ド迫力の投手戦!
レベルの高い2クラブによるALDSに決着がつきましたね。
現地2020年10月9日、ヤンキース@レイズのALDS Game5は、ヤンキースがゲリット・コール、レイズがタイラー・グラスノーというワクワクするような顔合わせでスタート。ともに調子をキープ。素晴らしい投手戦に持ち込みました。
そして飛び出したのが3本ソロHR。決着をつけたのは途中出場の内野のユーティリーマンでした。
スタメン
それぞれのスタートはご覧の通り。ヤンキースはゲリット・コール登板日なのでカイル・ヒガシオカがマスクを、ゲイリー・サンチェスはベンチスタートです。
Let’s do it. #NYYforNY pic.twitter.com/BLIoKtNMC2
— New York Yankees (@Yankees) October 9, 2020
一方のレイズはサンディー・アロザリナを3番、そしてゲリット・コールに強いチョイを4番に置くことでアロザリナが勝負を避けられるのを防止するような布陣です。この日はオースティン・メドウズをリードオフにヤンディー・ディアスを5番に置きました。これがまたケビン・キャッシュ監督のすごさがわかることに。
Game five https://t.co/jRBU5jLgcb pic.twitter.com/jr0kcg8NnQ
— Tampa Bay Rays (@RaysBaseball) October 9, 2020
ともにショートレスト
現地10月5日のALDS Game1に登板したゲリット・コールは中3日、現地10月6日のALDS Game2に登板したタイラー・グラスノーは中2日。ともにショート・レストでコンディショニングが心配でしたが、双方ともに好調でした。
ただ、ゲリット・コールは立ち上がりにコントロールを乱し、1アウトからブランドン・ラウに四球、ランディー・アロザリナにデッドボール、チョイを打ち取った後、ヤンディー・ディアスにも四球を出し、2アウト満塁のピンチを背負いましたが、ジョーイ・ウェンドルを97mphのファストボールで見逃し三振に斬って取り、ジャムをエスケープ。
タイラー・グラスノーは2.1イニング
タイラー・グラスノーは中2日でしたので、もうショート・イニングで行くと決めていたようで、初回から飛ばしました。2.1イニングで四球を2個出しただけ。被安打0、無失点、奪三振2という内容。
一方のゲリット・コールは6回途中、5.1イニングを投げ、被安打1、失点1、与四球2、デッドボール1、奪三振が9!気合が入っていましたね。
TBR:いい投手を2番手に
タイラー・グラスノー降板後、2番手で上がったのはもうクローザー級のニック・アンダーソン。タイラー・グラスノーが作った流れをそのまま中盤までキープしようというプランですね。この時点でこの日の締めはディエゴ・カスティーヨと決まりました。
先制はアーロン・ジャッジのHR
そのニック・アンダーソンに対して、4回表、先頭のアーロン・ジャッジがRFへフラフラっと上がる打球を放ち、これがスタンドイン。先制点となるソロHRを放ちました。ニック・アンダーソンはこれで崩れることなく、淡々と仕事をこなし、3回途中から5回を投げきるまで、被安打2、失点1でマウンドを降りました。
オースティン・メドウズが同点HR
剛球のゲリット・コールですが、レギュラー・シーズン中、被本塁打が14で、MLB3位タイを記録している通り、被本塁打のリスクもあります。
ヤンキース1−0で進んでいた5回裏、2アウトからこの日リードオフに入っていたオースティン・メドウズに打席が回り、その3球目。メドウズはインコース寄りのファストボールをうまく振り抜き、RFへ同点となるソロHR。
ここからは双方ともにリレーの出来いかんにかかってきました。
TBR、M・ブロソーが途中出場
6回裏、ゲリット・コールが降板したことで、レイズはチョイのところで、代打、マイク・ブロソーを起用。ブロソーはザック・ブリットンからシングルヒット。うまくゲームインできました。そして次の守りから1Bに就きます。
1-1のスコアのまま、ヤンキースは7回裏、2アウトから早くもアロルディス・チャップマンを起用。チャップマンはカブス時代のワールドシリーズで、イニングをまたいで痛い思いをした経験があるので、ちょっと早すぎると思いました。
9月1日の危険な頭部付近のボールにリベンジ
話は1ヶ月前の9月1日のレイズ@ヤンキース戦。5-3のスコアでヤンキースが2点をリードした9回、アロルディス・チャップマンが登場。2アウト後に打席に立ったのが、マイク・ブロソー(Mike Brosseau)。
その初球、なんと101mphのファストボールが頭部付近に。非常に危険なボールでした。初球にあんなものを見せられては、その後アウトコース寄りに投げられると三振するしかありません。ブロソーはひるむことなく立ち向かいましたが、やはり三振。その後、双方とも言葉の応酬となり、ベンチクリアーになる案件がありました。
ビーン・ボールとブラッシュボールの違い
ビーン・ボールは意図して頭部を狙って投じられるボールのこと。今回は危険球でチャップマンが退場にならなかったため、意図したものではないということだったので、あえてビーン・ボールを使いませんでしたが、もうビーン・ボールで良いような投球でした。
なおビーンは頭の俗語。豆のbeanと同じスペルです。どうして豆が頭の俗語になったのかはおそらく形が似ているからだと思います。アメリカ人は後頭部が長い人が多いです。豆を横から見た形に似ていると言えば似ています。仮に枝豆の形を想像してください。彼らは体も大きいですが、キャップのサイズも8を超える人が多いのは後頭部がひっぱられるようなかぶり方になるからです。
また似たような言葉でブラッシュボールがありますが、これは意図して威嚇目的でのけぞらせるボールを胸元に投げること。英語ではブラッシュ・バック(Blash back)という表現を使います。
ブロソー、10球も粘る
ALDS Game5の8回のマイク・ブロソーの打席ですが、2球で2ストライクと追い込まれながら、なんと計10球粘りました。2−2カウントから、ファール、ファール、ボール、ファール、ファール。ヤンキース・ベンチは嫌な予感がしたでしょうね。その10球目、100.2mphの4シームをマイク・ブロソーはきれいにLFへ弾き返しました。
This is an INSANE at-bat from Mike Brosseau. 😳 #RaysUp #POSTSEASON pic.twitter.com/zSutXXBAjV
— Lance Brozdowski (@LanceBroz) October 10, 2020
これが決勝点。
その後、レイズは8回から登板のディエゴ・カスティーヨが9回を抑えて、レイズが2−1で見事にALCSへの進出を決めました。
レイズがALCSに行くのは岩村選手がいた2008年以来のこと(2008 Tampa Bay Rays Statistics)。
レイズ、スネルを温存
この日のレイズのリレーは、タイラー・グラスノー→ニック・アンダーソン→ピート・フェアバンクス→ディエゴ・カスティーヨの4名。総力戦でブレイク・スネルも投入するかと思われましたが、堅いリリーバーでリレーしました。
ピート・フェアバンクスはテークバックが今流行のショートレンジに変えましたね。ルーカス・ジオリト、シェーン・ビーバーらとよく似ています。
とにかく、好ゲームを演じた両チームの選手たちに感謝ですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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