメージがあります。2011年にレイズでデビューして以来、リリーフは2017年に1試合やったくらいで、これはブルペン事情でのリリーフ登板でした。
2018年の1度目のレンジャーズ時代は、39試合中12試合に先発し、リリーフの方が多くなりましたが、ローテーション投手であることは違いありませんでした。
メジャー復帰後の2021年のフィリーズ在籍時は、24試合中13試合に先発し、徐々にリリーフでの登板も増えてきました。
2度目のレンジャーズ在籍となった2022年、マット・ムーアは完全にリリーフ専任となりました。そして、素晴らしい結果を出しました。
63試合、74.0イニングを投げ、ERAはなんと1.95をマーク。奪三振数は83で、SO9は10.1。奪三振率は27.3%です。BBは若干増えて38個。BB9は4.6で、BB%は12.5%。
丁寧さ、精度という点ではNPBでの経験は十二分に活きていると思います。
カーブがすごい
2022年、マット・ムーアは投球スタイルを変えました。カーブのシェアを大きく増やしたのです。
2021年は4シームが投球のシェアの57.1%、チェンジアップが19.2%、カーブが15.3%、カットボールが15.3%。
ところが、2022年は4シームが45.0 %で、カーブが38.2%。チェンジアップが16.8%でカットボールはなし。
カーブの精度が本当に素晴らしかったのはご覧の通りです。
Matt Moore credited a new curveball in 2022 as a key to his success.
— Beyond The Halo (@BeyondTheHalo) February 16, 2023
L: 2022
R: 2021
“The pitch then “bites” down instead of — as Moore puts it — “tumbling” like the old curveball.”https://t.co/z1AC0wz7Lb pic.twitter.com/jsIiTbDC5n
まだまだ強い4シームがある!
右打者にとって、左投手が投げるカーブが膝下に落ちればもう手が出ません。
カーブの速度、精度の良さもさることながら、マット・ムーアの場合、まだまだ強い4シームを投げられるというのが、大きな武器です。それがあるがゆえに、カーブとチェンジアップの効果が上がっているのは言うまでもありませんね。
2022年の4シームのアベレージは93.9mph。2021年は92.4mphでしたので、2022年はコンディションも良かったのでしょうね。
なお、若い頃は本当に4シームが速くて、2012年のアベレージ・ベロシティーは95mphでした。
なお、2013年に150.1イニングで17勝4敗、ERA3.29、奪三振143でサイ・ヤング賞の投票で9位になったものの、翌年の2014年は4月に2度先発した後、左肘を傷め、トミージョン手術を行いました。2014年はシーズン・エンディングで、2015年7月に復帰しました。
松井選手との縁
マット・ムーアは高卒時の2007年に当時のタンパベイ・デビルレイズから8巡目指名されてプロ入り。デビューは2011年で22才の時でこのシーズンは3試合に登板したのみ。
本格稼働となったのは、2012年からで、この年は31先発で177.1イニングを投げ、11勝11敗、ERA 3.81をマーク。
前年からマット・ムーアがつけていた背番号は55でした。
一方、松井秀喜選手は、2003年から2009年までヤンキースに7シーズン在籍。2009年にワールドシリーズMVPに輝きましたね。なお、この年は新ヤンキー・スタジアムの最初のシーズンでした。ヤンキースを退団後、2010年にはエンゼルス、2011年にはアスレチックスに在籍。
2011年オフにアスレチックスを退団してFAになった後はなかなか決まらず、2012年4月30日にようやくレイズへの入団が決まったのでした。この時はマイナー契約。
松井選手が入り、さあ背番号をどうする?となった時、当然55番が候補になりました。巨人、ヤンキース、エンゼルス、アスレチックスとすべて55番をつけていましたから。ところが、レイズには勢いのあるプロスペクト、マット・ムーアが55番をつけていました。さあ、どうするとなった時に松井選手はプロスペクトを尊重し、プロ入り後初の55番以外の35番をつけたのでした。
プライベートではどうなのかわかりませんが、実は2人には背番号をめぐってこのようなやり取りがあったのでした。
少なからず、日本と縁のあるマット・ムーア。今度は大谷選手との縁が出来ました。
ひょっとしたら、本人は先発の希望があるかもしれませんが、ぜひともリリーフで頑張って欲しいところですね。エンゼルスはこれでゲーム後半、非常に頼もしい存在が出来ました。ヘルシーであることを祈るばかりです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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