充実のOFをさらにアップグレード
現地2021年2月15日は、FAで未決となっていたプレーヤーのディールが複数決まりました。なかでもその動向が心配されていたOFのケビン・ピラー(Kevin Pillar/32/右投げ右打ち)も決定。
メッツと1年で合意です。
まだ32才と若いケビン・ピラーがこの時期まで残っているのもおかしい話で、やはり前年のコロナ禍による収益減の影響も感じさせます。
驚かされた3つのポイント
ところで、ディールには3つの点で驚かされました。
- ケビン・ピラーの契約の2年目のオプションが変わっている点
- NYMはすでに充実したOFに加え、ジャッキーの噂もある。同じ守備タイプのピラーを獲得した影響は?
- 天井なしに思えるほどのメッツの予算!とは言え、現時点の贅沢税の状況は?
【1】ケビン・ピラーの契約
さて、ケビン・ピラーとメッツは以下の条件で合意に至った模様です。契約はあくまで1年契約ですが、2年めのオプションが変わっていて、初めて見るかもしれません。
- 1年/$5M (2021)保証 + 2022 オプションあり
- サラリー:2021:$3.6M
- 2022:
- $2.9M プレーヤーオプション (バイアウトなし)
- $6.4M クラブオプション ($1.4Mバイアウト)
2021年のサラリーはあくまで$3.6M。そして2年めが1.プレーヤー・オプションの場合と2.クラブ・オプションの場合の2つがあります。
$5M保証というのは、$3.6Mのサラリーに加えて最低でも2つめのクラブオプションの場合のバイアウト$1.4Mが入っているからそうなるのですが、ではその分岐点はどうなるのか?
実質、ミューチュアルか
プレーヤーオプションとは選手側に更新の選択権があることですが、通常はかなりの売り手市場の立場である選手でないと獲得できないオプションです。
であるなら、総額$6.5Mと言えそうですが、どうもそうではないようです。考えられるのはある程度の成績を残せれば、それも勘案するということではないかと。
ということは、一定の基準があってその上でどうする?という双方の合意のもとで決まる、実質ミューチュアルオプションではないかと思います。
いずれにせよ変わった内容です。ミューチュアルだったら普通ですけどね(笑)。
なお、2020年の契約は以下の記事にあります。
【2】ジャッキー・タイプの選手を獲得
メッツのOFはかなり優秀
メッツはすでにブランドン・ニモ、マイケル・コンフォート、そしてドミニク・スミスというエブリデーOFが揃っているチーム。ジョナサン・ビヤーを獲得したので、3B予定のJ.D.デービスもOFを守れる選手。さらに、今オフはかぶすからノンテンダーFAとなったアルバート・アルモラ・ジュニアも獲得。かなり充実した布陣です。
JBJ獲得の噂
しかし、メッツはレッドソックスからFAとなっていて、毎年2、3本はHRをフェンス際でキャッチしているJBJこと、ジェッキー・ブラッドリー・ジュニアを獲得するという噂もあります。
ジャッキーは、インパクトのある打撃を見せることもありますが、原則、あまり打つ選手ではありません。打率があまりよくないのです。通算打率で、.238。ただ、HRは15から20本は見込める力はあります。守備型と言っていい選手。
ケビン・ピラーもやはり打撃より守備が魅力の選手。とは言え、通算打率は.262で、HRは82本を放ってはいて、強烈な打撃のインパクトはありませんが、それなりに打ちます。
JBJとケビン・ピラーは打席での左右の違いはあれど、守備が魅力の点やオフェンス力はかなり似通った点があります。
今回、メッツはケビン・ピラーを獲得。これがどういう意味を持つのでしょうね?
ジャッキーはFAの交渉でかなり強気に出ているという噂も。もしも彼の希望額を払うとしたら、実質メッツくらいしかないのですが、果たして同タイプの選手を2人も獲得するのだろうか?とも思います。
メッツとJBJとの動向に注目ですね。
【3】メッツの贅沢税
大富豪の新オーナーが就任し、予算が充実したメッツ。今オフ、ロビンソン・カノーの$24Mを払わなくてよくなったことでさらに翼を得たような状態になっています。
もはや天井なしか?と思えるくらいにディールを成立させていますが、現地2021年2月16日時点の贅沢税上のサラリーは一体いくらになっているのか、気になったので調べて見ますと、
$188.9M。
まだ21Mほどスペースが残っています。
トレーバー・ローゼンタールの獲得も考慮に入れているメッツ。果たしてカブスのクリス・ブライアント獲りもあるのか?残りスペースをどう使うのか、注目ですね。ブライアント獲得ならJBJはないと思いますが、どうなるのでしょうね。なかなかおもしろいです。
以上です。
お読みいただき、ありがとうございました。
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