ストロング・デビュー!
現地2022年5月8日、マリナーズにまたいいピッチング・プロスペクトが出てきました。
この日、マリナーズは地元T-Mobile Parkにて、レイズを迎えての4ゲームシリーズの最終戦。今季、前評判の高かったマリナーズですが、2022年5月2日から始まったアストロズとの3ゲーム・シリーズではスイープを許し、5日から始まったレイズとのシリーズにおいてもここまで3連敗。連敗を止めるべく、マイナーからコールアップされたのが、新星のジョージ・カービーでした。
ジョージ・カービーとは?
ジョージ・カービーは1998年2月4日生まれの24才。ニューヨーク生まれです。高卒時の2016年にメッツから32巡目指名を受けるも拒否。イーロン大学に進学。3年後の2019年のアマチュア・ドラフトで、マリナーズから1巡目指名を受け、プロ入りしました。全体順位20位。
この年のドラフトはかなり有名選手がひしめいており、全体1位のオリオールズのアドリー・ラッチマンは現時点で未デビューながら、デビューはもう時間の問題とも言われていますし、全体2位のボビー・ウィット・Jr.(KCR)はデビュー済みですね。さらに、ホワイトソックスのアンドリュー・ボーン、パドレスのC.J.エイブラムス、そしブルージェイズのアレク・マノーア、レッズのニック・ロードロなどもそうです。
そんなライバル達に参戦したのが、ジョージ・カービーです。下記はドラフト時の動画です。今回のデビュー戦ではこのフォームがかなり進化していますので、そこの比較も見ものです。
ダブルAからメジャーへ
そのジョージ・カービーはプロとしてこれからという2020シーズンをコロナ・パンデミックでキャンセルされたため、デビューはやはり少しだけ遅れましたね。
2021シーズンはクラスAプラスと、ダブルAの2つのレベルに登板。双方合わせて15スタートで、ERA 3.06、SO9は10.6、BB9は2.0。
2022シーズンはダブルAで開幕を迎え、ここまで5試合に登板。24.2イニングでERAは1.82、SO9は11.7、BB9は1.8と安定した成績を見せ、ダブルAからメジャーへコールアップされました。
6回スコアレス、7Kデビュー
とても厄介なワンダー・フランコらがいるレイズ打線を相手に、ジョージ・カービーは初回の3アウトをすべて三振で奪うという素晴らしい立ち上がりを披露。ワンダー・フランコにはメジャー初被安打を許しました。
ジョージ・カービーはとにかく落ち着いており、ランナーを出しても慌てることはありませんでした。ギアを上げるマウンド度胸も見事でした。
この日のファストボールはmid-90mphでしたが、それ以上に速く感じさせましたね。4シームのアベレージは95.8mph、スライダーが88-89mph、チェンジアップが84-85mph、カーブが79-80mphと言ったところ。シンカーも1球だけ投げたことになっています。96.8mph。
ジョージ・カービーは6回、81球を投げ、被安打4、失点0、与四球0、奪三振7。初登板で与四球0とはすごい心臓をしていますね!
貧打により勝ち星はつかず
打撃に苦しんでいるマリナーズ。なんとかルーキーのデビュー戦に華を添えたいところでしたが、レイズ先発のライアン・ヤーブローにうまく抑えられ、5回までで4安打しか放てませんでした。
8回表にはマニュエル・マーゴットに均衡を破られるソロHRを許し、追い込まれます。
母の日に地元ファンにしょっぱい試合を見せたな!と思ったマリナーズですが、9回裏に意地を見せました。1アウトからエイブラハム・トロがレイズのブルペンのキーマンでもあるアンドリュー・キットリッジの甘めのスライダーを叩き、これがRFスタンドにラインドライブで入るソロHRに。マリナーズが土壇場で1-1の同点に追いつきました。
オートマティック・ランナーがついてスタートする延長10回裏、マリナーズは送りバントを敢行し、1アウト3塁のチャンス。つづく、マット・ウィスラーが申告敬遠で歩き、1アウトランナー1、3塁。レイズとしてはダブルプレーも取れるシチュエーションを整えたということでしょう。
しかし、そこはタイ・フランスがLFへクリーン・ヒットを放ち、レイズの守りの工夫も粉砕。
マリナーズが2-1のスコアで勝利したのでした。
素晴らしいデビュー戦を飾ったジョージ・カービーでしたが、初勝利は次回へお預けということに。
レッズからの移籍組がまだ機能せず
この日、チャンスを何度も潰したのは、今オフにレッズから移籍してきたエウヘニオ・スアレス。あと1本出ればという場面での打席で、どうも振り遅れが目立ちました。スロースタートです。同じくレッズから移籍してきたジェシー・ウィンカーも打率が1割台と苦しんでいます。
マリナーズ打撃陣で3割超えはタイ・フランスのみ。
これから暖かくなりますから、ベテランの奮起を期待したいところですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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