名手ホセ・イグレシアスがBAL攻撃陣を牽引
現地2020年1月7日にボルチモア・オリオールズと契約合意となったホセ・イグレシアス(José Iglesias)。
守備の安定化と若手への生きた手本として獲得された経緯はあるものの、メジャー9年目、30才のシーズンでどうやらついに打撃でも一線を超える何かを掴んだようです。
2019年のオリオールズのフィールディング
とにかく、「投壊」してしまった2019年のオリオールズですが、実はフィールディングもよくなかったです。前年のルール5ドラフトでアスレチックスから獲得したリッチー・マーティンがSSとして主に出場。DHも含め117試合に出場、このうち89試合に先発しましたが、フィールディング%は.971。
SSは難しい当たりも多いので、必ずしもフィールディング%が1.000に近づくことはありませんが、やはり頼りないと言わざるを得ませんでした。しかも、打率が.280、OBPが.260で打てなかったことも致命的でした。
お手本でしかも打撃陣を牽引
そのような状況だったので、オリオールズにとってはホセ・イグレシアスはどうしても必要な存在でした。主に守備に期待していた向きが強かったものの、打撃でもチームを牽引しています。
ナッツ戦で4−4
ホセ・イグレシアスは現地2020年8月7日、ナショナルズ・パークで行われたナショナルズ戦に、3番SSとして出場。
- LFへタイムリー・ダブル(1打点)
- LF前シングル
- CF前タイムリー・シングル(1打点)
- RF前シングル
- CF犠牲フライ(1打点)
4打数4安打、3打点とこの日爆発したオリオールズ打線の火付け役となりました。
ゲーム展開
このゲームは今季まだ本調子ではないナショナルズ先発のアニバル・サンチェス(タイガース時代の同僚)の立ち上がりをオリオールズが激しく叩き、序盤2イニングで5長短打を浴びせ3得点。
その後も毎回アニバル・サンチェスからヒットを放ち、ついに6回表にノックアウト。アニバル・サンチェスは5.1イニングで被安打10、失点5、与四球3、奪三振4という内容で、今季2敗目(0勝2敗)。
その後もオリオールズはナショナルズの投手陣を攻め、19安打11得点、スコア11-0で快勝しました。
オリオールズ先発のトミー・ミローンは6イニングで被安打3のスコアレス投球を披露。流れをしっかりとキープしました。
打率.455、OPS 1.124
ホセ・イグレシアスですが、現地2020年8月7日のゲームが終わった時点で、チームが13試合を消化する中、10試合に出場。33打数15安打、打率.455、OBP .457、SLG.667、OPS1.124。HRは0ですが、RBIは7を記録。二塁打は7本。
2019シーズンに打率.288、OBP .318、SLG .407、HR 11、RBI 59を計上し、出場試合数(146)、RUN(62)、HR(11)、RBI(59)でそれぞれキャリアハイを達成していましたが、今季も%型の指標ではキャリアハイを達成するかもしれません。
レッズ時代のジョーイ・ボットが打撃の師匠
2019年にレッズに所属していたホセ・イグレシアス。上記の通り、その年に打撃でキャリア・ハイとなる数字を残した訳ですが、その要因はどうやらレッズのスラッガー、ジョーイ・ボットとの交流にあったようです。
ジョーイ・ボットは2010年NL MVP、オールスター6度出場、ゴールドグラブ1度受賞、通算のアベレージが.306、HR 287、RBI 951(現地2020年8月7日時点)を上げている大スターですね。
名SSと一流のスラッガーで相通じるものがあったのでしょう。しかもボットは1Bですので、ホセ・イグレシアスの両前腕部から放たれる魔法のようなグラブさばきと素早い送球を受けてきた仲でもあります。
せっかくのお金が取れるレベルの高い守備力も、打撃が悪くては出場機会も減ることから、打撃に関してジョーイ・ボットからも何らかの示唆を得ていたのでしょう。事実、2019年からホセ・イグレシアスの打撃が変わったのですから。
ボットと「誰が60試合で最多安打を放つか」
2人の交流は今も続いており、この60試合のシーズンの中でいったい誰がもっとも多くヒットを放つか?ということで賭けをしているようです。もっとも変な意味での賭けではなく、遊びの部類です。
2人の交流が続く限り、ホセ・イグレシアスの打撃の進化は止まらないかもしれませんね。
そしてホセ・イグレシアスが打撃でも活躍するということは、あの素晴らしい守備を見る機会が今後も増えるということになるので、これからも打撃に期待したいところです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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