ドミニカ共和国出身の23才右腕が鮮烈デビュー
現地2022年9月13日、この日はいいピッチングをした投手が多かったですね。
まずはダルビッシュ投手。勢いのあるマリナーズ打線を相手に8回、2ヒッター、0BB、7SOで今季14勝目。ジョシュ・ヘイダーと2人でシャットアウトリレーを達成しました。ゲームはパドレスが2-0で勝利。
また、ドジャースのクレイトン・カーショウがDバックスを相手に7回、2ヒッターの素晴らしい投球。ドジャースはDバックスに4-0で勝利し、2年ぶりにナ・リーグ西地区のタイトルを手に入れました。
そのほかにもフィリーズのベイリー・ファルターがサンディー・アルカンタラが投げたマーリンズを相手に6回、被安打4、失点1で勝利投手に。フィリーズはブルペンがパーフェクト・リレーを見せ、2-1の渋いスコアでマーリンズを下しています。
このような良い投球を見せた投手が多い中、とりわけ度肝を抜いた投手がいます。それがパイレーツのルイス・オルティズ(Luis Ortiz )。ルイス・オルティズはこの日がメジャー・デビュー戦だったのですが、強烈はインパクトを残しました。
ルイス・オルティズ、100mph以上を6球
そのルイス・オルティズはレッズとのダブルヘッダーのGame2で登板。
ちょっとお手並み拝見と言わんばかりにレッズの初回の攻撃は、その球筋を見ることからスタート。おそらくすぐに「真っすぐ一本で!」という方針は固まった模様でしたが、いかんせん、ボールが速すぎて大苦戦。結局、レッズの初回の攻撃はたった9球で終わりました。
そして初めて出した100mphは、ドノバン・ソラーノに投げた2球目で、100.4mphをマーク。
これは、パイレーツの先発投手としては、ゲリット・コール以来の100mph超えということになりそうです。
アキーノにはスライダーのみ!
さらに良かったのがアリスティディス・アキーノへの投球。2回裏、先頭のアリスティディス・アキーノに対し、ルイス・オルティズは初回とは一転、変化球で攻めます。
なんと3球連続スライダーで3球三振を奪ったのでした。
この辺は捕手のジェイソン・ディレーのリードも良かったと思います。
ファストボールで押すだけでなく、きちんとスライダーも投げきったところがまた良かったですね。
ルイス・オルティズはこの日、6回途中、2アウトを奪ったところで降板。球数は83球でしたが、5回裏に2連続四球、6回裏にも先頭打者に四球を与えるなどやや疲れも見られました。被安打1、スコアレス、BB3、SO5という素晴らしいデビュー戦となったのでした。
しかし、残念なことにパイレーツ打線もレッズのオープナーに翻弄され、ルイス・オルティズ降板までに得点を奪えていなかったがゆえ、勝ち星はつきませんでした。パイレーツは7回表に、ケビン・ニューマンのタイムリーで1得点。これが決勝点となりました。
オルティズ降板後はパイレーツのブルペンも頑張り、スコアレス・リレーを達成しています。
デビュー戦にも関わらず、ルイス・オルティズは終始落ち着いた投球でした。
ルイス・オルティズとは?
ルイス・オルティズは1999年1月27日生まれの23才(現地2022年9月13日時点)。
2018年10月に19才でパイレーツとサイン。ドミニカ共和国の投手のサイン年齢としてはどちらかといえば遅い方です。サイニング・ボーナスはなんとたったの$25K(2万5千ドル)。サイン時は全く期待されていなかったことはこの事実からもうかがえます。
パイレーツは2018-19年のインターナショナル・マーケットで積極的に動き、17人に6桁(10万ドル以上)のサイニング・ボーナスを渡しましたが、現時点でクラブ内のトップ30に入っているのは、28位のロドルフォ・ノラスコ(Rodolfo Nolasco)のみ。オルティズはシンデレラ・ボーイ的な存在です。
そしてプロ選手としてのオルティズのスタートは2019年にルーキーリーグで始まりました。結果は2勝2敗、ERA 4.09とまるで目立ちませんでした。
コロナ・シャットダウンで実力を蓄える
そんな中、ルイス・オルティズは、2020年のマイナー・キャセル時にしっかりとチューンナップ。この時の調整が今の球速アップにつながったようです。
2021年は、クラスAで2勝2敗、ERA 3.09。
2022年のスプリング・トレーニングのブルペンでルイス・オルティズは99mphのファストボールを投げ、一躍首脳陣の関心を得ます。
シーズン開始後はダブルAからのスタート。114.1イニングを投げ、5勝9敗、ERA 4.64。トリプルAにも昇格し、2試合の登板を経てメジャーに上がってきました。
mid-90がベターな結果を生むことが多い
デビュー戦でその怪物ぶりを発揮したルイス・オルティズ。アベレージは99mphを記録しました。
しかし、マイナーではMid-90mph程度に抑えて投げた方が良い結果が出ることが多かったようです。球種は4シームとスライダーのみ。チェンジアップも投げるようですが、まだしっくり来ていないのか、自信のあるのはその2つのようです。
コントロールが課題とも言われていましたが、それほど悪いわけではありません。今季、もっとも多く投げたダブルAでのBB9は2.7でした。
パイレーツは、今季、SSのオニール・クルーズがデビューし、その規格外の力にファンを驚かせましたが、今度は投手で相当馬力のあるルイス・オルティズを上にあげてきました。
スケールの大きい選手のデビューが続き、パイレーツが羨ましい限りです。
ルイス・オルティズは複数います!
なお、同姓同名の選手が現役では少なくともジャイアンツに1人、しかも投手でおります。スペルも同じです。また、過去のプレーヤーにも同姓同名の選手がおりますので、お知らせしておきます。今のところ、パイレーツのルイス・オルティズは2022年がデビューですので、メジャーに何年いるかで見分けることは出来ます。
お読みいただき、ありがとうございました。
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