ワールドシリーズ2019 Game2
現地2019年10月23日、ワールドシリーズ Game2は終盤に意外な展開となりました!前日に敗れたアストロズはジャスティン・バーランダーで1勝目を狙います。一方、ナショナルズはスティーブン・ストラスバーグが先発。これは負けられない日でもあります。
スターティング・ラインナップ
打率はGame1終了時点での数字です。1試合分なので極端ですが、まだ1本出していないのは誰か?マルチを放ったのは誰か?というのはわかると思います。
Nationals | Astros |
1.ターナー-SS-(R)-.250 2.イートン-RF-(L)-.500★ 3. レンドン-3B-(R)-.000 4.ソト-LF-(L)-.750★ 5. ケンドリック-DH-(R)-.000 6. A・カブレラ-2B-(S)-.250 7. ジマーマン-1B-(R)-.250 8. スズキ-C-(R)-.000 9.ロブレス-CF-(R)-.250 P.ストラスバーグ-ERA 0.00 | 1. スプリンガー-CF-.667 2. アルトゥーベ-2B-.200 3. ブラントリー-LF-★-.250 4. ブレグマン-3B-.000 5. グリエル-1B-.400 6.アルバレス-DH-★-.667 7.コレア-SS-.200 8. チリノス-C-.000 9. レディック-RF-.000 P. コール-ERA 0.00 |
ナショナルズは投手以外は前日と変更なし。一方のアストロズはGame1で2安打を放ったアルバレスを6番に上げ、コレアを入れ替え。捕手はロビンソン・チリノスを起用しました。
(サマリー)WSH 12, HOU 3
バーランダーとストラスバーグというMLBファン垂涎の顔合わせとなったこのゲームですが、立ち上がりは両投手ともに揃って失点。経験値の高い2人でもやはり堅さというものを感じました。しかし、以降はそれぞれランナーを背負うものの持ち味を発揮し、流れを渡さない意地の投球を披露。
均衡をやぶったのはナショナルズ。7回表、ストラスバーグの女房役、カート・スズキがバーランダーからソロHRを放って勝ち越しに成功。バーランダーは次打者のロブレスに四球を与えたところで降板。アストロズは2番手のライアン・プレスリーがあと1歩踏みとどまれればというところで大量失点。ナショナルズが7回表に6得点を上げたところでゲームが決まりました。
その後もナショナルズはマイケル・A・テイラーのHRなどで加点。終わってみれば12-3の大差がついたゲームとなりました。
ゲームのポイント
初回の攻防
ナショナルズ
1回表、ナショナルズは先頭のトレイ・ターナーがストレートの四球で出塁。この辺がバーランダーであっても堅さを感じたところです。つづくアダム・イートンにはLF前ヒットを許し、ノーアウト1・2塁でアンソニー・レンドンを迎えます。レンドンは初球のファストボールを大胆に空振り。これでチリノスは騙されたのではないか?と思います。2球目のスライダーを見送り、ファストボール狙いと見せかけたところで、3球目のチェンジアップを強振。これがLF直撃の2塁打となり、ターナーとイートンが生還し、ナショナルズが2−0と先制。2ストライクを追い込みながら甘かったのも確かです。
バーランダーはその後、ソト、ケンドリック、アズドルバル・カブレラを3人で仕留めたので悔しい立ち上がりとなりました。
アストロズ
1回裏、ストラスバーグは当たっているジョージ・スプリンガーを三振に仕留め、上々のスタートを切るも、2番のアルトゥーベにカウント2−2からカーブに対応され、これがLFフェンス直撃の2塁打に。
アルトゥーベはつづくマイケル・ブラントリーの初球に意表をついて3盗を試みるも左バッターでファストボールの時に走ったのが無謀でした。1アウト。つづくマイケル・ブラントリーにCF前シングルが出たので、余計にもったいなかったです。そしてバッターは4番のブレグマン。打ちそうな雰囲気はなかったのですが、2−2からチェンジアップが甘めに入ったところをLFスタンドに放り込み、2ランHRでアストロズが初回に2−2のタイに持ち込んだのでした。
アストロズ、3回と6回のチャンスを活かせず
3回裏、アストロズは2アウトからエラーとシングルで1・3塁のチャンスを作るもアレックス・ブレグマンがSSゴロに倒れ無得点。初球でなくてもよかったのではないかと思いました。
6回裏、アストロズは1アウトからグリエルが2塁打で出塁。つづくヨルダン・アルバレスは敬遠四球をもらい1・2塁のチャンスが訪れたものの、つづくカルロス・コレアがフルカウントまで持ち込んだものの、チェンジアップで2Bポップフライに仕留められて2アウト。チリノスの代打に送られたカイル・タッカーがよく粘ったのですが、最後はカーブを見送り三振。ストラスバーグに軍配が上がりました。
ナショナルズが7回表に一気に6得点
7回表、マウンドはまだバーランダー。先頭はカート・スズキ。スズキは2球目のファストボールを迷いなくフルスイング。これがLFスタンドに運ぶ値千金の勝ち越しソロHRとなりナショナルズが3−2と勝ち越しに成功。ベンチでのセレブレーションもなかなかのものでした。
7回の攻撃のログを記しておきたいと思います。
- スズキ:ソロHR(スコア:3−2)
- ロブレス:四球
- 投手交代:R・プレスリー
- ターナー:四球、ノーアウト1・2塁
- イートン:犠牲バント→1アウト2・3塁
- レンドン:CFフライ 2アウト2・3塁
- ソト:敬遠四球 2アウト満塁
- ケンドリック:三遊間へ内野安打で1点を追加(スコア:4−2)
- カブレラ:CF前クリーンヒット、ターナーとソトが生還(スコア: 6-2) 2アウト1・2塁
