ESPN記者J・パッサン氏の第三案
J.D.マルチネスを抱えることになったレッドソックスですが、現地2019年11月6日、ESPNのジェフ・パッサン氏から第三案とも言うべき面白い案が出てきましたのでご紹介したいと思います。
ボガーツをレバレッジに
この記事は下記のリンクの”The Red Sox are doing what?“の小見出しの要旨をまとめて書いています。
レッドソックスの2020サラリー
まずレッドソックスの2020年のサラリーの概要が必要ですので、こちらはJ.D.マルチネスのオプトアウトせずという記事に書いた情報と同じものですが、貼り付けさせていただきます。現地2019年11月5日までの情報です。
D・プライス J.D. マルチネス N・イオバルディ D・ペドロイア C・セール X・ボガーツ C・バスケス 40manとマイナー ボーナス等(ベネフィット) | $31M $22M $17M $13.75M $25.6M $20M $4.5M $2.25M $15M |
ここまでの合計 | $151.1 |
2020 贅沢税基準額 | $208 |
残り金額 | $56.8 |
ムーキーの2020調停金額
2019年冬が最後の調停イヤーとなるムーキー・ベッツのおおよその金額が出ています。
- ムーキーの2020年の調停によるサラリーは$30M近く
ここまで上がるかどうかわかりませんが、かりに上がったとして上の表の金額にムーキーの$30Mが加わるわけです。そうすると、残り21.1M。
ボガーツを売りにして
そこで、パッサン氏が下記のような案を提示してくれています。これはあくまで机上の案で、話が進んでいるワケではありません。可能性としては議題に上がるとは思いますが、実現可能性としてはまだ不明ということを前提にお読みください。
- SSのボガーツを先頭にして、プライスとイオバルディ、そして彼ら2人の残り金額$147Mを包括してトレードに出すというもの。
すごい案ですね。それによって贅沢税の金額をセーブしつつ、ベッツも確保し、プロスペクトも得るというものです。
現状で3投手だけでM(実払い)
現状ではセール、プライス、イオバルディだけで約$80M。上記の表はあくまで年平均で記した贅沢税用の2020年の年俸額なのでちょっと安くなっています。
ディールを考える上では実払いの金額で話が進みますので、2020年の彼らの実払い金額を出してみると、セールが30M、プライスが32M、イオバルディが17M。ヘルシーさも担保されない中、これはないだろうという考えです。
それができるならそうしたいとは思いますね。
パッサン氏が言うには一つの方法としてSSでボガーツが欲しいというクラブにパッケージでプライスとイオバルディをつけるというプラン。なおかつ、投手2人の残り金額も持つからという交渉。
【3人の2020以降の金額】
Name | 2020以降の契約 |
ボガーツ | 6 years/$120M (2020-25), plus 2026 option (相手に払ってもらう) |
プライス イオバルディ – | 20-22:$32M/年=$96M 17-22: $17M/年=$51M 計141M |
エイドリアン・ゴンザレス方式
これはかつてエイドリアン・ゴンザレスをドジャースにトレードした時と同じようなやり方であるともパッサン氏は言っています。Ver.2.0だと。
そのトレードは2012年8月25日に行われました。
レッドソックスからドジャースにはエイドリアン・ゴンザレス(Adrián González)、ジョシュ・ベケット( Josh Beckett)、カール・クロフォード(Carl Crawford)、ニック・プント( Nick Punto)らと金銭が。
ドジャースからレッドソックスにはPTBLN(players to be named later:後日指名)とイバン・デヘスス( Ivan De Jesus)、ジェームズ・ロニー( James Loney)、アレン・ウェブスター(Allen Webster)が動きました。そして後日指名の選手としてルビー・デラローサ(Rubby De La Rosa :October 4, 2012) とジェリー・サンズ( Jerry Sands :October 4, 2012) がレッドソックスに動いたのでした。
やり方としてはこのパターンが有効ではないかということですね。
贅沢税をどこまで減らせるか?
仮に3人をトレードに出せたとして、ボガーツの分は相手側にまるまる抱えてもらえるでしょう。その場合、マイナス$20M。
ところが、プライスとイオバルディの残額をレッドソックスが持ったとしたら、贅沢税に反映されるのはレッドソックスなのでは?とも思います(要研究です。すみません。)。
なぜなら贅沢税はあくまで年平均で単価は出ますし、それにどちらの贅沢税に反映されるかは実質支払っている方の帳簿ではないか?と思うからです。たとえば、トロイ・トゥロウィツキーのサラリーは今でもブルージェイズに反映されています。レッドソックスファンから忌み嫌われているパブロ・サンドバルもレッドソックスがDFAにしてジャイアンツに移籍したとあとも、彼のサラリーはレッドソックスの贅沢税に反映されていました。よって、残りの支払いを持ったとしてもどこまで贅沢税を軽減できるか、その効果はいささか疑問でもあります。
受け入れ先があるかどうか
おもしろい案だと思いますが、こういう時にプライスもイオバルディも怪我の状態がよくなって非常に活躍したりするんですよね。とくにイオバルディは2020年は良くなるのではないかと思っています。
そういうジンクスは一旦置いておいて、ボガーツクラスのSSが欲しいクラブは大いにあるでしょう。ただ、あったとしても受けいれる度量のあるクラブが果たしてあるかどうか。
案外、ディディ・グレゴリアスの後釜を探しているクラブがあったりして!という笑えない落ちが待っているかもしれませんね。あくまで推測です。そこも贅沢税が大変ですから、ないとは思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
コメント
贅沢税も分割ではないのですか?
サンドバルはDFAだったからSFが55万ドルくらいしか払わないで済んだだけで
プライスはBOS1000万ドル、移籍先2200万ドルみたいな
コメントありがとうございます。
どこまで反映されるのかは確認しています。