大観衆のシティ・フィールド
現地2021年6月26日、フィリーズ@メッツ戦はシティ・フィールドで29,205名の大観衆で埋まりました。ニューヨーク州がシティ・フィールドにフルキャパシティーを許可したのは現地6月21日(月)のブレーブス戦から。この時は平日月曜日の夕方から始まるダブル・ヘッダーということもあり、2試合を通じて約1.8万人の観衆でした。
前日、25日(金)から始まったフィリーズ戦は4ゲームシリーズですが、初日の25日のみはダブルヘッダー。金曜ということもあり、2試合を通じて29,012名を集めましたが、週末のこのゲームでは今季最高の入り具合となりました。
レベルの高い好ゲーム!
迎えたGame3は、メッツはジェイコブ・デグロムが登板。もう打たれるイメージさえ持たせない最高のピッチングを披露し続けていますが、この日は少しだけほころびがありました。
フィリーズ先発はザック・エフリン。センターからのカメラのシルエットでは、筆者の大好きなビンス・ベラスケスとよく似ていますが、エフリンの方がやや横に大きいシルエットかと思います。
デグロム、初回から100mphを連発
ジェイコブ・デグロムはこの日も初回から素晴らしいボールを投げ込んでいました。初回は打者3人で1奪三振。リードオフのオデュバル・ヘレイラと2番のリース・ホスキンスにかけて計5球を投じたのですが、いずれも100mphを突破。リース・ホスキンスに対しては無慈悲の4球連続100mph。
ニック・メイトンがデグロムからタイムリー
しかし、先制はフィリーズ。2回表、アンドリュー・マッカッチェンが91.3mphのスライダーを叩き、CF前にラインドライブのヒットで出塁。
マッカッチェンはすかさず、2盗に成功。この日のフィリーズの攻めの走塁は非常に見応えがありました。
ルーク・ウィリアムスが三振で倒れた後、今季デビューの内野手、ニック・メイトン(Nick Maton)が、デグロムの99.8mphの4シームをRF前にランドライブのシングル。これでマッカッチェンが2塁からホームインし、フィリーズが1点を先制。
ニック・メイトンとは
ニック・メイトンは24才の右投げ左打ちの内野手。2017ドラフトのフィリーズの7巡目指名の選手です。デビューは今季4月19日。
ルーク・ウィリアムスが昇格したと同時に一旦は打撃不振でトリプルAにディモート(降格)。しかし、ジーン・セグラが16日に鼠径部を傷めてIL入り。その穴埋めとしての昇格でもありました。
デグロムの連続無失点は31イニング
これにより、ジェイコブ・デグロムの連続無失点記録は31イニングでストップ。こちらはメッツのフランチャイズ史上3番めの記録です。
なお1位は誰かというと、R.A. ディッキー。2012年に20勝6敗、ERA 2.73でサイ・ヤング賞を獲得したR.A. ディッキーはこのシーズン、32.2イニング連続無失点を達成していました。2位は1973年にジェリー・クーズマン(Jerry Koosman)が達成した31.2イニングです。
メッツは2回裏にホセ・ペラーザのタイムリー二塁打で1点を奪い、スコアは1-1。
フィリーズ、2得点目は犠牲フライで奪う
ジェイコブ・デグロム、ザック・エフリンともに2失点目を許さない投球をしていたのですが、均衡を破ったのはフィリーズでした。
6回表、フィリーズはオデュバル・ヘレイラの二塁打をきっかけに、リース・ホスキンスが四球、ブライス・ハーパーが死球でノーアウト満塁の大チャンスを迎えます。
ここでJ.T.リアルミュートがセンターへフライを放つも、3塁ランナーのヘレイラが自重。ここは突っ込んでもよかったとは思いました。
