怪物のデビュー2戦目
現地2022年4月16日、レッズのトッププロスペクト右腕のハンター・グリーンが登板。またしても卓越したパフォーマンスを披露しました。
ハンター・グリーンとは
ハンター・グリーンは、1999年8月6日生まれの22才(現地2022年4月16日時点)。カリフォルニアのロサンゼルス・ネイティブ。ノートルダム高校(カリフォルニア州シャーマンオークス)の出身で、2017年のレッズの1巡目指名(全体2位)の右腕。
ドラフト翌年の2018年にはフューチャー・ゲームにも登板。102mpをマークし、大きな注目を集めました。
しかし、フューチャー・ゲーム登板後の2018年7月26日のマイナーのゲームで肘痛を発症。しばらくは様子を見ていたのですが、翌年の現地2019年4月1日にトミージョン手術を実施することを決定。2019年は全休することとなりました。
翌2020シーズンはマイナー・リーグがキャンセルに。復帰までゆっくり見積もって、1年半かかることから復帰時期が2020シーズン終了のタイミングになることも相まって、2020年も全休。
復帰を遂げたのは2021シーズンからでした。ダブルAからスタートし、7試合、41.0イニングを投げて、敵なしの5勝0敗、ERA 1.98をマーク。SO9は13.2、BB9は3.1。
2021年6月17日からシーズン終盤の9月17日まではトリプルAで登板。14スタート、65.1イニングで5勝8敗、ERA 4.13、SO9が10.9、BB9が3.4でした。肘の調子を見ながらもフルシーズンを過ごしたことは大きな一歩に。
2022年のスプリングトレーニングでは、4試合中、3試合に先発。9イニングを投げて、被安打13、自責点7、奪三振11、与四球3、ERA 7.00ながらも、レッズのローテーション・スポットの5番目をゲット。今季、メジャー・デビューを果たしました。
デビュー戦ではブレーブスを相手に勝利
そして、現地2022年4月10日についにメジャー・デビュー。対戦相手は前年のワールドシリーズ・チャンプのブレーブスで、しかも相手投手はポストシーズンでも大活躍したイアン・アンダーソン。
非常にハードルの高いデビュー戦となったものの、3回に味方打線が5得点を奪い、援護。ハンター・グリーン自身も厳しいイニングがあったものの、5イニングを被安打4、失点3、与四球2、奪三振1でまとめ、ゲームメイク。
ゲームも6-3で勝利し、見事にデビュー戦で初勝利を上げたのでした。
100mph超えを連発
このデビュー戦でハンター・グリーンは100mph超えを連発。5回まで92球を投げたうち、なんと100mph超えは20球を数えたのでした。ベロシティーで言えば、デグロムの背中も見えた状態です。
【 4/10 ATL戦のイニング別100mh投球数】
- 3球/ 13球中
- 1/ 17
- 4/ 15
- 6 / 25
- 6 / 22
Most 100.0+ mph pitches as SP, single game since 2008 (pitch-tracking era, incl PS):
— Sarah Langs (@SlangsOnSports) April 10, 2022
6/5/21 deGrom: 33
8/19/15 Eovaldi: 28
5/31/21 deGrom: 27
10/3/14 Ventura: 26
6/15/16 Syndergaard: 24
6/6/16 Paxton: 24
4/18/16 Syndergaard: 21
**TODAY Greene: 20**
7/3/21 Alcántara: 20
ドジャース戦ではさらにヒートアップ
そして迎えた現地2022年4月16日のデビュー2戦目となるドジャース戦では、前回の投球内容をベロシティーの上では上回ることに。2戦続けて、非常に強いクラブとの対戦になりましたが、良いものを残しました。
1試合での100mph超えの投球数はデグロム超え
この日のハンター・グリーンは前回のデビュー戦をさらに超える投球を披露。6回途中まで、全78球中、なんとその半分の39球が100mph超え!
Hunter Greene bringing the heat to Freddie Freeman 🔥 pic.twitter.com/AIedgjFFdw
— Baseball Bros (@BaseballBros) April 17, 2022
【4/16、LAD戦でのイニング別100mph超えの投球数】
- 7球 / 10球中
- 7/ 13
- 6/ 15
- 7/ 10
- 11/ 16
- 1/ 14
これは1試合で投げた100mph超えの投球数でジェイコブ・デグロムを超えました。
Most 100.0+ mph pitches in game, pitch-tracking era (since 2008):
— Sarah Langs (@SlangsOnSports) April 17, 2022
**Tonight Hunter Greene: 39**
6/5/21 Jacob deGrom: 33
5/19/19 Jordan Hicks: 29
8/19/15 Nathan Eovaldi: 28
5/31/21 deGrom: 27
THIRTY NINE!!!!!
若い頃のネイサン・イオバルディも入っていますね
1試合のアベレージmphではやはりデグロム
ただし、1試合の平均mphで行けば、まだデグロムが出したマイルストーンには追いつけていません。ハンター・グリーンは6番目。これはStatcastで計測し始めてからのランクで、リリーバーが入らないように、最低でも50球以上投球したゲームでのランクです。
投手 | ゲーム日 | ファストボール数 | MPH |
---|---|---|---|
ジェイコブ・デグロム | June 5, 2021 | 44 | 100.4 |
ジェイコブ・デグロム | May 31, 2021 | 47 | 100.1 |
ジェイコブ・デグロム | June 26, 2021 | 37 | 99.8 |
ノア・シンダーガード | June 15, 2016 | 34 | 99.7 |
ネイサン・イオバルディ | Aug. 19, 2015 | 58 | 99.7 |
ハンター・グリーン | April 10, 2022 | 56 | 99.7 |
トレイ・ターナーが3-2!
ただし、このゲームはハンター・グリーンが5回までドジャース打線を無失点に凌いでいたものの、6回裏にトレイ・ターナーに2ランHRを浴びて、2アウトまで奪ったところで降板。その後は、バック・ファーマーが追加で2失点を許し、このイニングは計4失点。
レッズは9回表に2点を返すも、ドジャースが5-2のスコアで勝利しました。
さすがにすごいなと唸ってしまったのがドジャースのリードオフを務めるトレイ・ターナー(SS)です。
1回裏の第1打席では、初球の100.1mphを無理なくCF方向へシングルヒット。これはシフトを敷いていたので、2Bのブランドン・ドゥルーリーが追いつき、1塁へ送球して内野安打のような形になりましたが、CF前のヒットの打球コースでしたね。
3回裏の第2打席では、ファストボールは厳し目のコースに、80mph後半のスライダーをゾーンにという戦略で三振。これは致し方ありませんね。
しかし、6回裏に先制点となった2ランHRは、98.9mphのファストボールをしっかり捉えました。先制点が欲しい場面で、ノーアウトから出たランナーを生かして2打点を上げたその勝負強さにうなりました。強いボールを投げるハンター・グリーンから3打数2安打!
このゲームでは敗れましたが、ますます楽しみな投球を見せてくれそうです。
コントロールもよく、球数も少ない投球が期待出来るので、ますます進化しそうです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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