ジャイアンツをめぐる2つのディール
107勝のシーズンとなった2021年と違い、2022年のジャイアンツはあと一歩で勝利を逃すケースが多く、現地2022年7月23日時点で48勝46敗となんとか5割をキープできている状態。ライバルのドジャースとは15.5ゲーム差とかなり差をつけられ、もう1つのライバルのパドレスにも5.0ゲーム差をつけられています。
まだまだ結論が出ている訳ではありませんが、ワイルドカード枠からも外れました。ただ、ワイルドカードは連勝すればまたすぐにでも復帰できるというポジショニングでもあります。
バスター・ポージーもいなくなった今季はある程度の苦戦は予想されたので、大崩することなく、現有戦力でかなり踏ん張っているという見方もできそうです。
リリーバーで苦戦
ポージー・ロスはもう致し方ないとして、予想外に計算を狂わせたのはリリーバー陣です。
現地2022年7月23日時点でのシーズン通算のリリーバーのERAは4.23でこれはMLBで22位というランク。ちなみにスターターのERAは3.48でMLB5位の好成績でもあります。スターターはカルロス・ロドンを補強した効果が出ています。
そして同じく現地2022年7月23日時点で8イニング目のERAが5.74とここが苦しいところです。クローザーで剛球投手のカミロ・ドバルが12SV、ERA 2.95と良いので、セットアップが問題なのは明白なところ。
そのブルペン補強でジャイアンツはFAのトレバー・ローゼンタールとサインしました。
トレバー・ローゼンタールとの契約
ジャイアンツとトレバー・ローゼンタールは現地2022年7月22日に以下の内容でサインしました。
- 1年/$4.5M (2022)
- パフォーマンス・ボーナス
- 登板試合数15試合、18試合でそれぞれ$0.05M、23試合で$0.15M、28試合で$0.2M、33試合で$0.25M、38試合で0.3M
- ゲーム・フィニッシュ数:12試合で$0.1M、15試合で$0.15M、18試合、21試合、24試合フィニッシュでそれぞれ$0.25M
シーズンのこのような時期でのサインなので、$4.5Mは満額ではなく、日割りとなります。
2020年、2021年のローゼンタール
短縮シーズンとなった2020年、トレバー・ローゼンタールはロイヤルズで14試合、7セーブを上げ、ERA 3.29と一躍人気の的となりました。
トレード・デッドラインではパドレスに移籍。9試合でERA 0.00とこちらでも抜群の成績を見せました。
もともとカージナルスでは剛球クローザーとして有名で、2014年には45セーブ、2015年には48セーブをマークしていたので復活したことを印象づけたシーズンでもありました。
アスレチックスでは登板出来ず
2020年の成績を引っ提げてFAとなったトレバー・ローゼンタールは2021年にアスレチックスと$11Mでサイン。アスレチックスがほとんど駆けずり回って集めたという印象で投資しました。
ところが2021シーズンは鼠径部痛から始まり、最終的に胸郭出口症候群で手術をすることとなり、結局、シーズンエンディングとなり、1試合も登板することはありませんでした。アスレチックスは泣きそうだったでしょうね。
そしてこのオフではロックアウトなどもあり、契約先は見つからず。ここまでFAというステータスでした。
ショーケースでは復活をアピール
それでトレバー・ローゼンタールの怪我ですが、1カ月以上前にショーケースを実施。自身の復活をアピールしました。
それで現時点ですが、トレバー・ローゼンタールはハムストリングスを傷めており、まだマウンドに上がる状態ではありません。
それでも見抜く力に定評のあるジャイアンツが契約に動いたのはかなり確実な復活の手がかりがあるからという見方も出来、まずはシーズン・デビューを待つばかりという状況です。ローゼンタールが復帰すれば、深いイニングを任せられ、ブルペンの改善も見えてきます。ジャイアンツのワイルドカード枠復帰のキーマンになるかもしれません。
タイラー・ロジャース、ジェイク・マギーが不調
ジャイアンツのブルペンが苦戦している要因ですが、アンダースローのタイラー・ロジャースとジェイク・マギーがあまりに悪すぎたというのがあります。マギーの件は後述します。
タイラー・ロジャースですが、2021シーズンは主に8イニング目を任されておりました。80試合に登板し、ERAは2.22。
ところが今季はここまで42試合登板は素晴らしいのですが、いかんせんERAが4.53と深いイニングを抑えきれておりません。ここが今季苦戦している大きなポイントでもあります。
ジェイク・マギーがブルワーズとサイン
そしてジェイク・マギーも今季は悪かったです。もう35才という年齢もあるかもしれません。
ジェイク・マギーは2021年は62試合に登板し、42ゲーム・フィニッシュを担当。31SVを挙げました。ERAは2.72。
マギーはSFGをDFAに
ところが今季は24試合に登板して、ERAが7.17。この不調ぶりはジャイアンツを苦戦に陥れました。
ジェイク・マギーは現地2022年7月9日、ついにDFAとなり、現地2022年7月14日にリリース。FAとなっていました。
ブルワーズとの契約
ジェイク・マギーは2021年2月にジャイアンツと2年/$5Mでサイン。期間は2021-2022年で、2023年は$4.5Mのクラブ・オプションでした。
マギー個人はジャイアンツとのこの契約が生きていて、サラリーはこのまま。
獲得したブルワーズの方は、メジャー契約です。よって、ブルワーズはメジャー最低年俸の$0.7Mの日割りのサラリーで済みます。
これは昨年のプホルズや、今季のロビンソン。カノーらと同じ内容です。
ブルワーズはジョシュ・ヘイダーが7月に入り、調子を崩しており、特に7月15日のジャイアンツ戦では6失点を献上し、大逆転負けを喫しております。
後半戦に入り、22日のロッキーズ戦は1イニングを四球1つのみで抑え、いい兆しは見せてきております。マギーも深いイニングでどれだけ貢献できるか?というところでもあります。
以上、ジャイアンツのブルペンに入る人、ブルペンから出た人のディールでした。
お読みいただき、ありがとうございました。
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