その後、アンドリュー・マッカッチェンもCFへライナーを放ち、これで行けると判断したヘレイラがホームへヘッドスライディング。フィリーズが欲しかった2点目を奪いました。
ケビン・ピラーが同点HR
デグロム、エフリンともに6回で降板。デグロムは被安打3、失点2、BB 1、奪三振5という投球。エフリンは被安打5で失点1,BB1、奪三振4。
デグロムのERAはまだ0.69です。
フィリーズは7回裏から左腕のレンジャー・スアレスが登板。1アウトを奪ったものの、ケビン・ピラーに右中間にソロHRを押し込まれ、2-2の同点に。
エドウィン・ディアスが乱調
9回表、メッツのマウンドにはエドウィン・ディアス。しかし、ディアスは乱調でした。先頭のアンドリュー・マッカッチェンに死球。もったいなかったですね。
そして、このゲームでマッカッチェンがすごかったのは、この後、すかさず2盗を決めたこと。これでエドウィン・ディアスはさらに投げにくくなりました。さらに、ルーク・ウィリアムスの時にワイルド・ピッチマッカッチェンは3塁に進塁。結局、ルーク・ウィリアムスにも四球。
ニック・メイトンの時にルーク・ウィリアムスも二盗を決め、ノーアウト、ランナー2、3塁に。
ニック・メイトンは、LFへ犠牲フライを放ち、これでマッカッチェンが生還。フィリーズが素晴らしい形で勝ち越し点を奪ったのでした。
なお、この後、ルーク・ウィリアムスが3塁へ盗塁を試みたのですが、タイミングはセーフだったものの、ちょうどベースタッチするところに3Bのルイス・ギローム(Luis Guillorme)の足が入り、ブロックする形になってベースタッチできず。アウトとなりました。これは惜しいプレーでした。
フィリーズは1点の勝ち越し止まり。
メッツがサヨナラ
逃げ切りたかったフィリーズは9回裏にヘクター・ネリスを起用。その初球、代打で出場のトラビス・ブランケンホーンを1Bゴロに仕留めましたが、これが難しい当たりで、リース・ホスキンスがファンブル。1塁がセーフとなり、先頭打者が出塁してしまいます。
ピッチャーのところでビリー・マッキニーが代打に。ネリスもフルカウントまで粘りますが、最後はスプリットが外れ、四球となり、ノーアウトランナー1、2塁に。
この次の打者でアウトを1つ取りたかったのですが、バッターはHRを放っているケビン・ピラー。もう押せ押せで、三遊間にボテボテのゴロを放ち、これがオールセーフに。SSのロナルド・トレイエイズがよく外野に転がさなかったと思います。
そして続く、ルイス・ギロームには2ストライクと追い込みながらも、3球連続ボールとなり、まずは押出で3-3の同点に。
つづくフランシスコ・リンドーアはなんとか三振に打ち取り、1アウトを取るも、続くマイケル・コンフォートにCFへ犠牲フライを打たれ、万事休す。
メッツが4-3のスコアでサヨナラ勝利をおさめたのでした。
フィリーズまだ波に乗れず
フィリーズはホセ・アルバラードをニュー・クローザーに指名したところでしたが、25日(金)のダブルヘッダーのGame1でセーブ機会に失敗していたため、この日起用を躊躇しました。フィリーズもなかなかちぐはぐなところが勝率5割を上回れない壁となっています。
しかし、足を絡めた攻撃など、非常にレベルの高い攻撃を見せていたのは、今後に期待できるポイントです。
ドンブロウスキ社長がトレードデッドライン前にどう動くか。なにかリリーバーと若手のトレードなどを考えていそうですね。
メッツは40勝
一方のメッツはこれで40勝。ナ・リーグ東は星の潰し合いで2位のナショナルズが勝率5割ちょうどで、メッツのみが40勝32敗と勝ち越し。
ただ、他の地区はたとえばナ・リーグ西ではジャイアンツがすでに50勝に到達。ナ・リーグ東の勝利数が上がって来ない状況です。
お読みいただき、ありがとうございました。
コメント