そろそろ開幕から50試合に到達
現地2022年5月28日、5月も残すところあと3日。各クラブともそろそろ50試合を迎えようかという時期でもあります。現時点で最速の消化はアスレチックスで49試合。天候不順に見舞われることが多かったガーディアンズが最も消化が悪く、42試合となっていて、ほとんどのクラブがだいたい45から48試合を消化というところであります。
JDがバッティング・チャンプを爆走中
この時期に記しておきたいのが、高打率について。
現在、両リーグを通じて最も打率の高いのが、なんとレッドソックスのJ.D.マルチネスです。J.D.マルチネスと言えば2017年に45HR、2018年に43HRを放ち、HRバッターのイメージが強い選手ですが、今季はうってかわって打率ことバッティング・チャンプを爆走中です!
J.D.マルチネスは開幕から44試合目となった現地2022年5月26日には打率.380をマーク。この記事を記載している現地2022年5月28日終了時点の打率は少し落ちはしましたが、それでも.376。レッドソックスは28日はオリオールズとのダブルヘッダーが組まれていましたが、J.D.マルチネスはGame1のみに出場していました。
打率.376はダントツの1位で、2位はツインズのルイス・アラエス(1B)の.359。この2人の数字は両リーグを通じてNO.1&2の数字です。
5月の打率は.432(現地2022年5月28日時点)
レッドソックスは4月は打線がまったく機能しておらず、デバースとボガーツにおんぶに抱っこという状態でした。彼ら以外の打者が相当苦戦していたことと彼ら2人が相当目立っていたこともあり、J.D.マルチネスの存在は割と地味なものでした。しかし、4月においてもヒットレスの試合は2試合しかなく、開幕から地に足をつけて調子を上げて行ったというところでした。
そして5月に入り、トレバー・ストーリーの存在感が大きく増す中、それに伴い、J.D.マルチネスの安打数も大きく注目されるようになりました。
現地2022年5月28日終了時点でJ.D.マルチネスの5月のヒットレスの試合は1試合のみ。4月20日から5月17日まで18試合連続安打を達成。5月だけで41安打を放ち、打率.432、OBP .486、SLG .653、OPS 1.139、HR4、RBI 14という数字を上げています。
角度を捨てた!?
今季、J.D.マルチネスのHRはここまで5本。そう、今季はボールが上がっていないのです。いや、あえて上げていないのかもわかりません。
J.D.マルチネスと言えば、フライボール革命の先陣を切っていたような選手で、バットを内側から鋭く出し、ボールの内側を角度をつけて叩くというスタイルでした。
もともと右にも強い打球を打つ選手でそこは変わっていないのですが、今季は振り上げる作業をやっていないのでは?と筆者は思います。
下記は今季の打ち上げ角度(Launch Angle)のヒストグラムで、横軸が角度、縦軸がその打球の数と思ってください。そして濃い赤はよりハードヒットの割合が強かった角度と数です。棒1本の幅が5度の範囲で、横軸の真ん中にある0度から右に75度というふうに角度が上がるというグラフです。
これを見ると、2022年はLaunch Angleが10〜15度の間の棒が一番背が高いことがわかります。ざっと見ても25度以下の角度が多いのがわかります。
下記は45HRを放った2017年のヒストグラムです。25度以上の角度で上げたボールがいかに多いかがわかります。
この比較から言えることは今季は事実として角度がついていないことが明白です。
ただ、ヒントとして昨年の大谷選手のNHKの特集で、HRを量産するのにスイングを振り上げる軌道に変えたというのがありました。そしてそれを実現するのに体を作り直したと。ということは振り上げるスイングは体力を使うということですね。
2022年8月21日の誕生日で35才を迎えるJ.D.マルチネスは年齢から考えると、少なくとも今は角度よりコンタクトを優先しているのではないか?と推測します。結構、腰を傷めたりすることもあります。また、そのうちボールも上がってくると考えているのか?むしろ、角度を捨てているのか?そこはわかりません。
J.D.マルチネスに関してはレッドソックスの戦績次第でオールスター後に動きがあるかもわかりません。
いずれにせよ、今季のJ.D.マルチネスの新鮮なスタイルを見るのを楽しみにしたいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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