ベテラン2Bが輝く!
現地2022年6月20日、”South Side”と銘打ったシティー・コネクト・ジャージで臨んだホワイトソックスはブルージェイズを迎えての3ゲームシリーズ初戦です。
このゲームは序盤に8-2とリードしたホワイトソックスが中盤以降、ブルージェイズに激しく追い上げられ、地元ファンはハラハラドキドキする展開。
そういったゲーム展開をより面白くしたのがベテラン2Bのジョシュ・ハリソンでした。
— Chicago White Sox (@whitesox) June 21, 2022
卓越した2つの好プレー
まずはジョシュ・ハリソンの好プレーを見ていただきましょう。
ダイブ&スロー
1つめは中盤5回表に出たプレー。ホワイトソックスが6-2とリードした展開で、3回裏に2得点、4回裏にも1得点を上げ、得点直後ゆえに失点を抑えて流れをもぎ取りたいタイミングで出たプレーでした。
ブルージェイズの先頭は、8番Cのガブリエル・モレーノ。ホワイトソックス先発のランス・リンの初球を見事に捉えた当たりはCF前クリーン・ヒットというコース。先頭打者はどうしても出したくないシチュエーションでしたが、そこでジョシュ・ハリソンが34才という年齢をまったく感じさせない伸びるダイビング見せてキャッチ。そして起き上がりざま両膝をついたまま1Bへきれいな送球。肩の強さを感じさせる見事な送球でした。バッター・ランナーがCだったということもあり、1塁は余裕でアウト。いいプレーでしたね。
SSの位置からビューティフル・スロー
2つ目は9回表の守備。ジョー・ケリーが1アウト後、キャバン・ビジオにRFへ2ランHRを打たれ、8-7と1点差に迫られた直後に出たプレーです。
バッターはジョージ・スプリンガーで、ジョシュ・ハリソンは予めSSへシフトを敷いていました。打球はそのハリソンの左をつく、ほぼSS真正面のゴロ。これを2Bのハリソンが逆シングルでキャッチ。体が流れながらも姿勢を保って、1Bへ見事なスローを披露。ジョージ・スプリンガーをアウトに。
HR直後でランナーを出すとブルージェイズが押せ押せになる場面でしたので、このプレーも大きかったです。
Josh Harrison coming in CLUTCH! #ChangeTheGame x @harrahsjoliet pic.twitter.com/3V6pM1Jhxt
— Chicago White Sox (@whitesox) June 21, 2022
この2つのプレーを見て思うことは、まだまだ肩は健在どころか、2Bではトップ・クラスを維持しているということ。強肩過ぎて怖いくらいです。
2回に2ランHR
この日9番2Bで入ったジョシュ・ハリソン。このゲームが始まる前まではAvが.208、OBPも.283と苦戦しています。かつては(2014年ですが)、打率.315、OBP .347、SLG .490を誇ったのですが・・・。
しかし、この日はベテランらしく、要所でHRが放ちました。2回表のブルージェイズの攻撃で、ランス・リンはジェイク・バーガーのエラーで出したランナーを置いてライメル・タピアに2ランHRを浴び、嫌な2失点を喫していました。
直後の2回裏、先頭はそのエラーをしたジェイク・バーガーでシングルで出塁。その後、リース・マグワイア、アダム・エンゲルと倒れ、2アウトとなってジョシュ・ハリソン。誰も期待していないと言ったら失礼ですが、1番のティム・アンダーソンにつないでくれればという状況で、ハリソンはホセ・ベリオスの甘いカーブを完璧に捉え、左中間に今季初HR!
