まさに予想外の契約!
現地2022年11月29日、ロサンゼルス・ドジャースは、FA右腕のシェルビー・ミラー(Shelby Miller)とメジャー契約で合意しました。現地2022年11月29日時点ではフィジカルチェックの結果待ちでまもなくオフィシャルになる見込みです。
メジャー契約での合意
ドジャースとシェルビー・ミラーは以下の内容で合意。
- 1年/$1.5M保証(2023)
- + パフォーマンス・ボーナス
現時点では詳細は出ておりませんが、メジャー契約であるところは確かで、予想外の良い契約に驚いています。
2015年以降のシェルビー・ミラー
「予想外のメジャー契約」についてご説明するには、まずはシェルビー・ミラーのことをご紹介しなければなりませんが、まずは「負」の部分からご紹介します。
直近から遡る形で行きます。2022年はジャイアンツに所属。4試合、7.0イニングしか投げておりません。このイニング数で被安打6、失点5を許し、ERAは6.43。良かった点と言えば奪三振14をマークし、SO9が18.0という高い数字を上げたところだけです。良い面は後述します。
その前年の2021年はカブスとパイレーツに所属していたのですが、両方を併せて13試合に登板し、12.2イニングを投げ、ERAは9.24で奪三振は8。
つまり、直近2年はほとんど稼働していないのです。
さらに、2019年から2020年はレンジャーズに所属していましたが、2019年は19試合、44.0イニングで1勝3敗、ERA 8.59。2020年はCOVID-19パンデミックでオプトアウトし、投げておりません・・・。
散々だったDバックス時代
さらに厳しかったのが2016年から2018年まで所属していたDバックス時代。2016年は20試合、101.0イニングを投げ、イニング数は稼いだものの、3勝12敗でERA 6.15。
2017年は4月に4試合、22.0イニングを投げ、2勝2敗、ERA 4.09とまあまあのスタートを切ったものの、肘を傷めてトミー・ジョン手術となり、そのままシーズン・エンディング。復帰は早く、1年2ヶ月後の2018年6月25日に登板したものの、結局その後はとびとびで5試合にしか投げられず、要は、2017-18シーズンのほとんどを離脱していた状態でした。
ATLでは6勝17敗
Dバックスの前の2015年はブレーブスに所属。33スタート、205.1イニングと、先発として素晴らしく稼働したまではよかったのですが、6勝17敗、ERA 3.02という成績に。この時期、ブレーブスはリビルドの時代で、援護が少ない中、シェルビー・ミラーはコンスタトントにローテーションを守ったので、ただ負け数だけが増えていくという状態でした。
サラリーは良かった
また、結果的にシェルビー・ミラーの名前をおとしめたのは、そのサラリーにもありました。
2015年12月にトレードでブレーブスからDバックスへ移籍したのですが、年明けの2016年1月に年$4.35Mでサイン。Dバックスは$4.35Mを投資したのに、3勝12敗で負けに投資したようなものと言われました。
その翌年の2017年2月には、$5.1M-$4.7Mの年俸調停に敗れ、$4.7Mに落ち着いたものの前年よりはアップしています。そして、その2ヶ月後にトミー・ジョン手術です。
そしてトミー・ジョン手術のリハビリ中の2018年2月には、シェルビー・ミラーは$4.9M-$4.7Mの年俸調停で勝利し、$4.9Mのサラリーとなります。しかし、その結果は上述の通り5試合の登板。
Dバックスは2年間で$9.25Mを投資して、ほとんど稼働なしという状態だったのでした。
ドジャースはマイナーでの奪三振率に注目
そのような状態のシェルビー・ミラーにドジャースが魅力を感じた理由は、2022シーズンのマイナーでの登板にありました。
シェルビー・ミラーは2022年はヤンキースとマイナー契約を結び、結果的にはマイナーのままジャイアントとマイナー契約を結んだのですが、ヤンキースのAAAで16試合、21.0イニングでERA 1.71をマーク。奪三振は25。
さらにジャイアンツのAAAでは、27試合、32.1イニングで奪三振44をマーク。SO9は12.2です。
2022年、ビッグリーグで18.0のSO9をマークしましたが、ドジャースはマイナーでの数字が復調を示すものであることを期待し、メジャー契約を結んだのでした。
またシェルビー・ミラーには複数のクラブからメジャー・オファーがあったとも言われています。
もともとは素晴らしい右腕
なお、シェルビー・ミラーはアマチュア時代から評判の投手で、高校時代に77.0イニングを投げ、10勝2敗、ERA1.90、154奪三振をマーク。しかも、BBはたったの38で、被安打はわずか40。さらに4度のノーヒッターも達成していたという怪物ぶりでした。
高校卒の2009年にアマチュア・ドラフト1巡目でカージナルスから指名を受けてプロに入り。
メジャー・デビューは2012年。この年はセプテンバー・コールアップでのデビューで6試合のみの登板。
本格稼働は2013年からで、このデビュー後の2013-14年で素晴らしい投球を見せたのです。
2013年は31先発で、173.1イニングを投げ、15勝9敗をマーク。ERAは3.06。SOは169です。この年の5月10日のロッキーズ戦で、シェルビー・ミラーは1ヒッターシャットアウトを達成。打たれたのは初回の先頭打者のエリック・ヤングのRF前シングルのみという実に惜しい投球を見せたのでした。
【YOUTUBE】Miller fans 13, retires final 27 batters
さらに、2014年も31スタート(登板数は32)で、10勝9敗、ERA 3.74、SO 127。
また2015年5月17日には9回裏2アウトまでのノーヒット・ノーラン。あと1人というところまで迫りましたが、その後2者連続で安打を許し、またもやノーヒッター達成ならずという投球も。
【YOUTUBE】Shelby Miller falls one out shy of no-hitter
シェルビー・ミラーはドジャースではリリーバーになりそうです。果たしてドジャースのこの契約がどう出るのか、シーズン開幕が楽しみです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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