インディアンス投手陣2020
本日はア・リーグ中地区のインディアンスの投手陣に関する話題です。
今オフの補強は非常に控えめだったインディアンス。2016年から3年連続地区優勝の実績と引き換えに膨れ上がったサラリーをスリム化しているのがここ2年のオフの動きです。現地2020年2月15日時点で40manのサラリーは約$104M。贅沢税基準額($208M)の約半分のサラリーに抑えることに成功しています。
心配された2019年も終わってみれば2位
Pre-2019年にはエドウィン・エンカーナシオン、マイケル・ブラントリーなど打点を大量にあげていた打線を解体。もう2019年は勝負にならないのではないかと不安視してしまいましたが、終わってみれば2019年も優勝争いに参加。最後は惜しくも力尽き、自力のあるツインズに引き離されてしまいましたが、それでも若手中心でこのポジションを得たのはクラブ側としてもかなり自信を持ったのではないかと思います。
インディアンスはいわば、「勝ちながらリビルドする」という非常に難しい命題にチャレンジしているクラブであるとも言えますが、視点をかなりドライにした時、「旬になる前のサラリーの安い若手をめい一杯起用しよう」という戦略ももちろんあるとは思います。ただ、現時点でもカルロス・サンタナが$20.8M、フランシスコ・リンドーアが$17.5M、カルロス・カラスコが$10.25Mという高額サラリーの選手も抱えているはおります。
コーリー・クルーバーを放出
今オフのFA市場でインディアンスが目立ったのはコーリー・クルーバーをレンジャーズにトレードしたシーンのみだったと思います。フランシスコ・リンドーアの噂はありましたが、Pre-2020に関しては消えましたね。
そんなインディアンスにバッド・ニュースが入りました。ジンクスなのか何なのか、実績のある選手を放出すると、なぜか「その選手を出さなければよかったのに!」という事態が発生したりします。
エースのマイク・クレビンジャーが膝を手術!
現地2020年2月17日、すでにバッテリーのスプリングトレーニングが始まっている中、エースのマイク・クレビンジャー(M. Clevinger)が膝を手術することが発覚。復帰のタイムテーブルも見えない状況となりました。
半月板の手術
マイク・クレビンジャーが傷めたのは左膝の半月板。半月板の手術はやっかいで、おそらく少なく見積もっても7週間はかかると見た方がよさそうです。よってリハビリ投球も考えると開幕はアウトの可能性が非常に高く、早くて4月半ばの復帰、状態によっては前半戦のかなりの部分をリハビリに費やすかもわからない事態となりました。
クレビンジャー&ビーバーの2トップのはずが・・・
おそらくインディアンスはローテーションの柱として、マイク・クレビンジャーをローテーションNO.1、シェーン・ビーバーをNO.2と考えてきたと思います。
それが崩れた今、シェーン・ビーバーに負担がのしかかりそうです。
豊富なローテーションも
インディアンスは実はローテーションのコマが豊富です。仮にマイク・クレビンジャーが離脱しても枚数だけはこれだけ候補がおります。
- シェーン・ビーバー
- カルロス・カラスコ
- ザック・プレサック
- アーロン・シバリ
- アダム・プルートゥコ
- ジェフリー・ロドリゲス
- ローガン・アレン
5人目のアーロン・シバリまでは2019年もローテーションとして投げたことのある投手。カルロス・カラスコのルキミアの回復状態も心配ではありますが、とにかく枚数は多いです。相変わらず右腕王国で、ローガン・アレン以外はみな右投手ばかりではありますが。
とは言え、シェーン・ビーバーが変に気負わないことを祈るばかりですね。
本来であれば、クレビンジャー&ビーバーの2トップががっちり機能して、3連戦、4連戦のうち2戦を有利にゲームメイクし、ブルペンで勝ちを拾うというパターンに持ち込みたかったところでしょう。
そうなると、ブルペンには2019年後半にデビューしたジェームズ・カリンチャックという素晴らしい右腕がジョシュ・ヘイダーのように火消しし、最後はブラッド・ハンドにつなぐというパターンに持っていきたかったでしょう。
ジェームズ・カリンチャックが大ブレークするか!
そうなると、2020年、インディアンスにはジェームズ・カリンチャックがいてゲーム後半は勝負にならないという状態に持っていくことができます。
ジェームズ・カリンチャックは2019年9月14日にメジャーデビュー。5試合のみの登板でしたが、5.1イニングで1勝1敗、ERA 1.69。打者22人に対して奪三振が8。与四球も1でコントロールも抜群です。BB9は1.7、SO9は13.5を誇ります。
とにかく90マイル後半のファストボールがよく、それに輪をかけてカーブがいい投手で、2019年はその片鱗を見せたというところで終わりました。
下記の動画はレンジャーズのエマニュエル・クラセとのコラボレーションの動画ですが、カリンチャックの投球が長く収まっていますのでご覧になっていただくのに損はないと思います。カリンチャックの魅力がよく出ています。
よって、2020年はフルシーズンで登板し、カリンチャックが大ブレークするのではないか?と筆者は思っています。
ただ、ここでやはりクレビンジャーの離脱は大きく、ローテーションの柱が一枚崩れると、たとえカリンチャック登板でも連投がつづくとその効果が薄れます。よってできればローテーションがしっかりとゲームメイクする要素が高まってから出て来る方が余計に魅力が出せるのではないかと思ったのでした。
ここは杞憂であって欲しいのですが、とにかくカリンチャックの活躍に大いに期待しています。
ライバルCWSは補強バッチリ
さて、今オフ、ア・リーグ中地区ではなんと言ってもホワイトソックスの補強が目立ちました。
【CWSの補強 for 2020】
- スティーブ・シーシェック(CHC)RHP: 1年$6M保証 01/07/2020
- エドウィン・エンカーナシオン(NYY) 1B/DH: 1年/$12M 01/09/2020
- ダラス・カイケル(ATL) LHP/SP: 3年$55.5M 12/30/2019
- ジオ・ゴンザレス(MIL) LHP/SP: 1年4.5Mドル 12/20/2019
- ノマー・マザラ(TEX)RF: トレードで獲得 12/10/2019
- ヤズマニ・グランダール(MIL) C:4 年/$73M (2020-23) 11/21/2019
目立った補強だけでもこれだけあり、インディアンスはかなり厳しい戦いを強いられそうです。できれば開幕から2TOPが機能して欲しかったのですが、離脱はこうなれば致し方ありません。
ゲーム戦略のうまいフランコーナ監督のもと、うまく戦って欲しいなと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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