もう一つのオープニング・カードは波乱含み
現地2020年7月23日、ヤンキース@ナショナルズの東海岸でのオープニングから遅れること3時間、西海岸のドジャー・スタジアムで行われるもう一つの2020オープニング・カードであるジャイアンツ@ドジャース戦もプレーボールとなりました。
ただし、このカード、2019年の何かのVTRか!?と錯覚を覚えるほどの光景が出現。ドジャースのマウンドに立っていたのは、おなじみの左腕クレイトン・カーショウではなく、カーリーヘアーのダスティン・メイでした!
カーショウ、腰痛を発症
ドジャースがオープニング・スターターとして発表していたのはクレイトン・カーショウ。しかし、ゲーム当日、プレーボールの数時間前、カーショウは腰痛により、急遽登板回避となりました。
カーショウの腰痛の履歴
カーショウには腰痛で離脱していた過去があります。2016年に10週、2017年に5週、2018年に3週にわたってサイドラインに。
しかし、今回のサマー・キャンプでは順調な仕上がりを見せていて、6日前のイントラスクアッド・ゲーム(紅白戦)では6回1/3を投げ、ファイナル・チューンナップを成し遂げていたと見られていました。
実は火曜に傷めていた
ただ、その兆候はすでにあったようで、デーブ・ロバーツ監督によると、カーショウは現地21日(火)、ウェイトルームにて調整中に腰痛を発症していたことが明らかに。
ロバーツ監督はじめドジャースのスタッフは、カーショウの立場もあることから、即決はせずに様子を見ることを決断。しかし、中1日では回復に至ることは出来ず、ついに登板回避の決断に至ったということでした。
復帰は未定
なお、カーショウの復帰のタイムテーブルはまだ立っておりません。長引かなければよいのですが。
ダスティン・メイ、クラブ史上に残る登板
急遽、マウンドに上ったダスティン・メイですが、現地23日はマイナー・オプションでトレーニング・サイトに行くことが決まっていました。
春のスプリングトレーニングでは側筋を傷めていたこともありましたが、このサマーキャンプではよい元気なところを見せていたにもかかわらずです。
これはMLS操作により少しでも長く囲い込んでおきたいというクラブ側の目論見があったとも言えるでしょう。
しかし、今回はカーショウの怪我が起因の補充ですから、マイナーのままのタクシースクワッドではないかもしれません(確認中)。
ルーキーでオープニング・ゲームを任されたのはドジャース史上、1981年のフェルナンド・バレンズエラ以来2人目の快挙です。
Pre-2020では23位
ダスティン・メイは現地2020年7月23日時点で22才。9月6日の誕生日で23才になります。2016年アマチュア・ドラフトのドジャース3巡目指名。2019年8月2日にすでにデビュー済みで、リリーフのみで14試合、34.2イニングに登板。ERA 3.63でした。50イニング以内なので、2020年もルーキー・ステータスです。
そして、1月に出たPre-2020年のトッププロスペクト・ランキングでは23位にランクインしておりました。
スターティング
以上にようにドジャースにハプニングがあったものの、本日のスタメンを記載しておきたいと思います。
ジャイアンツ
- マイク・ヤストレムスキー: CF(LHB)
- ウィルマー・フローレス:3B
- パブロ・サンドバル:1B(スイッチ)
- アレックス・ディッカーソン:LF (LHB)
- ハンター・ペンス:DH
- ジョー・マッカーシー:RF(LHB)
- マウリシオ・デュボン:2B ※ゲーム後半でSS
- ブランドン・クロフォード:SS(LHB)
- タイラー・ハイネマン:C (スイッチ)
- ジョニー・クエト:P
LHBが4人
スイッチ・ヒッターが2人いるとしても、カーショウ相手を見込んでも左打者が4人もいるスタメンというのはジャイアンツの事情はあまりよろしくないということですね。
サンドバルが出場
サマーキャンプにコロコロとした体型で参加したパブロ・サンドバルは注目の的になりましたが、彼はそれ以前に2019年9月にトミージョン手術を受けていたのです。今回は1Bでの出場となりましたが、野手とは言え10ヶ月弱で復帰してきました。もともとマイナー契約でもありましたし、かなり気合を入れてリハビリをこなした模様です。その割にコロコロしてはいましたが・・・。
ペンスも出場
そしてサンドバルとともに2010年、12年、14年のワールドシリーズチャンプを支えたハンター・ペンスもグランドに復帰したのは喜ばしいことです。
ポージーの穴は内部昇格
開幕直前に2020年のオプトアウトを表明したバスター・ポージーですが、ジャイアンツは補強はせず、内部昇格でその穴を埋めました。
