2020 ALDSヒーローがブルワーズへ
現地2021年11月13日、レイズとブルワーズ間でトレードが成立しました。2020年のALDSヒーローのマイク・ブロソー(Mike Brosseau )がトレードでブルワーズに移籍することとなりました。
このトレードは両クラブで、すでにオフィシャルとなっています。
トレード詳細
トレードの詳細です。
ブルワーズGet
- マイク・ブロソー(Mike Brosseau /28才)3B/2B/1B 右投げ右打ち
ブロソーはトレード決定時点では27才ですが、誕生日が3月15日ですので、開幕時の3月31日には28才になっているので、それを記載しています。
レイズGet
- エバン・ライファート(Evan Reifert/ 22才)RHP/RP
エバン・ライファートの名前の表記ですが、おそらくオランダ由来かと思うので、ライフェルトが正しいのかもしれませんが、英語読みで記載しました。
ブロソー=2020 ALDS ヒーロー
マイク・ブロソーと言えば、やはり2020年のポストシーズンのALDSの最終戦(Game5)ですね。ヤンキースのアロルディス・チャップマンから放ったLFへの勝ち越しHRが弾道も含めて見事でした。
このゲームはレイズが岩村がいた2008年以来のALCS進出がかかったゲーム。壮絶な投手戦で1-1のスコアのまま終盤へ。
8回裏、1アウトから打席が回ってきたマイク・ブロソー。チャップマンの100.2mphのファストボールを見事にLFスタンドに放り込み、これが勝ち越し点となり、レイズがALCS進出を決めたでした。
マイク・ブロソーはアン・ドラフティッド
マイク・ブロソーはインディアナ州、ミュンスター(Munster,IN)生まれ。シカゴの南東30マイル(約48km)にありながら、ここで生まれたメジャーリーガーはマイク・ブロソーしかいません。
大学はミシガン州のオークランド大学の出身。2016年、アンドラフティッド(ドラフトで指名されず)でレイズとサイン。
2016年から2019年の3年間はマイナーでプレー。マイナーではかなり順調で、サイン翌年の2017年にはクラスAとクラスAアドバンストでプレー。2018年にはダブルA、そして2019年にはトリプルAを経験。2019年のダーラム・ブルズ(トリプルA)では、73試合で打率.304、OBP .394、SLG .567、OPS .960をマーク。HR 16、RBIは60です。
2019年6月23日のアスレチックス戦でメジャー・デビュー。レイズ独特の選手起用がありましたから、途中出場は多かったものの、メジャーでも実績を積みました。2019年は50試合で、132-36、打率.273、OBP .319、SLG .462、HR 6、RBI 16。
ショートシーズンとなった2020年は開幕から出場。打率.302、OBP .378、SLG .558、HR 5、RBI 12。そしてポストシーズンでは大きな仕事を果たしたのでした。
2021年は不振
ところが2021シーズンは不振で、57試合で打率.187。レイズにはGG賞を受賞していてもおかしくはない、ジョーイ・ウェンドルという素晴らしい3Bがおりますが、さらに三遊間にはテイラー・ウォールズやワンダー・フランコなどの活きのいいプロスペクトが台頭。1Bでの機会もあったものの、今季はものにすることができませんでした。
2022年は再起のシーズンになりそうです。
手首が立つ独特のプルヒッター
ブロソーのSLGが高いのはやはりそのヒッティング・ポイントにあると思います。メジャーリーガーには珍しくなった、ポイントが前にある打ち方です。手首が立つのも独特。やはりLF方向への打球が多いのも特徴。
2021年はファストボールの打率が.313なのに対して、オフスピードのボールの打率は.190、とくにカーブは.159。さもありなんという数字です。このスイングを見たら、アウトコースのカーブで仕留めたくなりますよね。
甘いボールが来たら、かなりの制度で仕留める面もあるものの、投手の基本で仕留めやすい欠点をどう克服するでしょうか?厳しい場面ほど美味しいボールは来ないので、その辺が出場機会に影響を与えそうです。
エバン・ライファートはかなり有望
レイズがブルワーズから獲得したエバン・ライファートは、22才のリリーフ右腕。2018年のアマチュア・ドラフトでレンジャーズから30巡目で指名。しかし、この時はプロを選択せずそのまま大学に残りました。
ブルワーズとはアン・ドラフティッドとして2020年1月にサイン。2020年の短縮ドラフトでは指名されておらず、2020年7月24日にマイナー契約を結んでいます。2020年はマイナー・リーグがキャンセル。
ドラフトもマイナー1年めもCOVID-19の影響をもろに受けた選手でもあります。
2021年はクラスAとクラスAアドバンストで、37試合に登板。いずれもリリーフで、3勝3敗8セーブ、ERA2.10。2021年のSO9は15.5を誇ります。ちなみにBB9は5.4。
high-90mphでカーブも良いです。
The #Rays have acquired 22 year-old RH reliever Evan Reifert. He can touch the upper 90’s and has a wicked breaking ball. His 2021:
— Rays Metrics (@RaysMetrics) November 13, 2021
60 IP
103 Ks (!!), 36 BBs
2.10 ERA, 3.34 FIP
It’s a power stuff/shaky command profile that TB often seeks in pitcherspic.twitter.com/R6EOZyKg8l
ブルワーズではクラブ内トッププロスペクトランクの30には入っていませんでしたが、若さ、伸びしろともにかなり有望と見て良さそうです。
さすがにレイズ、良い選手を獲りましたね。調査力が素晴らしい。
ブロソーはテレスと1B争いか?
マイク・ブロソーですが、ブルワーズにはコルテン・ウォン、ウィリー・アダムス(レイズからトレードで移籍)、ルイス・ウリアスがいることから、2B〜3Bの間で出場するのはかなりハードルが上がりそうです。
彼らのバックアップとしての位置づけもありそうですが、やはり1Bでの出場を目指すということになりそうです。2021年にぽっちゃりながら、インパクトを残したロウディー・テレス(Rowdy Tellez)との争いになりそう。
ボーゲルバック、ヒウラは?
噂ですが、1Bのダニエル・ボーゲルバックはジェイス・ピーターソンとともにノンテンダーとなる可能性も。
そしてケストン・ヒウラですが、守備が2Bとして物足りないということから、2021年は1BやLFを守りましたが、そのせいか打撃も不調に。2021年は打率が.168。ヒウラは2022年1月時点ではMLSが2.029で3年未満ですから、ノンテンダーにはなりません。非常にガッツのあるのが本来のヒウラなので、ブロソーにも食らいついてもらいたいですね。
ブルワーズ、隠れた逸材を流出
なお、プロスペクトが枯渇気味と言われてきたブルワーズですが、たしかにエバン・ライファートはトップ・プロスペクト30には入っていませんでしたが、ちょっと逸材を流出したのではないか?とも危惧します。
ちなみに現地2021年11月13日時点のブルワーズのトッププロスペクト30の上位は野手が中心。投手もいるのですが、トップ20に左腕が4名のみ。右腕は20位から30位に2人だけ。
以上です。
お読みいただき、ありがとうございました。
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