- ジマーマン: ワイルピッチで2・3塁へ進塁。3塁前内野安打とブレグマンの悪送球でケンドリックとカブレラが生還(スコア:8-2)。ジマーマンは二塁へ
- 投手交代:ジョシュ・ジェームス
- スズキ:SSゴロでチェンジ
ナショナルズの追加点
ナショナルズは8回表、1アウトからアダム・イートンがRFスタンドへソロHRを放ち、10-2に。また2アウト後に四球とヒットでランナーを貯めたあと、アズドルバル・カブレラがヘクター・ロンドンの代わりばなをたたき、CF前シングルでもう1点。11−2とします。
また9回表には8回の守備からロブレスに代わってゲームインしたマイケル・A・テイラーが5番手のクリス・デベンスキーからソロHRを放ち、12−2に。
ナショナルズは9回裏、ポストシーズン初登板のハビー・ゲラがマウンドに上がり、マーティン・マルドナードに一発を浴び、その後もランナーを背負いましたが、1失点のみで切り抜け、12-3で勝利。シリーズ2連勝で地元DCに向かいます。
選手トピック
バーランダーとストラスバーグ
この日の2人の投球結果です。似たような成績になりました。
IP | 球数 | H | R | BB | SO | HR | |
ストラスバーグ | 6.0 | 114 | 7 | 2 | 1 | 7 | 1 |
バーランダー | 6.0 | 107 | 7 | 4 | 3 | 6 | 1 |
2−2のスコアがどこまで続くのかわからなかったのが7回表が始まった時の状況。バーランダーは6回終了で98球でしたから判断の難しいところでした。100球前後となってカート・スズキとの勝負を任せたというのはデータ運用がどうだったのか、ここはコーチ陣で議論していると思います。
カート・スズキはJ・バーランダー・キラー!
見事な勝ち越しHRを放ったカート・スズキ(36才)ですが、実はバーランダーが大好物です。
彼のここまでの13年のキャリアの中で、40打席(PA)以上対戦している投手は6人いるのですが、その中でもっとも高い打率を誇っている対戦相手がジャスティン・バーランダー。43打席で42打数14安打、2 ダブル、0 HRで打率が.333。もう引退している投手もいるのがすごいです。
【カート・スズキの対戦相手】
Pitchers | PA | AB | H | HR | RBI | Av. |
J・ウィーバー | 62 | 57 | 16 | 1 | 6 | .281 |
J・バルガス | 49 | 46 | 10 | 1 | 3 | .217 |
F・ヘルナンデス | 48 | 44 | 12 | 1 | 6 | .273 |
CC・サバシア | 47 | 41 | 11 | 4 | 10 | .268 |
J・バーランダー | 43 | 42 | 14 | 0 | 5 | .333 |
J・ラッキー | 43 | 41 | 8 | 1 | 4 | .195 |
トレイ・ターナーが非常に元気
ナショナルズの攻撃に勢いを与えているのは間違いなくリードオフのトレイ・ターナー。NLCSでは打率.294、OBP.333とそれなりの数字を残してはいたものの、今ひとつ目立ちませんでしたが、このワールドシリーズでは2戦を終えて、打率は.250ながらOBPが.400。四球もすでに2つ取っています。
2戦連続で第一打席で出塁しているのがナショナルズを強気にさせるいいトリガーになっていると思います。
アズドルバル・カブレラが活躍
ハウィー・ケンドリックをDHで起用できることにより、名手アズドルバル・カブレラが2戦とも2Bに入りましたが、見ていて守備は本当に安心感があります。Game2では大胆な位置で見事なキャッチを披露。
打ってはこの2戦で9打数3安打、3打点。いい味を出しています。
ブルペンを試す機会が出来たナショナルズ
ストラスバーグが6回までを2失点で凌ぎ、そのまま2−2のスコアなら7回裏のピッチャーの選択は難しいところでしたが、打線が7回表にビッグイニングを作ったおかげで、ダニエル・ハドソンとショーン・ドゥーリトルを休ませることができました。
7回裏のマウンドに上ったのはフェルナンド・ロドニー。ロドニーはいきなり四球を出したものの、そのあとは後続を抑えて無失点。8回裏は前日に堅さが出たタナー・レイニー。この日は平常心で三者凡退。そして9回裏は、ハビー・ゲラを試すことができました。被安打2、失点1、被本塁打1でしたのでこの日のように点数が開いていれば使えそうですね。
ナッツ2連勝のインパクトは?
Game3
舞台をDCに移して行われるGame3は現地25日の8:07プレーボールです。先発はアストロズがザック・グレインキ、ナショナルズがアニバル・サンチェス。
Game4のナッツの先発は誰か?
アニバルがGame3で投げれば、中4日でGame7で起用できます。その場合、Game5はシャーザー、Game6はストラスバーグで決まるのですが、Game4をどうするか? ここでGame2での大勝の意味が大きく、パトリック・コービンをGame2のリリーフで使わなかったので、Game4の先発で使えるシチュエーションとなりました。
ナショナルズ、面白すぎます。
お読みいただき、ありがとうございました。
コメント
ナショナルズGame2に出た
カブレラ、パーラー、ロドニー、ゲラは、
今季他球団をDFAされた選手。
Game3アストロズ先発が右のグレインキーという事もあって、
ケンドリックベンチでカブレラスタメンセカンド。
開幕直前エンゼルス解雇されたハドソンもいるし、
MLB版再生工場ですね。
ケン様
いつもありがとうございます。
>MLB版再生工場ですね。
おっしゃるとおりです。
本人が追い込まれてしまって結果が出ている要素もあるとは言え、
やはりそれまで結果が出なかったことをWSHでなんらかの修正はしているでしょうから
驚くばかりですね。
コメントありがとうございました。