カイル・ブラデッシュ、6回2アウトまでパーフェクト!
オリオールズのカイル・ブラディッシュ(Kyle Bradish)がやりましたね!
Kyle Bradish, 97mph ⛽️ pic.twitter.com/gt8YnNklF7
— Rob Friedman (@PitchingNinja) September 22, 2022
現地2022年9月22日、地元カムデン・ヤーズで強豪アストロズを迎えての先発となったカイル・ブラディッシュは、伸びのあるファストボールと縦のスライダーとドロンとしたカーブを駆使してアストロズ打線を圧倒。
6回2アウトまでパーフェクト投球を見せました。パーフェクトが途切れたのはマウリシオ・デュボンへの投球でしたが、ボールゾーンへのスライダーをLFへ運ばれたので、打った方がおかしいというくらいの投球。失投ではありません。
惜しくも大記録が途切れたブラディッシュでしたが、その後の投球も素晴らしく、結局、9回2アウトまでマウンドに立ち続け、圧巻の投球を披露しました。
ブラディッシュ、9回2アウトで降板
この日のアストロズ打線はホセ・アルトゥーベが前日のゲームで左肘に死球を受け、欠場。検査の結果、骨には異常がなかったので痛みと腫れが引けばすぐにでも復帰できそうです。
MLB有数のリードオフを欠いていたアストロズ打線ですが、中軸にはヨルダン・アルバレス、アレックス・ブレグマン、カイル・タッカー、そしてトレイ・マンシーニがおり、やはり強力なラインナップです。そう言えば、マンシーニは里帰り戦でしたね。
縦のスライダーとシンカーが素晴らしく
初回からリズムがよかったカイル・ブラデッシュ。ファストボールに非常に伸びがありました。ファストボールは4シームより、シンカーの方が多め。これがよく動いていたので、さすがのアストロズ打線も特に右打者にとってはこれが邪魔になりました。
この日、ブラディッシュがフィニッシュに持ってきていたのが縦のスライダー。これがあったので、シンカーが邪魔だったのです。そして、縦のスライダーのフィニッシュを基本に、捕手のアドレー・ラッチマンがときに裏をかいてシンカーで勝負したりとリード自体も素晴らしくとても興味深いピッチングでした。
2回裏の攻撃で、オリオールズ打線が3本のシングルを集め、2点を先制しました。その直後の3回表には3者連続三振に仕留め、これで完全に流れを呼び込んだ感じです。
この3三振は7球、5球、5球といずれの打者にも奥深いところまでカウントが進んだ上での三振だったので、ラッチマンがよく練っていたなと思いましたし、ブラディッシュのボールのキレも素晴らしかったです。
中盤以降、アストロズ打線は縦のスライダーを嫌がったのか、早い勝負が目立ち、これがまたブラディッシュの投球を助けました。5回を終えて投球数は60。かなりのいいペースだったのですが、マウリシオ・デュボンにパーフェクトを断ち切られてしまいました。
結局、ブラディッシュは、9回2アウトを奪い、ジェレミー・ペーニャにこの日2本目のシングルを打たれたところで交代。
球数は初回からカウントして13 + 13 + 17 + 10 + 7 + 8 + 10 + 10 + 12でちょうど100球。被安打2、スコアレス、0BB、10SOという素晴らしい結果となりました。
バーランダーを向こうに回しての快投
そして、この日のブラディッシュの投球に価値があったのはアストロズの先発がジャスティン・バーランダーであったこと。
ふくらはぎからの怪我から復帰してこの日が2戦目で前回登板では、5回、79球を投げてノーヒット投球を成し遂げました。
ということはブラディッシュは可能な限り先制されないことがこの日の大きなポイントだったのですが、見事にそれをクリアーしました。
バーランダーは6回を投げて被安打6、失点2、0BB、4SOという内容でした。
ゲームの方は2-0でオリオールズがアストロズにシャットアウト勝利。
カイル・ブラディッシュとは
カイル・ブラディッシュは1996年9月12日生まれの26才(になったばかり)。2018年ドラフトのエンゼルスの4巡目指名でプロ入りした投手です。
D・バンディーとのトレードでBALへ
エンゼルスがどのタイミングで出したのかというと、2019年12月、ディラン・バンディーを獲得したトレードで出したのでした。
このトレードではカイル・ブラディッシュを含め以下の4名がエンゼルスからオリオールズ動いております。
- アイザック・マットソン(Isaac Mattson) : 24才/RHP / 2017-Rd 19
- ザック・ピーク(Zach Peek): 21才/RHP /2019-Rd 6
- カイル・ブラディッシュ(Kyle Bradish) 23才/RHP/ 2018-Rd 4
- カイル・ブルノヴィッチ(Kyle Brnovich) 22才/RHP/ 2019-Rd 8
ちなみにディラン・バンディーはエンゼルスでは短縮シーズンの2020年こそ、6勝3敗と活躍しましたが、2021年は2勝9敗と苦戦。しかも、聖域を汚していて、”ディラン・バンディー x ヤンキー・スタジアム”というのは、もっとも検索してはいけないキーワードとなりました。夏場のデーゲームで熱中症のような症状となったバンディーは、マウンド後方で豪快にリバース。本当に豪快に。それがバンディーの2021年の1番の記憶です。顔は紅潮し、危ない状態だったかもしれませんが、それ以上に筆者にはまだこのシーンがトラウマとして残っております。
ちなみにこのトレードを決めたのは前GMのビリー・エプラー氏です。大谷選手を獲得した人。
カイル・ブラディッシュですが、2021年はダブルAスタートでトリプルAへ。ダブルAでは3試合のみの登板でしたが、13.2イニングで26奪三振でSO9が17.1。トリプルAでは10.9。
そして2022年もダブルAスタートでトリプルAへ。4月29日にはデビューを果たしました。
メジャーではこのゲームを入れて、21試合、110.1 イニングで4勝7敗、ERA 4.65、103 SOです。
オリオールズは春先から変化のきざしはあったのですが、如実に変化が現れたのがやはりラッチマンのデビュー以降。よって、ブラディッシュは苦しい時にデビューしたので、負け越してはおりますが、直近7登板では3勝3敗でERAは2.05です。
以上、カイル・ブラディッシュの素晴らしい投球についてでした。
なお、試合消化が進む中、この日、レッドソックスが正式にポストシーズンのエリミネーション(敗退)が決まりました。オリオールズはエリミネーションまであと1です。負けられないゲームが続きます。粘れるか?!
お読みいただき、ありがとうございました。
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