トミージョン手術明けフルシーズンへ
シアトル・マリナーズに動きが出ました。
現地2019年11月26日、シアトル・マリナーズはカブスからFAとなっていた右腕ケンダール・グレイブマン( Kendall Graveman )を獲得しました。
マリナーズは11月23日、未デビューのエバン・ホワイトとの6年$24Mの延長契約の合意に続き、チーム編成を着々と進めています。
契約内容
契約内容は1年1.5M(2020)、2021年はクラブオプションで$3.5M、バイアウトは$0.5M。バイアウト込みで$2.0Mは保証されているという契約です。
ケンダール・グレイブマンとは
今回、マリナーズが合意したケンダール・グレイブマンは2019年12月21日の誕生日で29才となる右腕。2013年ブルージェイズ8巡目指名でプロ入りしました。
デビューは早く、2014年9月のセプテンバー・コールアップで登板。5試合、4.2イニングでERA 3.86。これはもう2015シーズンに向けての課題発見のための試投と言っていいでしょう。
ところが、デビュー後の2014年11月にアスレチックスがジョシュ・ドナルドソンを獲得したトレードでブレット・ローリーとともにアスレチックスへ移籍。本格的なメジャーのマウンドはアスレチックスに移ってからの2015年になります。
アスレチックスでは先発ローテーションとして2016年に31試合、186イニングに登板。10勝11敗、ERA 4.11、奪三振108、与四球47の成績を残しています。メジャー通算、5シーズン、83試合、446.0イニングに登板し、23勝29敗、ERA 4.38、FIP 4.54、WHIP 1.377。
トミー・ジョン手術
ケンダール・グレイブマンは2018年7月にトミージョン手術を受け、2018年オフにアスレチックスをノンテンダーFAになっていました。それにもかかわらず、カブスは2020シーズンの活躍を期待して、現地2018年12月22日に獲得。2019年のサラリーはさすがに57万5千ドルと抑えましたが、2020年にクラブオプションで300万ドル、バイアウトなしという条件で合意していたのでした。
カブスがクラブオプションを拒否
カブスは2020シーズンに期待してクラブオプションを実行すると思っていたところ、なんとオプションを拒否。FAとなっていたところをマリナーズのディポトGMが獲得に名乗りを上げたという流れです。
カブスの1年間の我慢は何だったのか?と思うところもあるのですが、贅沢税の計算など総合的な判断からクラブオプション拒否に踏み切ったと思われます。
久々のマウンドへ
ケンダール・グレイブマンがメジャーのマウンドに上がるとなると、2018年5月11日のヤンキース戦以来の登板となります(SCORE)。
2シーマー
トミージョン手術前の球種は、4シーム、2シーム、チェンジアップ、カーブ、カットボール。ファストボールのほとんどは2シームで、アベレージで93.0 (149.66kmh ) mphほど、MAXで96.0 mph (154.49kmh)ほどの数字を出していました。次に多いのがチェンジアップで2シームとほぼ同数を投げます。こちらの速度が86-89mph(138.40kmh-143.232kmh)。あとは80mph前半のカーブ、チェンジアップと同じような速度レンジのカット。
ゴロが多い
通算のBB9(四球率)が2.6と四球が少ない良いピッチャーでもありますが、H9(被打率)が9.8とだいたいイニング数と同じ程度の安打は打たれます。ただ、HR9(被弾率)は1.2。GB/FB(ゴロ率)は1.10。以上の数字からHRは打たれにくく、ゴロを打たせる投手であるけれども被安打は覚悟、そして1試合につき3-4点は覚悟という感じになると思います。イメージとすればマリナーズからDバックスへ移籍し、2019年のGG賞を受賞したマイク・リーク(Mike Leake)に近いスタイルと言っていいかもしれません。
トミージョン手術明けのフルシーズンになります。グレイブマンがアスレチックスで活躍していた2015年から2017年はアスレチックスが3年連続ア・リーグ西地区最下位に沈んでいた時期です。その頃に奮戦していたグレイブマンですから、印象に残っています。ぜひ良い結果を出してもらいたいです。
マリナーズ、コルテスも獲得
なおマリナーズは現地2019年11月25日、左腕のネスター・コルテス(Nestor Cortes)をヤンキースからインターナショナル・スロット・マネーとの交換で獲得しています。
2019年はリリーバーとして33試合、先発で1試合に登板し、66.2イニングで5勝1敗、ERA 5.67。リリーバーとしてもオープナーの一人目としても対応してくれそうですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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