これぞプロ!
現地2021年10月14日、ドジャース@ジャイアンツのNLDS Game5がオラクル・パークで行われました。
3戦先勝のディビジョン・シリーズは2勝2敗。レギュラシーズンでは最終戦でようやく決着がついた両クラブはプレーオフにおいても、ともに譲らず。
やはりと言うか、大方の予想通り、Game5までもつれました。
ともに主砲を欠いてたどり着いた最終戦
そして、シーズン終盤、両クラブはともに主砲を怪我で欠きました。ドジャースはマックス・マンシーがシーズン最終戦でバッターランナーと交錯。腕を負傷して欠場。一方のジャイアンツもクラブ内のベストHR数を誇るブランドン・ベルトがデッドボールで骨折。
条件まで似ているのでした。
スタメン
この日のスタートはご覧の通り。
ドジャース | ジャイアンツ |
RF ベッツ SS シーガー 2B T・ターナー C W・スミス 3B J・ターナー CF ラックス 1B ベリンジャー LF テイラー P クネイブル | 2B ラステラ LF ラフ C ポージー SS クロフォード CF ブライアント RF ヤストレムスキ 1B フローレス 3B ロンゴリア P ウェブ |
ON TO ATLANTA! #RepeatLA pic.twitter.com/YtFMGDdCn1
— Los Angeles Dodgers (@Dodgers) October 15, 2021
LAD、先発はウリアスではなく、クネイブル
別記事にて書かせていただきましたが、ドジャースはスターターにフリオ・ウリアスではなく、コーリー・クネイブルを起用してきました。オープナーで、どんどんいい投手を投入していく戦略。
一方のジャイアンツは、もうこの人しかいないというローガン・ウェブ。
このシリーズでは打線が奮っていないジャイアンツ。ドジャースがマックス・マンシーを欠いても複数の選手で補い合えるのに対し、ジャイアンツはブレンドン・ベルトの抜けた穴は非常に大きかったと言えるでしょう。
ローガン・ウェブ、熱投!
よって、この試合はローガン・ウェブがドジャース打線をどこまで抑えるかがポイントで、さらに言えば、ローガン・ウェブが投げている間にいかに得点を上げるかが勝負でした。
一方、ドジャースはウェブが投げている間に、いかにジャイアンツ打線を抑えるか、そしてウェブ降板後にチャンスを拾うというプランだったようです。
ゲームのキーマンはローガン・ウェブだった訳ですが、ウェブのピッチングはすごかったですね。
オフスピードのチェンジアップ、スライダーでタイミングをずらし、ファストボールのシンカーで詰まらせるという前後左右で打者を翻弄。らしさを発揮したピッチングで5回まではムーキーの2安打と1四球のみ。仕掛けようとするドジャース打線に仕事をさせませんでした。
流れは後述しますが、ローガン・ウェブは7回106球を投げ、被安打4、失点1、与四球1、奪三振7の熱投でした。
流れ
- 1回裏【SAN FRANCISCO】
LAD先発コーリー・クネイブルは、2アウトからポージーに二塁打を打たれるも、無失点で切り抜ける。
- 2回裏【SAN FRANCISCO】
LADの2番手にブラスダー・グラテロル。
2本のヒットでピンチを招くも、ロンゴリアを1Bポップフライで2アウト。次打者は投手のウェブという打線のめぐり合わせもあり、SFGが先制のチャンスを逸す。
- 3回裏【SAN FRANCISCO】
ここで3番手としてフリオ・ウリアスが登板。
- 4回表【LOS ANGELES】
2アウト、1、2塁のチャンスを迎えるも、ウェブの前に得点ならず。
- 6回表【LOS ANGELES】(1-0)
ヒットで出塁したムーキーが2盗に成功。ここでコディー・ベリンジャーがLFへ二塁打を放ち、ムーキーがホームイン。ドジャースが均衡を破る。
- 6回裏【SAN FRANCISCO】(1-1)
先頭のダリン・ラフがCFへ豪快なソロHR。ジャイアンツが同点に追いつく!
7回裏、LADはブレイク・トライネンが登板。パーフェクトでした。
- 8回表【LOS ANGELES】
SFGのマウンドは2番手のタイラー・ロジャース。1アウト後、ポロックとベッツに2連打。シーガーを三振に打ち取り2アウトを奪ったところで、交代。
3番手にクローザー・ロールを果たしているカミロ・ドバル。
トレイ・ターナーを100mphのファストボール1球で打ち取り、ピンチを脱出。
- 8回裏【SAN FRANCISCO】
マウンドはケンリー・ジャンセン。期待されたラフ、ポージーのターンも無得点。
- 9回表【LOS ANGELES】(2-1)
マウンドは引き続きドバル。1アウト後、ジャスティン・ターナーに死球。さらにラックスにRFへ運ばれ、1、2塁のピンチ。
ここでコディー・ベリンジャー。このゲームの最大の山場に。ドバルは2ストライクと追い込んだものの、ベリンジャーにRFへ弾き返され、勝ち越し点を与えてしまう(2-1)。
ここでジャイアンツはケビン・ゴーズマンを投入。
クリス・テイラーがスクイズを試みるも失敗。追加点は1点だけ。
- 9回裏【SAN FRANCISCO】
マウンドにはマックス・シャーザー。
ドジャースが死闘を制し、2-1で勝利。見事にNLCSへ駒を進めました。
ウリアスは3回に登板
ドジャースが当初の先発候補だったフリオ・ウリアスをどこで登板させるかも注目ポイントだったのですが、序盤3回からの登板でした。そして投げたのは4イニング。もう予想を大きく上回る起用に驚かされるばかりでした。
ウリアスの後のブレイク・トライネンのパーフェクト投球も大きかったですね。
ジャイアンツ、打てず
シーズン中は、HR241本でナ・リーグ1位、MLB2位だったジャイアンツ。このシリーズはDSに進出した全8クラブ中、打率は最下位の.182。ブレーブスから2度シャットアウトを食らったブルワーズ(.192)より下でした。
ポージーもドジャースが相手であれば、かなり守りに力を奪われていたでしょうし、ちょっと厳しい戦いが続きました。
シャーザーを投入
ドジャースはリソースを出し惜しみすることなく、最後はマックス・シャーザーを持ってきました。
1アウト後、クリス・ブライアントが出塁。つづくラモンテ・ウェイド・Jr.は粘りを見せるも、最後は抜けたカットボールがボールゾーンからストライクゾーンにバックドアで入ってきて、手が出ず三振。
追い込まれたジャイアンツはウィルマー・フローレスが打席に。2ストライク後、チェックスイングが空振りを取られ、ゲームセット。厳しい判定でした。
シャーザーは良い意味で荒れていたのが、かえって良かったのかもしれません。
2021年のライバル同士の対戦は、最後はドジャースに軍配。筆者は、ウリアスを動かしてきたドジャースに対して、動いた方が負けではないかと予想していたのですが、結果は逆に。
素人が感じるゲームプラン以上のものをドジャースは考え抜いたということですね。
これでNLCSへ進出したドジャース。2年連続でブレーブスとのNLCSです。
お読みいただき、ありがとうございました。
コメント