バーランダー、再びシャーザーと同僚に
現地2022年12月5日、アストロズからFAとなっていたジャスティン・バーランダーのディールが決まりました。メッツに決定です。
契約に関してはショート・タームのラグジュアリー・コントラクトを希望していましたが、それを実現したのはやはり資金力豊富なメッツでした。
【YOUTUBE】Justin Verlander to the Mets!! JV reportedly signs with New York!! (Verlander’s Astros Highlights)
メッツとのこのディールが決まったときに真っ先に思ったことは、これでバーランダーはまたマックス・シャーザーとコンビを組むことになる!ということ。
2004年にアマチュア・ドラフト全体2位でタイガースに入ったジャスティン・バーランダーは2017年のトレード・デッドラインまで所属。一方、マックス・シャーザーは2006年のアマチュア・ドラフトでDバックスから全体11位で指名を受け、2010年にタイガースに移籍。2014年まで在籍しました。二人は2010年から2014年まで最強のローテーションとしてコンビを組んでいました。
ともにしのぎを削ったタイガース時代
Justin Verlander and Max Scherzer on the same team? Wild pic.twitter.com/HiPvdnimaI
— Barstool Detroit (@BSMotorCity) December 5, 2022
そしてこの最強コンビはご覧のように入れ替わるようにサイヤング賞を受賞。
- 2011: バーランダー: 24勝5敗、ERA 2.40、250 SO: 1度目のサイヤング賞
- 2013:シャーザー:21勝3敗、ERA 2.90、240 SO: 1度目のサイヤング賞
タイガースは2014年にデービッド・プライスを獲得しており、プライスは2012年のレイズ時代にサイヤング賞を受賞していましたから、2014年はローテーションにサイヤング賞が3人もいるというすごい状況を作ったのでした。ちなみにそれを作ったのは現フィリーズのベースボール・オペレーション社長のデーブ・ドンブロウスキー氏でしたね。
それでもタイガースはこの時期、2011年から2014年まで地区5連覇を果たすも、ワールドシリーズには2012年に1度出場したのみ。しかもジャイアンツにスイープされ、1984年以来チャンプは遠ざかっています。タイガースはクローザーが不安定で、どうにも機能しなったのが、もどかしい結果の要因の1つでもありました。
契約内容
バーランダーのラグジュアリー・コントラクトですが、ご覧の内容です。さすがメッツ。贅沢税などお構いなしです!
- 2 年/$86,666,666 (2023-24) + 2025 $35M べスティング・オプション
- 支払い
- $43,333,333 x 2 (2023-2024)
- 2024年に140 イニング超えを果たし、尚且つ独立した機関でのフィジカル検査の結果、2025年のオープニング・デー・ロスターを阻害することがないなら、プレーヤー・オプションとなり、2025年は$35Mで更新できる
- ノー・トレード条項(フル)あり
- 支払い
AAVでシャーザーと仲良く肩を並べる
ご覧のようにAAV(Average Annual Value)でマックス・シャーザーと並びました。
💰💰💰 pic.twitter.com/0xiM9UJlSF
— MLB Network (@MLBNetwork) December 6, 2022
メッツのローテーションはサイヤング賞5個から6個へ
現地2022年12月2日にジェイコブ・デグロムを失ったメッツ。
ジェイコブ・デグロムは2018年と2019年に2年連続でサイヤング賞を受賞。
2022年のメッツのローテーションは、マックス・シャーザーの3度(2011 & 2016-17)と併せ、サイヤング賞5個のローテーションでしたが、今回、デグロムを失い-2個となったものの、ジャスティン・バーランダーの3度(2011、2019 & 2022)が加わりましたので、サイヤング賞6個のローテーションとなりました。サイヤング賞はそのようにカウントして使う賞ではありませんが、メッツがいかに実績のすごい投手で固めてきているかがわかる一面でもあります。
TJ手術から復帰後初のフルシーズンでサイ・ヤング賞
ジャスティン・バーランダーは、1983年2月20日生まれ。2023年の誕生日で40才になります。今回の契約は41才までの2年間+オプションで42才まで投げるかどうかという契約です。
彼のこれまでの成績を簡単にまとめるとご覧の通りです。
- 2006 AL ROY
- オールスター出場:9度(2007, 2009-2013, 2018- 2019 & 2022)
- MVP :2011
- サイ・ヤング賞受賞:3度 (2011、 2019、2022)
- サイ・ヤング賞投票2位:3度(2012、2016, 2018)
- サイ・ヤング賞投票3位:1度(2009)
- 2011 AL ピッチャー3冠(Wins :24勝/ ERA: 2.40/ SO: 250)
- 2017 ALCS MVP
- カムバック・プレーヤー・オブ・ザ・イヤー:1度(2022)
- AL ERA 1位:2度(2011& 2022)
- AL 最多勝 : 4度 (2009:19勝 / 2011:24勝 / 2019: 21勝 / 2022: 18勝)
- AL 最高勝率:3度 (2007 、 2011& 2022)
- AL 最多イニング登板:4度 (2009: 240/ 2011: 251.0/ 2012: 238.1/2019: 223.0)
- AL 奪三振 1位:5度 (2009:269/ 2011: 250/ 2012: 239/ 2016: 254/ 2018: 290)
- シーズン最多奪三振:300(2019)
- AL 最多完投勝利 :2012/ 6試合
- AL 最多完封勝利: 2018/ 1試合
- シーズン15 勝以上: 12度 (2006, 2007, 2009-2012, 2014 、2016-2019 & 2022)
- シーズン20勝以上: 2度 (2011: 24, 2019:21)
- 200 イニング投球: 12度 (2007-2014 & 2016-2019)
- 200 奪三振: 9度 (2009-2013 & 2016-2019)
- 300 奪三振: 1度(2019)
- ノーヒット・ノーラン:3度(2007 June 12/ 2011 May 7/ 2019 Sep 1)
- ワールドシリーズタイトル:2 度( 2017 & 2022 :Astros)
特筆すべきすごい点が2点ほどありまして、1つはキャリア晩年でますますクオリティが上がっていること。最近のバーランダーはかつてのように101mphをガンガン投げるというわけにも行かなくなりました。それでも4シームのアベレージのベロシティーは39才の2022シーズンで95mphもあるという化け物ぶり。球速が落ちたとは言え、まだまだ変化球が十二分に生きるレベル・・・というよりベロシティーはまだまだMLBトップクラスと言っていいでしょう。しかもスライダー、チェンジアップ、カーブは、ベロシティーが落ちてから磨きをかけており、ますます盤石であるという点。
そして2点目は、トミー・ジョン手術明け初のフルシーズンで28先発、175.0イニングを投げ、18勝4敗、ERA 1.75、185 SO、BB9 1.5、SO9 9.5、WHIP 0.829という成績で、ERA、最多勝タイトルそしてサイヤング賞まで受賞したということ。年齢を考えると今季はかなりイニング制限をかけるのでは?とも思いましたが、一時期は離脱したものの、ポストシーズンまで投げました。トミー・ジョン手術後初のフルシーズンでこんなにすごい成績を出したのは初のことです。
ジャスティン・バーランダーはまだまだ頑張ってくれそうです。
そしていつもなにがしかの事情で力を発揮できないメッツがバーランダーの加入でどのようなケミストリーを起こすのか、それを見るのも楽しみです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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