ほぼ同一対応ながら、クラブの特色も
現地2020年3月13日、メジャーリーグ・ベースボールが観客、選手、スタッフの安全確保のため、スプリングトレーニングは中止に、そして3月26日から予定されていたシーズンのオープニングも少なくとも2週間は延期することが決まったのはご承知の通りです。
スプリングトレーニングは具体的には現地2020年3月12日の4時PMからシャットアウトとなり、この日から約4週間はオフィシャルな動きが停止してしまいました。
この動きに対して、今回は「選手の調整」にフォーカスして各クラブの動向をまとめてみたいと思います。
各クラブ共通、ファン&メディアはシャットアウト
各クラブが共通しているのは、フロリダとアリゾナで行われているスプリングトレーニングのファシリティーをオフィシャルにストップすること。つまり、ファンの出入りおよびマスメディアの出入りはシャットアウトされています。
人がたくさん集まる状況をつくらないことが最優先の方策です。後に記載しますが、13日、重大宣言を発令したことからもそうなることは自然の成り行きです。
原則:選手はGO HOME
MLBが選手に奨励しているのは自宅もしくはオフシーズンを過ごす場所への速やかな移動です。
例えば日本の企業においてもすでにこの流行病の対策として1つの部署の人間をAとBに分けて全員が共倒れとならないような方策をとっているところもあると思います。時間帯を変えたり、自宅など別の場所で働くリモートワークなどでそれぞれのグループが接触できない状況にすることで、事業がストップしないように工夫するプランですね。
とは言え、4月9日に一応開幕
とは言えです。現段階では開幕が延びるだけですから、選手はそれに合わせてチューンナップしていく必要があるわけで、今の時代にぶっつけ本番などは怪我のリスクが増すだけです。
そこで各クラブが選手の調整に対してどういう方針なのかを見てみました。
30クラブとも選手へはファシリティーはオープン
全クラブともファンやメディアに対して公式にファシリティーをクローズさせいるのは上述の通りですが、ただ選手が調整に使う分には良いようにしているようです。ワークアウト用の解放。
それについて明言していなかったのはメッツとブルワーズですが、ただこれはおそらく選手がワークアウトで使用することを前提としているがゆえのコメントなしだったと見ております。
共通:全クラブ STAY or GO HOME
MLB側が出来れば自宅へ帰れということを奨励している中、30クラブともに共通しているのは、このままスプリングトレーニングの施設に残るか(STAY)、あるいは自宅やオフシーズンを過ごす場所に帰宅するか(GO HOME)を選手に任せるというスタンスです。 それを前提に各クラブの微妙なニュアンスの違いを書いて行きます。
ただ、自宅へ帰る選手はどうやって調整するのか?という問題はあります。
なおこれは現地2020年3月13日時点での各クラブの態度ですから、以降状況によって変わることもあると思います。
特に制限なく、残る人は残ってよし
STAY or GO HOMEではあるものの、完全に選手の意思にまかせているのがロイヤルズ、タイガース、ホワイトソックスなどです。
自主練習という形でバッティングケージやブルペン、フィールディングの練習をすることが出来るものの、オフィシャルな練習ではないです。
週末以降使ってよし
ほぼ上と同義ですが、14日、15日の週末を過ぎてから、あるいは14日か15日の週末からワークアウト用にスプリングトレーニングのファシリティーを使って良しとしているクラブが、オリオールズ、レイズ、ジャイアンツ、パドレス、アストロズ、アスレチックス、レンジャーズ、タイガース、レッズ、ドジャースです。
もうしばらく様子見→変更:シャットダウンへ
マーリンズは次の方針決定まで施設を離れなさいという、わりと厳しい方針が出されました。ただ、そもそもフランチャイズが地元フロリダ州ですし、スプリングトレーニング地に残ってファシリティーを使うのはOKとなっています。
追記)マーリンズ、ジーター「健康優先を」
現地2020年3月15日、マイアミ・マーリンズはデレク・ジーターCEOが、選手およびスタッフに対し、スプリングトレーニングのファシリティーを完全にシャットダウンし、スプリングトレーニング事態をクローズすると説明。
