CWS相手に黒星も、圧巻のピッチング
マリナーズに生きの良いプロスペクトが出てきました。
現地2022年4月12日、マリナーズ@ホワイソックス戦で右腕のマット・ブラッシュがデビュー。ホワイソックス相手に最終的に黒星はついてしまったものの、投球内容は圧巻で、非常にセンセーショナルなデビューを果たしました。
マット・ブラッシュ、とんでもないスライダーを投げる!
まずはマット・ブラッシュをだいぶ前からチェックしていて、この日のデビュー戦に待ってましたとばかりに網を張っていたピッチング・ニンジャさんのツイートの埋め込みを。
48 Seconds of Matt Brash's Insane Stuff from Today. pic.twitter.com/5BRsLnkUc2
— Rob Friedman (@PitchingNinja) April 12, 2022
勢いを活かすピッチング・フォームはかつてアスレチックス、ブレーブスで活躍した、通算222勝のティム・ハドソンを彷彿とさせるものがあります。
Max Fried’s 16th win is the most by a Braves pitcher since Tim Hudson’s 16 in 2012.
— Matt Chrietzberg (@BravesMattC) September 6, 2019
To continue the Hudson theme, the Braves’ magic number to clinch the division is now 15. pic.twitter.com/NtZkygEeKV
ルイス・ロバートから初奪三振
メジャー初マウンドに上がったマット・ブラッシュは、1回表、先頭のティム・アンダーソンに97.3mphのファストボールでご挨拶。スライダーでRFフライに打ち取りました。
メジャー初奪三振はルイス・ロバートから奪ったもので、2球で追い込んだ後、ボールを1つ挟んで85.7mphのとんでもないスライダーで空振り三振。あのルイス・ロバートが追いかけるスイングを見せましたね。なお、ルイス・ロバートには4球連続スライダー。
つづくホセ・アブレイユも三振に打ち取り、非常にセンセーショナルな立ち上がりを見せました。
マリナーズ打線は、2回表にエウヘニオ・スアレスがLFへきれいなソロHRを放ち、先制。
3回裏、マット・ブラッシュは1アウト後にジョシュ・ハリソンにボールを見られて四球。つづくリース・マグワイアにはRFへシングルを打たれ、1アウト1、3塁のピンチに。
ここでつづくティム・アンダーソンを強気に2球で追い込み、5球目のスライダーを見事にSSゴロに仕留めたまでは良かったものの、名手のJ.P.クロフォードがゴロをファンブル。これで3塁ランナーが生還し、1-1のタイスコアに持ち込まれます。
6回裏、1アウトからルイス・ロバートにスライダーをCFに放り込まれ、2-1と逆転を許します。つづく、ホセ・アブレイユにもシングルを許したところで、降板。
マット・ブラッシュは、5.1イニング、85球で被安打4、失点2、与四球1、奪三振6、被本塁打1という成績でデビュー戦を終えました。ホワイトソックス打線をこれだけ手こずらせるとはすごいです。
マット・ブラッシュとは
このマット・ブラッシュのことを簡単にご紹介します。1998年5月12日生まれの23才(現地2022年4月12日時点)。
カナダの出身で、ナイアガラ大学を出ています。ドラフトは2019年のパドレスの4巡目指名。ドラフト・イヤーはルーキー、ハイAに所属。計5試合、5.1イニングに登板。
実施的にプロ初年度となる2020年、残念なことにCOVID-19のパンデミックでマイナー・リーグがキャンセルとなったことで、成長する機会を奪われました。
パドレス、痛いトレード
そして2020年8月31日、パドレスはマリナーズから右腕のテイラー・ウィリアムズを獲得。
この時は交換相手はPTBNL(Player To Be Named Later: 後日指名)だったのですが、それにあてがわれたのがマット・ブラッシュで、9月17日にマリナーズに移籍しました。
テイラー・ウィリアムズは2020年はパドレスで1イニングに登板しただけ。2021シーズンは5試合5.1イニングでERA1.69だったものの、9月にDFA。それをウェーバーでマイアミがクレームオフするも、同月にFAとなり、2022年3月はFAとしてジャイアンツとサイン。今はジャイアンツのマイナーに在籍。
パドレス4巡目指名ということで、マット・ブラッシュを適正に評価していなかった模様です。
2021シーズンにコールアップ
マット・ブラッシュは2021シーズン、ハイAからスタート。そして圧倒的な力を見せます。ハイAでは42.1イニングでSO9が13.2、ダブルAでも55.0イニングでSO9は13.1をマーク。
この圧倒的な数字で、2021年9月28日にメジャー昇格を果たします。しかし、2021年はメジャーでの登板はありませんでした。マリナーズは終盤、投手力が良かったですからね。
そして今スプリングトレーニングでは、3試合中、2試合に先発。9.1イニングを投げて、被安打3、失点1、奪三振12、ERA 0.96をマーク。マリナーズのローテーションのNO.5スポットを手に入れたのでした。
プロスペクト・ランク
Pre-2022のMLBパイプラインのプロスペクトランキングではTOP98位にランクイン。これはかなり過小評価でした。Baseball Americaでは45位で、さすがの老舗パワーの眼力です。
ファストボールがHigh 90/スピンレートが豊富なスライダー
この日のピッチングの通り、マット・ブラッシュのファストボールはハイ90mph。2021年はアベレージで96.4mphをマーク。そして高いスピンレートが明白なウィッフルボールのように曲がるスライダーが武器。その他、ナックルカーブ、チェンジアップと速度差を活かせるボールも持ち合わせています。
2021年はハイA、ダブルAでBB9が4.4。コマンド(コントロール)にやや不安があったものの、このデビュー戦では四球が1つ。きっちり仕上げてきました。
非常に楽しみな投手です。名前の響きも何か良いものがありますね。
ベラスケスが好投
なお、ついでのようになってしまいましたが、ホワイトソックスの先発はビンス・ベラスケス。ピッチャーらしいピッチャー。この日は4.0イニングで被安打2、失点1、BB3、奪三振2、被本塁打が1。勝ち投手にはならなかったものの、見事にゲームメイクしました。
ゲームはマット・ブラッシュに援護がなく、3-2のスコアでホワイトソックスが勝ちました。
お読みいただき、ありがとうございました。
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