ブロックバスタートレードが成立
現地2018年12月3日、ついにマリナーズとメッツのトレードが大型トレードが完成しました。合計7選手が動く、まさにブロックバスター・トレードです。
マリナーズ&メッツのトレードの概要
ロビンソン・カノーとセーブ王のエドウィン・ディアスを放出したマリナーズですが、メッツからマリナーズへ動く選手を見て行きたいと思います。一応、整理しておきます。
【メッツGet】
- ロビンソン・カノー(Robinson Cano )
- エドウィン・ディアス(Edwin Diaz)
【マリナーズGet】
- ジェイ・ブルース(Jay Bruce)
- アンソニー・スウォーザック(Anthony Swarzak)
- ジャレッド・ケルニック(Jarred Kelenic )
- ジャスティン・ダン(Justin Dunn)
- ガーソン・バティスタ(Gerson Bautista )
マリナーズのジェリー・ディポートGMが、「ジャレッド・ケルニックとジャスティン・ダンをこのトレードに加えられたことがマリナーズの陣容の質を高めた」というようなことを語っているほど、メッツからいいプロスペクトを獲得出来ております。
“This trade bolsters our player-development system with the additions of Jarred Kelenic and Justin Dunn, while also providing immediate impact to our Major League club in Jay Bruce, Anthony Swarzak and Gerson Bautista,”
ちょっと自画自賛の要素が入っていて、開幕後の不安がちょっとよぎったのですが、それは筆者の個人的な感覚として、事実関係を見てみたいと思います。
選手の紹介
マリナーズが獲得した先に名前の上がった選手から見て行きます。
以下を読むんでいただくと、メッツの新GMのブローディー・バン・ワゲネンさんは金のがちょうを2人も放出していることがわかるかも。
ジャレッド・ケルニック OF
ディポートGMが惚れ込んでいるのは、ジャレッド・ケルニック。2018年アマチュア・ドラフト1巡目、全体順位6位でメッツが獲得した逸材。高卒外野手で左投げ、左打ち。1999年7月16日生まれの19才。メッツ、これは出してはいけないと思えるほどの逸材です。
2017 U-17でアメリカの世界一に貢献した選手。不思議な経歴を持つ選手で、ミルウォーキーの出身で、出身のハイスクールからプロが出たのは彼が初めてで、場所が寒すぎて高校では野球部にいなかったとWIKIには書かれております。しかしながら、インドアのトレーニング施設を家族がつくってそこでトレーニングをしてUS代表にまでなったと。いささか深掘りする必要がありますが、本当のようです。ダイヤのエースの轟雷市みたいな選手かも。
アメリカの高校生のプロの登竜門であるパーフェクト・ゲームでのフィジカル・スタッツでは、60ヤードダッシュ(54.864m)が6.57秒となっています。50mなら5秒台でしょう。
能力からしていわゆる5ツール。
2018年12月4日現在のトップ・プロスペクト・ランク100では62位ですが、19才であることを考えると、相当いいと思います。そしてマリナーズ内のプロスペクト・ランクでは早速2位に躍り出ました。1位は先日、J・パクストンとのトレードでヤンキースから移籍してきたジャスティス・シェフィールド(Justus Sheffield)。
かなり魅力のある選手なのは間違いないです。
ジャスティン・ダン RHP
ジャスティン・ダンは1995年9月22日生まれで23才になったばかりの投手。2016年アマチュア・ドラフトのメッツ1巡目指名(全体順位19位)。マリナーズ内のプロスペクトランクで上の2人に次いで3位にランクインしております。プロスペクト100では89位。ベスボール・アメリカのPre-2017 ランキングでは100位でした。
2018年はシングルAプラスからダブルAまでを経験。8勝8敗、ERA3.59。BB9が3.5、SO9が10.4ですからコントロールもそれほど悪くないという数字。筆者も球場に行ったことのあるメッツのシングルAブルックリン・サイクロンズで投げていたというのはいささか親近感のわく投手です。
