フィリーズもNLDS前に朗報を提供
現地2022年10月10日、NLDSを翌日に控え、フィラデルフィア・フィリーズがいいニュースを出しました。
現在、”Interim(インテリム=代理)”の監督として現場の指揮を執っているロブ・トムソンと2年の契約延長を発表。ロブ・トムソンの正式な監督就任が決まりました。
なお、これは来季から2024年までのお話となるので、今季中の正式なタイトルはあくまで ”Interim”(代理監督)のままです。しかし、現場の選手たちは大いに喜んでいる模様。
現地2022年10月10日の朝、アトランタ・ブレーブスがルーキーのスペンサー・ストライダーとの6年の契約延長を発表しましたが(記事)、フィリーズもこれに負けじといいニュースを出したということで、NLDS前に色々と現場のモチベーションを上げる情報戦の応酬となっております。
契約内容
契約内容でわかっていることは期間だけです。
- 2 年 (2023-24)
いずれ金額も出るかもしれませんが、この新監督の性格からして出ないように思います。
自分よりも選手やシリーズを
ロブ・トムソンは、自分のことを話すのが好きではないのだそうです。
例えば、2022年8月16日に59歳の誕生日を迎えたとき、祝われるのはあまり好きではないと発言。さらに、ブライス・ハーパーが “I Ride with Philly Rob “のTシャツを着ていたとき、喜ぶのではなく首を横に振ったそうです。これはアメリカ人がよくやるような「何をやっているんだ」というような仕草です。
こう書くと、結構偏屈な人なのか?と思えるのですが、そうではなくて、今の言葉で言えばとにかく「選手ファースト」。
言って見れば、謙遜、謙虚、そのようなことが言える人です。
なぜ、そうなのか?と問われたとき、トムソンはこう言ったそうです。「私は選手とシリーズにスポットライトを当てたいのです」。
さすがに長年、NO.2的な立場にあった人だと思いました。どの業界でも影となり、主役を支えてきた人はこのような考えになることが多いと思います。
選手から絶大な人気
ちょっととっつきにくいところもありそうなのですが、選手との接し方はそうではないようです。
ロブ・トムソンはフィリーズの選手から絶大な支持を得ております。
例えば、ザック・ウィーラーはロブ・トムソンのことを聞かれたとき、下記のように発言しています。
「彼はそんなにロボットのようではないよ。(中略)誰もが、彼がキャリアを通じてフィールドで行ってきたことを尊敬しているよ。(中略)彼は特別な人なんだ。彼は私たちのことをとても気にかけてくれています。彼は毎日、僕らよりずっと早くから、その日のために準備をしているんだ。そんな風に背中を押してくれる人がいるなら、僕たちも彼の背中を押したい。彼はいい先生だし、クラブハウスを任せるにはいい人だ。みんな、彼のことが大好きなんだ」
ニック・カステヤーノスは、「彼は、自分の発言や物事の進め方について、決して手のひらを返すようなことはしませんでした。彼は選手たちをよく理解し、何が彼らを動かすのか、誰が(お尻を)蹴る必要があるのか、誰が背中を叩く必要があるのか、よく理解していると思う。ただ、与えられたポジションに対して、とても、とても準備万端だ」。
監督との関係が結構、ドライな中でここまで意思が通じている現場はなかなかないと思います。
選手の声からわかることは、
- 入念な準備=超仕事熱心
- 長年の経験と選手への観察眼を通した人身把握術
この2つがとても大きいようです。これはなかなか出来ることではありませんね。本物感が出ています。
ある意味、フィリーズはラッキー!
ロブ・トムソンはヤンキース傘下で28年間(1990~2017年)過ごし、うち10シーズンは大リーグでベンチコーチや3Bコーチを歴任。2017シーズン後、ヤンキースの監督候補となり、インタビューを受けましたが、結果はアーロン・ブーンに。
その時点でロブ・トムソンはメジャーの監督になるのをあきらめたと言います。
しかし、2022シーズン、フィリーズはジョー・ジラルディの下、苦戦を強いられ、5月は10勝18敗、とくに5月15日以降が顕著で4勝12敗となり、現地2022年6月3日についにジラルディを解任しました。
特に選手起用には内部からも外部からも大きな批判を浴びておりました。
ただ、これはある意味、フィリーズにとってラッキーな出来事でもあります。ジラルディによる不振が泣けば、この逸材を監督に据える機会は訪れなかったのですから。
トムソン就任後、フィリーズは8連勝(6/3-6/11)を達成。就任16戦で14勝です!フィリーズの6月は19勝8敗。9月は最後にバテましたが、この貯金がポストシーズンへと導きました。
ジラルディとの違い
ジョー・ジラルディはバリバリのオールドスクールで、しかも名門ヤンキース出というプライドもあったのか、とにかく若い選手たちに緊張感を与えるような操縦だったようです。今の時代には無理ですし、現役時代の栄光はジラルディだけの力ではありませんからね。余計なもののもまとっていたのかもしれません。
それに対してトムソンは愛想がよく、親しみやすく、とにかく話を聞いてくれるボスのようですよ。
デーブ・ドンブロウスキ社長は、いい仕事をしたと思います。フィリーズに期待です。
お読みいただき、ありがとうございました。
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