キャリア14年!最高のプレーヤー
現地2021年2月1日、ついにこの日が来ましたね。
ボストン・レッドソックスの2Bで、走攻守においてあり得ないプレーでフィールドを活気づかせていたくれたダスティン・ペドロイア(Dustin Pedroia)が引退を表明しました。
I can’t run anymore
最後までカムバックを目指していたダスティン・ペドロイア。毎朝膝の状態と向き合う日々が続きました。次目覚めたら、膝がよくなっている!しかし、膝は相変わらず重い状態のまま・・・
しかし、この引退の決断で、もうこの苦しいストレスから開放されます。
引退に関して、吐露したこの1フレーズにペドロイアの色々な感情が含まれていると思います。”I can’t run anymore”。
I can’t run anymore, which is fine. I don’t need to run. I’m proud of the way that the trainers helped me, doctors, everybody. But it wasn’t physically possible for me to continue to play baseball with a partial knee replacement. Once I got that done, I knew. The team has been great at leading me in the right direction on things to do and how to get better. I’m only 37 years old. I’ve got a long way to go.
「もうこれ以上走ることができません。でも大丈夫です。もう走る必要はなくなりました。私は膝の治療に向き合ってくれたトレーナー、ドクターらすべての人たちを誇りに思います。部分的な膝関節置換術では野球を続けることは物理的に不可能でした。やるべきことをやり、それを知りました。チームは、やるべきことやより良くなる方法について私を正しい方向に導導いてきてくれました。私はまだ37才。まだだまこれからです」(筆者意訳)
5’9”(175cm)が全力で挑んだ14年間
ダスティン・ペドロイアの身長は、5フォート9インチで175cm。190cm級の選手がひしめくビッグリーグの内野手において、ひときわ小さいペドロイアがもっとも野球をおもしろいものにしてくれたと思います。
ドラフト2巡目指名
ダスティン・ペドロイアは1983年8月17日生まれの37才。カリフォルニア州出身で、大学はアリゾナ・ステート。
2004年のアマチュアドラフトでレッドソックスから2巡目指名を受け、プロ入り。
デビューは早く、2006年8月22日のエンゼルス戦でした。22才のときです。
エキサイティングなディフェンスから長打まで
何よりダスティン・ペドロイアがファンの心を掴んだのはそのエキサイティングなプレーの数々。安打数もすごかったのですが、特にデビュー当初のディフェンス、走塁には目を釘付けにされました。
まさにフィールドに活気をもたらす人物。
元エンゼルスのデービッド・エクスタイン(David Eckstein)を上回る活躍を見せてくれたと思います。
2007 ROY受賞
ルーキーステータスをキープしたまま入ったダスティン・ペドロイアは2007年、139試合に出場し、打率.317、OBP .380、SLG .442、HR8,安打数165でROYを受賞。レッドソックスのワールドシリーズ制覇に大きく貢献しました。
2008年MVP
3シーズン目となった2008年には213安打を放ち、打率.326、OBP .376、SLG .493、二塁打 54、HR 17 、RBI 83、RUN 118でMVPを受賞。この年はゴールドグラブ賞、シルバースラッガー賞も受賞しています。
年々、スイングの幅が大きくなったのを感じさせてくれました。
また2011年には21HRをマーク。HR数をキャリアを通じて、平均15HRですが、この数字以上にキャリアを経るほどに長打が期待できました。
長年の無理が膝に影響
2015年、様々な怪我が原因でペドロイアは93試合出場にとどまります。
ただ、一番大きな影響は2017年4月のこのプレーではないかと思います。ペドロイアが左膝痛で苦しむ事となった大きな要因と言っていいでしょう。
2017年終了後のオフシーズンに、左膝軟骨の修正手術を受け、リハビリに時間を費やしていました。
2018年、レッドソックスがワールドシリーズ制覇を成し遂げたこの年、ペドロイアは一度復帰するも3試合のみの出場でシーズンを終えました。
2019年4月にはメジャーに復帰したものの、すぐに膝を傷め、リハビリに。8月にはまたもや手術を受けることに。
2020シーズンはグランドに立たないままシーズンを終えました。
激しい、ダッシュ、ストップの繰り返しでしたから、かなり無理がたたったようです。
そして今回、引退を決意することに。
ペドロイアのアウォードとスタッツ
最後にダスティン・ペドロイアのアウォードとスタッツを掲載しておきます。
- オールスター出場:4度 (2008-2010、 2013)
- AL MVP (2008)
- ゴールドグラブ賞受賞:4度 (2008、 2011、 2013- 2014)
- シルバースラッガー賞受賞:1度 (2008)
- AL Runs Scored 1位:2度 (2008:118 、 2009:115)
- AL最多安打:1度(2008: 213)
- 200安打以上のシーズン: 2シーズン (2008: 213、 2016: 201)
- AL二塁打数1位:54 (2008)
- 20HR以上のシーズン: 1度 (2011:21)
- 100 Runs Scored以上のシーズン: 4度 (2008、 2009、 2011、2016)
- ワールドシリーズ制覇:2度(2007、2013) ※2018はカウントせず
14年間、お疲れ様でした。
また好きなプレーヤーが一人、引退することになったのは悲しいですが、膝の苦しみから自由になってもらいたいと思います。
マチャードへの感情を昇華したように思えるのがすごい
好プレー連発のペドロイアも好きなのですが、筆者は膝痛で苦しんでいたペドロイアがその大きな要因となったハードスライディングをしたマニー・マチャードに対し、許す気持ちを持っていたのではないかというのがすごいと思いました。
野球選手の怪我=死活問題で、打者がデッドボールを受けて怒るのも怪我が要因で食えなくなるという生存本能からです。
人情として強い恨みの感情をもってもおかしくはないのですが、ペドロイアは起こってしまったことは仕方ないとばかりに、ただ淡々と自らのリハビリ治療に専念し続けました。これはなかなか出来ることではないと思います。
もちろん、時として「あのク○野郎」とかはよぎったと思いますが、消極的な考えにおぼれていたものの顔ではないなと思いました。
今思えば、これほどの人格だからこそ、どんどんスキルを高めていき、ファンの心を掴むプレーが出来たのか?などと考えてしまいます。これは私感です。ここはさらっと読んでください。
お読みいただき、ありがとうございました。
コメント
1番好きな選手でした。
ペドロイアの闘志漲るプレーや豪快なバッティングが大好きでした。
まさに「小さな巨人」
今はゆっくり休んで、また何らかの形でレッドソックスに戻ってきてくれたら良いですね。
14年間本当にお疲れ様でした。
レッドソックスファンさんへ
そうですね。まさに小さな巨人だったと思います。
ペドロイアに届けたいくらいの温かいコメント、本当にありがとうございました!