これが2ランHRとなり、2失点をキャセルするほどの効果のあるHRでした。
ゲームの方ですが、両クラブ併せて5本のHRが出たゲームで、ホワイトソックスがブルージェイズ先発のホセ・ベリオスと2番手のデービッド・フェルペスからHRとタイムリーで5回までに8点を上げたのが効きました。
ブルージェイズは6回表にランス・リンからランナーを貯めて、テオスカー・ヘルナンデスのタイムリー・ダブルなどで3点を奪い、なおかつ効率的な2ランHR2本で7点を奪うも一歩及ばずでした。
やはり6回表にランス・リンからバトンをもらったレイナルド・ロペスが内野ゴロの間に1点を与えたものの(自責点ではない)、計2イニングをしっかりと抑え、ゲームを落ち着かせたことがポイントだったと思います。
もっとも、ジョー・ケリーがまた危ない投球をして1点差まで迫られたのですが・・・。
結果は8-7でホワイトソックスが勝利。
勝ったり負けたりが続くホワイトソックス。これで32勝33敗で借金は1に減りました。とにかくまずは勝率.500をクリアーしてから、ガーディアンズ、ツインズを追い上げたいところですね。素材の宝庫なのですが、粘りがないのが痛いところです。それを立て直すために呼ばれたのがオールド・スクールのラルーサです。これからが勝負ですね。
追記:連夜の活躍
ジョシュ・ハリソンですが、現地2022年6月21日のゲームでも素晴らしい活躍を見せました。
ディラン・シーズ、ケビン・ゴーズマンの先発で始まったこのゲームはやはり後半がポイントでした。両先発はしっかりとゲームメイク。ゴーズマンは6回を投げ、被安打7ながらも失点2で抑え、終盤の味方打線にうまくバトンタッチ。さらに良かったのがディラン・シーズ。6回を投げ、1ヒッター、スコアレス、11SOの快投。
2-0でホワイトソックスがリードして7回に入ったのですが、7回表にジミー・ランバートがアレハンドロ・カークにソロHRを浴び、2-1と1点差に。8回表はデービス・マーティンが乱調で犠牲バントで1アウトを奪っただけで3失点とシーズの勝ちをキャンセルしてしまいました。
ブルージェイズが2点をリードして迎えた9回裏。先頭のジョシュ・ハリソンが四球で出塁するも、ダニー・メンディックがダブルプレーに倒れ、2アウト。これで終わりかと思ったのですが、ここから粘りを見せました。ブルージェイズのクローザーのロマーノの出来も確かによくなかったというのもあるのですが、ティム・アンダーソンにストレートの四球。そしてアンドリュー・ボーンとルイス・ロバートで2点を返し、土壇場で4-4のタイスコアに持ち込みます。サヨナラのチャンスもポロックの当たりは正面でアンラッキーでした。
10回、オートマチック・ランナーがつく延長戦。まずはブルージェイズが1点を勝ち越し。その裏、ホワイトソックスはジョシュ・ハリソンが1アウトからシングルで出塁。これが生きて、ダニー・メンディックのタイムリーにつながり、5-5のタイスコアに。
11回表、ブルージェイズは再び1点を勝ち越し、6-5。その裏、ホワイトソックスは送りバントでランナーを3塁に進め、ルイス・ロバートが犠牲フライを放ち、またしても6-6のタイスコアに。ヒットレスで1点を奪いました。
12回表、前のイニングから登板していたビンス・ベラスケスが打者3人で抑え、ようやく流れを掴むと、その裏、2アウト1、2塁でジョシュ・ハリソンに打席が回ってきました。2ストライクと追い込まれながらも、スライダーを叩き、これがCF前のクリーンヒットに。これで2塁ランナーのアダム・エンゲルがホームインし、ホワイトソックスが7-6のスコアでサヨナラ勝ち。
ティム・アンダーソンが今ひとつチームを引っ張りきれない中、ベテランのジョシュ・ハリソンが2日続けて素晴らし仕事を見せてくれました。まだまだムラッ気の多いホワイトソックス。この日も”Fire TONY”というラルーサ、辞めろのチャントが響きましたが、いえいえ、まだまだ頑固親父のような存在がこのチームには必要です。
それにしてもジョシュ・ハリソン、いい活躍でしたね!
お読みいただき、ありがとうございました。
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