タイラー・ハイネマンは2012年のアマチュアドラフトでアストロズから8巡目で指名された捕手。UCLA出身。29才。デビューは2019年9月4日。トリプルAで通算5シーズンを過ごし、273試合で、打率.287、OBP .353、SLG.430、HR 21、打点 98を記録。打率が非常に良い選手。2019年のトリプルAでのCS%は44%。かなり高いですね。
ドジャース
ドジャースですが、ムーキーがリードオフかと思いきや、勢いのあるマンシーを起用してきました。
- マックス・マンシー:1B
- ムーキー・ベッツ:RF
- コディー・ベリンジャー:CF
- ジャスティン・ターナー:3B
- コーリー・シーガー:SS
- キケ・ヘルナンデス:2B
- ジョク・ピダーソン:LF
- AJ・ポロック:DH
- オースティン・バーンズ:C
- ダスティン・メイ:P
外野はムーキーの契約延長の記事にも書かせていただいた通り、CFにベリンジャーを固定して、ムーキーがRF、LFはポロックとピダーソンを併用という形で来ました。この日はDHにポロックでしたね。
ダスティン・メイ、見事に役割を果たす
急遽の登板となったジャスティン・メイですが、当日の昇格にも関わらず、十分な働きをしました。
立ち上がりをしのいで一瞬気が抜けたのか、3回表に3連続シングルと犠牲フライで1点を許し、その後は5回表に先頭から二人続けて連打を許したものの、危なっかしいのはこれらのシーンのみ。1失点でしのぎ切りました。
5回途中、4.1イニングで被安打7、失点1、BB 0、奪三振4で見事なゲームメイクです。欲を言えば、勝利投手の権利を持たせたかったというくらいでしょうか。
ジャイアンツ、クエト→スマイリーのリレー
2018年にトミージョン手術を行い、すでに2019年9月に復帰していたジョニー・クエト。60試合ではあるものの、トミージョン手術明け初のフルシーズンということでしたが、4回を被安打5、失点1で降板。まずまずの投球でした。
4回終了で降板というのは肘の調子を見て、63球でマウンドを降りたという決断のようで、次回はもう少し深いイニングまで投げる予定。
ジャイアンツは2番手になんとドリュー・スマイリーを起用。1イニングを無失点でした。ドリュー・スマイリーは調整が遅れていて、今回はリリーフとして登板となった模様。そのうち先発に復帰します。
SF:T・ロジャースとD・ヒメネスが捕まる
1-1のタイスコアで終盤まで進んだこのゲームですが、むしろジャイアンツ・ペースという進み方でした。ドジャースは打線が豪華だけに沈黙してしまうと焦りが出てまずいペースになるパターンでした。
しかし、7回裏、ジャイアンツが3番手のリコ・ガルシアから4番手のタイラー・ロジャースにスイッチした途端、打線が活気づきました。
ドジャースは1アウト後、ムーキーのシングルをきっかけにフィルダーズ・チョイスなどで2−1と逆転に成功。さらにチャンスを広げ、タイラー・ロジャースから3得点。さらにダニー・ヒメネスの乱調で2得点を上げ、この回一気に5得点。勝負を決めました。
8回裏にはキケ・ヘルナンデスの2ランHRが飛び出し、さらに2点を追加。結果、8−1で圧勝しました。
ジャイアンツはシーソーゲームしかチャンスはなかったのですが、途中で調子の悪い投手が入るとゲームが崩れてしまうというパターンでした。9回まで持たせるのが難しいですね。
ムーキーがナイス・スライディングを披露
このゲーム、ムーキー・ベッツがさすがの球際の強さというか、素晴らしいスライディングを見せました。
このスライディングでドジャースは勝ち越しに成功しています。
キケ・ヘルナンデスが4安打5打点
計12安打を放ったドジャースですが、このうちキケ・ヘルナンデスがHR含む4安打、5打点と大活躍しました。ムーキーの加入でユーティリティーの役割が終焉しましたから、内野手としてサバイブするのに必死だと思います。
ちなみにドジャースは先発全員安打です。
ブラスダー・グラテロールが登板
トレードの第一形態として、ムーキーがからんだドジャース、レッドソックス、ツインズの3者間トレードでレッドソックスに移籍することになっていたブラスター・グラテロル。
レッドソックスから故障の履歴でクレームがつき、結局このトレードは第2形態となり、彼はドジャースが引き取ることになりました。
そのグラテロルは点差があったものの、9回に登板。被安打1の無失点で抑えました。
色々と見どころが多かったこのゲーム。ちょっとジャイアンツとドジャースの戦力差を感じざるを得なかったですね。
Game2がどうなるのか、楽しみでもあります。
お読みいただき、ありがとうございました。
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