ファストボール、スライダー、カーブ、チェンジアップがもち球。ファストボールは94−96mph。まだまだ伸びしろがあるようです。
ガーソン・バティスタ RHP
ガーソン・バティスタは1995年5月31日生まれの23才。ドミニカ共和国出身。2018年4月17日のナショナルズ戦でデビュー済み。9回1イニングを被安打1、与四球1、奪三振1の無失点でデビューしてます。
2018年は5試合、4.1イニングで被安打8、失点6、与四球5、被本塁打2、ERA12.46でホロ苦デビューした年でした。6月2日の登板を最後にマイナーへ。マイナーではトリプルAで3勝1敗。この秋にはAFLでも投げ、9試合11.1 イニング、1勝1敗、ERA2.38。
ファストボール、スライダー、チェンジアップ。まだまだこれからの選手です。課題はコントロール。
ファストボールは常時97-99mph、Maxで100.6mphをMLBで計測。
ジェイ・ブルース RF/1B/DH
ジェイ・ブルースは2019年4月で32才になる左投げ、左打ちの外野手。2005年アマチュア・ドラフト1巡目(全体12位)でレッズへ。筆者はレッズのイメージがやはり強いです。2008−2016途中までレッズ、2016途中から2017途中までメッツ、2017年後半はインディアンス、2018年に再びメッツでプレーしました。
ASG3度、SS賞2度受賞。HRのキャリアハイは2017年の36本、同年はRBIも101でキャリアハイ。Avg .230-.250 、HR 20以上、RBIも70以上は見込めるスラッガー。打力に期待。
サラリーはアベレージで1,400万ドルx2年。1300万ドルx2年プラスサイニング・ボーナス。
アンソニー・スウォーザック RHP
アンソニー・スウォーザックは2019シーズンで33才になる右腕。2014年途中からリリーフに。2017年は70試合に登板、6勝4敗、4SV、ERA2.33という好成績を残す。2018年は29試合、ERA6.15とやや前年の疲れが出たとみられる数字でした。セットアップの前の2番手か3番手での登板が予想されます。
2019年のサラリーは850万ドル。
ロビンソン・カノー
やや衰えが出てきていると見るか、それともデッドボールによる骨折など本人以外の要因で発生した怪我の影響のせいか、やや数字が落ちてきました。
39HRを放った2016年の状態が戻ればと思います。
エドウィン・ディアス
フィジカルチェックでボーン・スパー(Borne Spur)、骨がこすれて変形するいわゆる野球肘の1つが見つかったディアスですが、治療は簡単なのでなんとか問題解決できそうです。
2019年に臨むにあたり、もうとにかく2018年の疲れをとるオーバーホールをして欲しいということだけ。ディアスですが、MLSが2.012年とまだ調停の資格も有しておりません。今季はMLBのミニマムの57万ドル。
マリナーズの収支
このトレードだけで考えると、マリナーズは210万ドルのセーブ。
マイナス:カノー 24M + ディアス 0.57M = 約 24.6M
プラス :ブルース 14M + ウォーザック 8.5M = 22.5 M
このトレードで2.1Mをセーブ。
すべてはシーズンの結果
カノーはそもそも5年前の契約が高すぎて、ラッパーの代理人の交渉がうまかったのだろうと思います。年俸とのバランスで考えたときに物足りないとは思います。いい選手で好きなのですが、ここで契約上、関係を断ったというのは正解かと思います。
確かにプロスペクトは潤いました。ベテラン2人もいいと思います。仕事が出来ます。
ただ、調停前のクローザーを出したのはいかがなものかと思います。少なくとも2019年は大幅に年俸増にならないわけですから、エドウィン・ディアスを出したのはあまり良い選択ではなかったと思います。プロスペクトがようやく花開いた段階で、経営的に一番いい選手なのに。これはメッツから求められたのかもしれません。
あとは結果ですね。こんな声も吹き飛ばすくらいに、現場がうまく回るようにしてくれればそで問題はありません。
お読みいただき、ありがとうございました。
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