両チーム、延長をしのぎ合い
現地2022年8月9日のヤンキース@マリナーズ戦は素晴らしいゲームとなりました。まさに「グレート・ゲーム」。
すごかった点は延長戦が13回も続いたこと。2020年以来、延長戦はオートマティック・ランナーが2塁についてイニングがスタートすることになっているので、やはり得点は入りやすいです。それを両チームともに、表裏を併せて7回の機会を無失点で切り抜けたのですから、すごいの一言です。
Club | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
NYY | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
SEA | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1X |
ルイス・カスティーヨ、8回スコアレス
このトレード・デッドラインでレッズからマリナーズへ移籍することになったルイス・カスティーヨ。マリナーズでのデビュー戦は、現地2022年8月3日、ブロンクスで行われたヤンキース戦。このときは6.2イニングで被安打5、失点3、奪三振8、被本塁打1という内容。スコアは7-3でマリナーズが勝利し、デビュー戦が初勝利を飾りました。
そして、この日はT-Molibe・パークでのデビュー戦になりましたが、まさにド迫力投球。コントロール、球威、チェンジアップともに最高の出来でした。もう、映像だけでとんでもないレベルの投手であることがわかるすごい投球でしたね。
ルイス・カスティーヨはこれぞ先発という仕事を披露。2回から7回までほぼ3人ずつの投球。4回表に先頭のジャッジにシングルを打たれたものの、ジョシュ・ドナルドソンをダブルプレーに取り、3人で終了。7回表は先頭のジャッジに四球を出すも、グレイバー・トーレスの打線でジャッジが盗塁死し、実質3人で攻撃を終了させました。さすがにジャッジを警戒しましたが、素晴らしいリズム。
ルイス・カスティーヨは8回を投げきり、110球。被安打がたったの3、スコアレス、BB2、SO7という投球でした。
ジャッジに対してはLFライナー、シングル、四球で長打を封じました。
ゲリット・コールも好投
たまにホームラン・ダービーになってしまうゲリット・コールですが、この日はルイス・カスティーヨに負けじと素晴らしい投球。7回を投げきり、109球。被安打4、スコアレス、BB0、SO8という内容でした。
先発2人がとんでもないゲームメイクを披露したことでゲームのクオリティーが格段に上がりましたね。
リリーバーも好投
その後です。誰か捕まりそうなものですが、両チームともにブルペンも素晴らしかったです。
アンドレ・ムニョスが3者連続三振
ゲリット・コールの後を受けたアロルディス・チャップマンは8回を被安打1に抑え、スコアレス。SOは0。今季は調子が悪かったのですが、サム・ハガーティーのシングル1本のみでした。
9回表を任されたマリナーズのアンドレ・ムニョスはルメイヒュー、ジャッジ、ベニンテンディを3者連続三振に。
9回裏、ヤンキースのマウンドはクレイ・ホームズでマリナーズは先頭のアダム・フレイジャーが死球で出塁しましたが、つづくタイ・フランスがダブルプレー、つづくミッチ・ハニガーも凡退し、サヨナラならず。
ともに凌いだオートマティック・ランナー
延長戦になり、オートマティック・ランナーが2塁についてスタートしましたが、ともしのぎ合いました。
10回表、ヤンキースはアンドリュー・ベニンテンディが2Bランナーにつき、スタート。マリナーズのマウンドにはポール・セワルド。先頭のドナルドソンに死球を与え、ノーアウト1、2塁のピンチを迎えますが、ベニンテンディが3盗に失敗し、1アウト。グレイバー・トーレス、ミゲル・アンドゥハーも凡退し、絶好の先制の機会を逃しました。
10回裏、マリナーズはスコット・エフロスに対し、三者凡退でこちらも好機を逃します。
