フアン・ソトの移籍の噂その2
現地2022年5月31日、ナショナルズのベースボール・オペレーション社長兼GMのマイク・リッゾは、同日朝のラジオインタビューで、フアン・ソトの将来について語りました。
ナショナルズは2019年にワールドシリーズ・チャンプに輝いて以降、2020年、2021年と2年連続で最下位。2022シーズンにおいても現地2022年5月31日終了時点で18勝33敗とナ・リーグ東地区の最下位です。
このラジオ出演でのマイク・リッゾの発言が注目されたのは、クラブのリビルドに着手するのに、大物選手であるフアン・ソトがこのトレードデッドラインで動くのではないか?しきりに憶測が飛んでいるからです。
リッゾはソトを長期でキープしたい
マイク・リッゾはThe Sports Junkies on 106.7 The Fanというラジオ番組に出演。
We are not trading Juan Soto. We made it clear to his agent and to the player.”
「ナショナルズはソトをトレードするつもりはないことをエージェントと本人に明確に伝えた」と。
ソトはオフに巨額オファーを拒絶
現時点で23才のフアン・ソトは2024年シーズン終了後にFA資格となります。
リッゾはこのラジオでロックアウト前にソト側が巨額オファーを辞退したことをこのラジオであらためて追認。
ラジオの発言からすれば、リッゾとしてはなんとしてでもソトを長期でキープしたい意向であることは間違いないようです。
ソトの将来に影響を与えるオーナーの状況
フアン・ソトの今後に関して、本人以外の要素として大きな影響を与えそうなのが、ナショナルズのオーナーの状況。
クラブがモントリオール・エクスポスからワシントン・ナショナルズに変更となったのは2005年のシーズンから。そして不動産デベロッパーのテッド・ラーナー氏が正式にナショナルズを持つことになったのは2006年7月から。
よって、クラブスタートからラーナー氏への譲渡まで約1年半のタイム・ラグがありました。エクスポスは終盤にゴタゴタがあり、2002年からExpos Baseball LPというMLBが仲裁に入った子会社が運営していました。よって、ラーナー氏への譲渡まではExpos Baseball LPがオーナーという形。
その現オーナーのラーナー家は、2022年の年初にフランチャイズの一部または全部を購入する潜在的投資家を見つけるための会社と契約を結んでいます。平たく言えば、ナショナルズの売却先を探しているというのが今のオーナーシップの状況。
この状況から考えると、ナショナルズがソトを長期でキープ出来るのか?というとちょっと疑問が残ります。よって、オーナーシップが変わることが、吉と出るのか凶と出るのかはわかりませんが、メッツのような資金潤沢なオーナーに売却されるようなら、ソトの生涯ナショナルズということもあるでしょう。
ナショナルズのオーナーが変更となった場合、エージェントのスコット・ボラスを含めたソト側がクラブをどう判断するのか?にも依ってきます。いずれにせよ、クラブの譲渡はソトの将来に大きな影響を与えそうです。
TDLでは動かない
リッゾの発言では、ナショナルズは成績が悪いからと言って、フアン・ソトをトレードに出すつもりはない、そこは明確なように思います。
ただし、トレードを否定したとは言え、いつのトレードのこと?というのが明確ではありません。今夏のトレード・デッドラインに限っての話か、ソトのFAまでの期間の話か。もしそうなら、2022年、2023年オフをトレード無しで乗り越え、あと1.5シーズンは支配下です。
抜本的な解決策はソトを長期でキープすることですが、それが実現出来ていない現状では、トレードの否定の確約は、せいぜいこの7月のトレード・デッドラインまでのことのように筆者は察しております。
GMとしてソト側に長期契約をしたいという意思と誠意を提示して、目下努力中というのは間違いないようです。
スロー・スタートでもやはりソトが信頼出来る理由
現地2022年5月31日時点で、フアン・ソトの2022シーズンの成績は51試合で打率.232、9HR、16RBIで、本来の力からすればかなり不調です。
ただ、フアン・ソトがヒッターとして信頼できる点は、このような不調の時であってもBB(四球)はMLB最多の42。これはもうダントツで、2位のマックス・マンシーの34を大きく引き離しています。
このBBの多さにより、OBP(出塁率)は.379と高い数字を誇っています。これは現時点ではMLB17位で相対比較としてはトップ・ランクではありませんが、ヒットが出ない時であってもコツコツとやれることをやっているという点で、やはりヒッターとして相当信頼できる選手と言えるのではないでしょうか。NPBで言えば、松井秀喜選手や掛布選手がそのようなスタイルで、不調の時でもボール球には手を出さないことを心がけ、四球による出塁でチームに貢献しつつ、調子を上げて行きました。
フアン・ソトは、短縮となった2020シーズンに打率.351、OPS 1.185でシルバースラッガー賞を受賞。試合数が少なかったこともありますが、このシーズンのOBPは驚異の.490!さらに、2021シーズンにおいてもOBPは.465をマーク。BBは145でいずれもメジャートップでした。
ジャイアンツやドジャースとのゲームの時は、ソトの回りに相手クラブの選手が集まり、談笑するケースが多いです。これもソトの将来の大きなヒントになるでしょうか?
お読みいただき、ありがとうございました。
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