また、調整に専念したい選手に対しては、施設の外でやってもよいが、くれぐれも公的な健康の方針に従うようにと釘を刺しました。30クラブで一番厳格な方針を示しています。
メッツはとにかく選手が残りたがっている様相ですが、クラブの方針として19日の木曜まではおとなしくしておいてくださいという方針で原則オフとなっています。ではそれまでは?ということですが、たぶん自主練習は可ということなのでしょう(推測です)。
どちらかと言えば、GO HOME推奨
STAY or GO HOMEに違いはないものの、どちらかと言えばGO HOMEを推奨しているニュアンスなのが、レッドソックス、フィリーズ、カージナルス、レッズです。ただ、残るのもOKです。
MLBの方針待ち
インディアンスに至っては選手や選手の家族、あるいはクラブのスタッフ・関係者への命や健康が最優先で、今後のMLBのガイドラインに従うとしています。選手の調整に関してはまだ決め切れていない模様で、自主練習も許しているかどうかは不明です。ただ、自主練習は許しているのではないか?というふうに思います(推測です)。
ツインズは選手の調整については明言されていません。残りたい人の意思も尊重しそうです。これも推測です。
ブルワーズ、カブスも選手に関しては明言していないのですが、ガイドライン待ちというニュアンスとなっています。
週末までに方針を決めて!
STAY or GO HOMEではあるものの、週末までにクラブにどちらかを報告させようとしているのがエンゼルスとブレーブス。エンゼルスは現地土曜日までに、ブレーブスは週末中が期限です。
誰がどこにいるのかを把握するのはどのクラブも当然では調査するはずです。さて、大谷選手はどうするのでしょうか?
マイナー絡み
STAY or GO HOMEの方針なのですが、マイナーリーガーの扱いが出ていたのはマリナーズとロッキーズ。マリナーズは今スプリングトレーニングに150人のマイナーリーガーを呼んでいました。ここに来て開幕メジャーのスクリーニングから落ちた選手の大半をスプリングトレーニングの地から離れさせています。
ロッキーズもほぼマリナーズと同じで、マイナーリーガーは帰しています。
マイナーリーガーに検査
STAY or GO HOMEの方針なのですが、マイナーリーガーに感染の検査をさせているのがDバックスです。日本ではPCR法による検査は感染しているかどうかのスクリーニングには向いていないという見解もあるのですが、果たしてどのような検査だったのかはわかりません。近々検査を受けた選手にフィードバックされる予定です。メジャー選手へは特に検査への方針は出していない模様です。
全員一致で残る!
現地12日に選手に意思を投票させたのがヤンキース。なんと全員一致でフロリダに残るということになりました。さすがです。これは誰か一人でも感染が確認されれば破綻してしまいますが、そうでなければとくかく臨戦態勢でいるという姿勢ですね。
あと、何名残るかは不明なものの、ほとんどが残りたい!という意思を示しているのが2019ワールドシリーズチャンプのナショナルズです。シャーザーはブルペンセッションがしたいんだよ!と訴えておりました。したいだけでなくて、しておきたいのでしょうね。シーズンに万全の体制で臨みたい意欲が伝わってきます。
それぞれの組織に微妙な違いがありますね。
生命を優先、且つ事態の脱却を本気で図るフェーズになりました。これにより経済が冷え込み、さらなる二次災害となるのを抑えるべく、経済政策も同時に発表。
例えば500億ドル(約5兆4000億円)の連邦資金の投入を表明。これは日本で言えば、すでに決まっている予算を年度中に修正するというほどのインパクトではないかと思います。また、同時に金融市場への対策も行う予定で、FRB(連邦準備制度理事会)は、短期金融市場に2日間で1兆5000億ドル、日本円で約150兆円を超える資金供給を行うことも決定しています。市場にドルが大量に供給される予定です。
これにより、日本はどうなるのか?とにかく、冷静に静観したいですね。
非常に厳しい状況ですが、ナショナル・パスタイムを満喫できていた今までがいかに恵まれていたかということかもしれませんね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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