11回表、マリナーズのマウンドはマシュー・フェスタ。先頭のアーロン・ヒックスはやや甘めのボールを捉えましたがこれが2Bライナーに。これに2Bランナーのミゲル・アンドゥハーが戻りきれず、ダブルプレー。痛い走塁でした。ただ、2Bランナーはこれは出てしまうと思います。自分よりも左に打球が転がると3塁へゴーですから、ライナー・ケアと言われても状況が状況だけに気持ちはホームへ向かいます。2B正面のライナーは本当に難しいと思います。
つづく、ホセ・トレビーノはRFライナー。これはサム・ハガーティーのファイン・プレーでしたね。
11回裏、ワンディー・ペラルタに対し、マリナーズは送りバントを敢行。サム・ハガーティーは敬遠。1アウト、ランナー1、3塁のチャンスでしたが、カルロス・サンタナは1-2-3のダブルプレーで得点ならず。犠牲フライを狙っていたところをうまくタイミングを外されましたね。バッテリーの勝利。
マット・ブラッシュ、剛球でねじ伏せる
本来はら先発に回ってもいいマット・ブラッシュはブルペンに入っています。マリナーズは先発ローテが豊富なので。
12回表、先頭のアイザイア・カイナー=ファレファはPゴロ。2Bランナーのホセ・トリビーノがこれで3塁を狙うも、2、3塁間で挟まれアウト。セオリー通り、カイナー=ファレファは次の塁を狙いに行ったのですが、トリビーノがすぐにアウトになったため、2Bに到達出来ず。これでダブルプレーになり、チャンスが消えました。これは2Bランナーが罰金ものですが、しかしこうなりがち。少しでも前への気持ちが悪い結果になったケースでした。マット・ブラッシュはつづくルメイヒューにはボール先行となるも最後は99.2mphの剛速球で三振に打ち取りました。
12回裏、ルー・トリビーノがマウンドに。マリナーズは先頭のフレイジャーがポップフライで1アウト。つづくタイ・フランスがPゴロに。これが送りバントのような形になり、2アウト3塁となります。ハニガー、ジェイク・ラムが連続四球で2アウト満塁の状況になりましたが、ルー・トリビーノはつづくエウヘニオ・スアレスを三振に取り、ピンチを脱しました。2球で追い込んだのが大きかったですね。すごい度胸です。
13回表もマット・ブラッシュ。先頭のジャッジは申告敬遠。つづくベニンテンディは見逃し三振で1アウト。マーウィン・ゴンザレスには四球を出し、1アウト満塁の絶対絶命のピンチを迎えます。
しかし、マット・ブラッシュはグレイバー・トーレスを三振に仕留め2アウト。ここを乗り切るにはバットに当てられたくない状況でした。2アウト目を目論見通りに三振に斬って取ったのはすごかったですね。最後はスライダーで仕留めました。
ミゲル・アンドゥハーはSSゴロ。
13回裏、マウンドにはジョナサン・ロアイシガ。マリナーズは先頭のカル・ラレーがRF前シングルを放ち、ノーアウト1、3塁。つづくJ.P.クロフォードはPゴロ。これは1塁でアウトに。1アウト2、3塁の状況に。
ここでサム・ハガーティーは申告敬遠で、1アウト満塁に。つづくバッターはルイス・トーレンス。2球で追い込まれましたが、3球目のシンカーが甘かったです。これをしぶとくRF前に弾き返し、スアレスが生還。マリナーズが凌いで凌いで1−0でサヨナラ勝利を収めました。
ヤンキースはゲリット・コール以降、5人のリレーで被安打1、BB3、SO2。最後、7番手のロアイシガが被安打2、BB1。
マリナーズのブルペンはさらにすごいです。ムニョス、セワルド、フェスタがパーフェクト投球。マット・ブラッシュがBBを2つ出しただけ。ムニョス以降、5イニングをノーヒットノーランです。しかもセワルド、フェスタ、ブラッシュはオートマティック・ランナーがついてこの投球ですから。称賛しかありませんね。
シアトル・パドレッズ!?
マリナーズはずっとおとなしいイメージがありましたが、今季は移籍組が大いに機能。パドレスから移籍のタイ・フランス、アダム・フレイジャー(その前はパイレーツ)、アンドレ・ムニョス。レッズから移籍のジェシー・ウィンカー、エウヘニオ・スアレス、そしてルイス・カスティーヨ。彼らがいい血となってチームを活性化したように思います。
その意味で、ジェリー・ディポトはいい仕事をしたということになりますね。
素晴らしいゲームでした。
お読みいただき、ありがとうございました。
コメント