改めてロンゴリアの輝く守備を
現地2024年1月14日、この日はFA市場は大きな動きがありませんでした。したがって、「書こう!書こう!」と思いつつも、ついつい書きそびれてしまった話題を1つ。
それはワイルドカード・シリーズでDバックスを救ったエバン・ロンゴリアの好プレーについてです。
PSを面白くしたDバックス
Dバックスが2023年のポストシーズンで大ケイオスを巻き起こし、ワールドシリーズまで勝ち上がったことは記憶に新しいところです。しかし、その快進撃もポストシーズン初戦でエバン・ロンゴリアの奇跡的な守備が無ければ、そもそもどうなっていたかわからなかったのはご存知でしょうか?
Dバックスのポストシーズンの運命を分けたと言っても過言でないほどの素晴らしいプレーでした。
MILとのWCシリーズGm1
現地2023年10月3日のポストシーズンのオープニング日は、ワイルドカードシリーズの初戦。ご覧のカードが組まれ、ご覧の勝敗となりました。
- 🟡 NL AZ (WC3) 6 @ 3 MIL (NL 地区優勝3位)
- 先発:ブランドン・ファート/ コービン・バーンズ
- NL MIA (WC2)1 @ 4 PHI (NL WC 1位)🟡
- 先発:ヘスス・ルザルド/ ザック・ウィーラー
- 🟡 AL TEX (WC2) 4 @ 0 TB(AL WC 1位)
- 先発:ジョーダン・モンゴメリー/ タイラー・グラスノー
- AL TOR (WC3) 1 @ 3 MIN(AL 地区優勝3位)🟡
- 先発:ケビン・ゴーズマン/ パブロ・ロペス
ワイルドカード3枠目でポストシーズンに進出したDバックスは、地区優勝の勝率3位のブルワーズと対戦。
B・ファート先発で3点を先制される
このゲームで、ブルワーズはエースのコービン・バーンズが登板。一方、Dバックスはその3週間後にDバックス先発陣のNO.3となったブランドン・ファートが先発。ただ、この時点ではシーズンの投球の延長そのもので、良いボールは投げていたものの、悉く失点に結びついてしまうという頼りない投球で、このゲームでもやはりブルワーズが先制。
ブルワーズは1回裏に、クリスチャン・イェリッチの四球とウィリアム・コントレラス、カルロス・サンタナの2連続シングルでノーアウトのまま1点を先制。これがこの時点のブランドン・ファートの投球でした。
ただ、この後、ファートは三者連続三振をマークし、このイニングは1点で凌ぎ、後の片鱗は見せていました。
ただ、2回裏にもピリッとせず、先頭のジョシュ・ドナルドソンにシングルを打たれて出塁を許し、1アウト後にタイロン・テイラーにLFへ特大の2ランHRを叩き込まれて、2回を終えて0-3。完全なブルワーズ・ペースに持ち込まれてしまいます。
Dバックスがすぐに逆転
ところが、3回表にDバックスは、1アウトからシングルで出塁したヘラルド・ペルドモを1塁に置いてコービン・キャロルが右中間の2階席に飛び込む特大の2ランHRを放ち、2-3と1点差に追い上げます。
さらに、つづくケーテル・マルテもRFへソロHRを放ち、ポストシーズンの打線の中心となった2人の連続HRで3点差を跳ね返し、ゲームを降り出しに戻しました。
Dバックスはさらに、4回表に先頭のガブリエル・モレーノがCFへソロHRを放ち、ついに4-3とゲームをひっくり返してしまいます。一気に追いついて逆転した攻撃力はすごいものがありました。
ロンゴリアの好守備その1
そしてゲームは中盤に進み、5回裏。Dバックスは非常に良い4シームを投げるライン・ネルソンをマウンドに送ります。この時点ですでに4番手です。
期待されていたライン・ネルソンですが、5番のサル・フレリック、6番ウィリー・アダムス、7番ジョシュ・ドナルドソンに3連続シングルを浴び、ノーアウト満塁の大ピンチを作ります。完全にブルワーズの流れです。Dバックスはライン・ネルソンを続投。ライン・ネルソンはつづくブライス・チューリングを三振にし止め、まずは1アウトを奪います。ノーアウト満塁で1つめのアウトを三振で奪うというのは理想的ですが、この乱調でこれを成し遂げたのもちょっと奇跡的でした。
つづくバッターは、HRを放っているタイロン・テイラー。前置きが長くなってすみません。ここです!!エバン・ロンゴリアの登場は。
Dバックスはここでライアン・トンプソンにスイッチ。勝負をかけました。そのタイロン・テイラーですが、フルカウントとなった後の6球目をジャストミート。これでブルワーズに2点が入った!と思った瞬間。3Bのエバン・ロンゴリアがこの強烈なライナーをグラブの先でしっかりとキャッチ。ホーム生還を狙って飛び出した2Bランナーのウィリー・アダムスをアウトにしダブルプレー。絵に描いたような好プレーでブルワーズの大逆転のチャンスの芽を摘んでしまいました。
ロンゴリアの好守備その2
まだあります。6回裏、ブルワーズは先頭のクリスチャン・イェリッチが四球で出塁。
つづくウィリアム・コントレラスはSS前に浅いボテボテの内野安打コースのゴロを放ちます。これを3Bのエバン・ロンゴリアがカット。しかし、さすがに1Bは間に合いませんでした。この時、1Bへのスローイングはボールをファンブルしたせいで間に合わなかったのですが、ここはさすがに落ち着いたロンゴリア。ランナーのイェリッチが2Bをオーバーランしたのを見逃さず、2Bへ送球。一旦はセーフ判定となりましたが、チャレンジの末にアウトに。ロンゴリアの粋なプレーでブルワーズは反撃の芽を摘まれました。
DバックスがPS初戦に勝利
2度のチャンスを活かせなかったブルワーズはこの後、Dバックスに流れを持って行かれ、9回表、Dバックスは2つの四球で2アウト満塁のチャンスで、クリスチャン・ウォーカーが2点タイムリー・ダブルを放ち、ゲームを決めました。
Dバックスは、7回からケビン・ギンケルが2イニングを無失点。さらに9回はポール・シーウォルドが無失点に抑え、6-3で初戦をものにしました。2023年のポストシーズンでは、この2人の好投が光りましたね。
4-3と僅差のリードで、ブルワーズの逆転の芽を2度摘んだロンゴリアの好守備は、痺れる!の一言に尽きます。
ロンゴリア、契約なるか
エバン・ロンゴリアは守備は光ったのですが、ワイルドカードシリーズのAVGは.125、NLDSのAVGは.200、NLCSは.105、WSでは.273。本来は通算342HRの大打者なのですが、バットは厳しいものがありました。レギュラーシーズンでも9HRしか打っておりません。
もともと1年契約だったので、このオフはFA。2024年は38才のシーズンです。果たして契約なるかどうか。あるいはこれを花道とするのか・・・。オファーがあることを祈るばかりです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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