ガーディアンズで即優勝
現地2022年9月25日、クリーブランド・ガーディアンズがグローブライフ・フィールドで行われたレンジャーズ戦にスティーブン・クワンのグランドスラムなどで10-4で勝利。
これでシーズン通算成績を86勝67敗とし、2位ホワイトソックスがタイガースに4-1で敗れたこともあり、ア・リーグ・セントラルの地区優勝を決めました。おめでとうございます!
ガーディアンズがポストシーズンに進むのは、2020年の短縮シーズンでワイルドカード・シリーズに参加して以来、2年ぶりのこととなります。そして地区優勝は2018年以来のことに。さらにガーディアンズはここ7年で4度の地区優勝達成となります。
名称変更初年度でV
数10年に渡って繰り広げられてきたクラブのニックネーム論争は、複数の裁判を経てついに名称変更へ。ネイティブ・アメリカンの方々にとっては、あまりにも実態と違う偏見が助長され続けたというのが大きなポイントでもありました。特に肌の色はかなりセンシティブなものでもありました。
インディアンス、名称変更を検討!NFLのレッドスキンズも。ブレーブスはそのままキープの意向(追記あり)
そして2022年からガーディアンズに名称変更。今まで以上にクリーブランドに寄り添うクラブとして誕生しました。
レッドスキンズはコマンダーズへ
ちなみにクラブ名がセンシティブな肌の色をそのままであったNFLのレッドスキンズも、2022年からワシントン・コマンダーズ(Washington Commanders)として生まれ変わることになりました。
ブレーブスはお咎めなし
なお、ブレーブスは特に変更はありません。
ブレーブスもかつてはアウト中のアウトでした。ハンク・アーロン(=ヘンリー・アーロン:1954-1976)のキャリアの中盤以降から、80年代後半にかけての話です。
チームロゴはモヒカンで戦闘力が高そうな強烈なキャラクターでしたし、球場の名物としてチーフ・ノック・ア・ホマ(Chief Noc-A-Homa)というキャラクターがおりました。彼はバックネット裏にテントを立てて住んでいて、試合中に時折出てくるというパフォーマンスを演じていました。人気もあったんです。
そんなブレーブスにお咎めがないのは(これはあくまで筆者の推測であることを断っておきます)、まずクラブのニックネームにNGワードが入っていないこと。そしてトマホークのデザインは今でも健在ではありますが、モヒカン・ロゴとチーフ・ノック・ア・ホマは1986年で終了。1987年以降は偏見を助長する要素をほとんど排除していることがその理由ではないかと思います。
8月にツインズと明暗が分かれる
名称変更の初年度、ガーディアンズは不安いっぱいの船出で、せっかくの心機一転もかなり苦戦することが予想されました。
というのもオフシーズンの目立った補強はほとんどなし。
オープニング・デーの贅沢税上の40manロスターのサラリーは$90M強で、MLB27位。確かにホセ・ラミレスとシェーン・ビーバーはいるけれども、大丈夫か?という有様でした。
ただ、開幕前にホセ・ラミレスをキープした動きは本人のモチベーションも上げ、効果を出したと思います。
いざシーズンが開幕すると、ガーディアンズは勝率5割近辺をキープ。4月と5月は苦戦しましたが、それでも9勝12敗、12勝12敗と借金はたったの3。6月に18勝10敗で貯金生活。7月は13勝15敗と負け越したものの、6月の貯金が効いてそれを吸収し、結果、月末には白星3の貯金がある状態でした。
TDLでも大きく動かず
色々と噂が出たトレードデッドラインでしたが、ガーディアンズは結局、ほとんど動きませんでした。需要はあったと思いますが、おそらくトレードのバランスが悪かったと思われ、大きなディールの成立はありませんでした。
ただ、やったことはあって、それがトレードデッドライン後の8月11日にフランミル・レイエスをDFAにしたことです。
これにより打線に繋がりが出来たのも事実です。そして空いたDHをうまく活用。活躍している選手の肉体への負担を減らすために使ったりととにかく運用が素晴らしかったです。さすがフランコーナ監督ですね。
そして4月24日以降、首位を走っていたツインズはトレードデッドラインで積極的に動き、オリオールズのクローザーであったホルヘ・ロペスを獲得して、逃げ切りを試みましたが、8月以降はむしろ失速。ここで差がつきました。
ルーキーの起用は総勢16人
そしてヤング・ガーディアンズと言われる通り、今季のガーディアンズはなんとルーキーを総勢16人も起用しました。この中で現地2022年9月25日にも40manロスターに入っているのが、10人。半分以上を戦力にしているということです。これは強いですね。
中でもスティーブン・クワン、オスカー・ゴンザレスのOFの2人の活躍は素晴らしいですね。スティーブン・クワンは現地2022年9月25日終了時点で、139試合に出場。打率は.298まで上がりました。そしてあの小さい体でHRは6です。
オスカー・ゴンザレスは82試合に出場。打率は.289、HRは11。
安定した投手陣
また、2010年以降安定した投手力を誇っているガーディアンズは今季も安定。ローテーション3人が二桁勝利です。
- シェーン・ビーバー:12勝8敗、189.0 IP/ ERA 2.81
- トリストン・マッケンジー:11勝11敗、180.1 IP/ ERA 3.04
- カル・クアントリル: 14勝5敗、175.1 IP/ ERA 3.49
何より、クローザーのエマニュエル・クラセが39セーブと大活躍。最後に彼がいるという安心感は非常に大きいです。
そして夏以降に戻ってきたジェームス・カリンチャックがさらに輪をかけてゲーム後半の試合運びを楽にしてくれました。
よく打った内野陣!
ガーディアンズと言えば、ホセ・ラミレスですが、そのほかの内野の面々もよく打ちました。
- 3B: ホセ・ラミレス:打率.273、OBP .351、SLG 510、HR 28、RBI 117
- 2B: アンドレス・ヒメネス: 打率.303、OBP .375、SLG 482、HR 17、RBI 68
- SSのアーメッド・ロザリオ: 打率.280、OBP .312、SLG .407、HR 11、RBI 69
アンドレス・ヒメネスとアーメッド・ロザリオがここまで打つとは!と驚きもしました。
チームのHR数は122本で、MLBワースト2位の少なさですが、安打数1326はALで4位。打率.253もALで4位です。盗塁112はAL2位とスモールベースボールを実践。長打力をカバーする数字も出しています。これはスティーブン・クワンの活躍も大いにあります。
ガーディアンズ、地区優勝おめでとうございます!
お読みいただき、ありがとうございました。
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