セスペデスの心を読み解いてみる
どうして?という事案が発生。
現地2020年8月2日、メッツのOFでかかとと足首の大怪我から復帰したヨエニス・セスペデス(YOENIS CESPEDES)が2020シーズンのオプトアウトを表明。メッツも受け入れざるを得ない事態となりました。一体、何があった!?
まさかのAWOL:「無断欠勤」
ヨエニス・セスペデスですが、2日にトゥルーイスト・パーク(今季から名称変更。サントラストパークのこと)で予定されていたブレーブス戦に姿を見せず。クラブ側にコンタクトせずにチームから離れました。
ブロディ・バンワゲネンGMの話では、球場に姿を見せなかったセスペデスを探しに、セキュリティーをホテルに派遣。しかし、セスペデスは部屋にはおらず、荷物もなかったという。
万が一のこともあり得ることから、コンタクトを試みたクラブ側ですが、セスペデスとは連絡が取れず、そのままゲームはスタートしました。
As of game time, Yoenis Céspedes has not reported to the ballpark today. He did not reach out to management with any explanation for his absence. Our attempts to contact him have been unsuccessful.
「試合が始まってもセスペデスから球場に連絡はなく、理由がないまま欠勤しました。我々はコンタクトを試みようとしたものの連絡は取れませんでした」ワゲネンGM。
AWOLとは
ヨエニス・セスペデスのとった行動はAWOL、”Absent Without Leave”。早い話が「無断欠勤」。
所属する団体としては、万が一、犯罪にでも巻き込まれていないか?、あるいは何か命に関わることが起きたのではないか?と最悪のことも考えます。
試合中にエージェントを通して連絡
この日のゲームは4-0でブレーブスが勝利。試合後、ワゲネンGMはセスペデスについてコメントを発表。
COVID-19 で「オプトアウト」
セスペデスは、2020シーズンをオプトアウトすると発表。理由は、COVID-19 の健康懸念。情報によれば試合中にエージェントがメッツにコンタクトした模様。
煮え切らない「意思を尊重し、サポート」する
メッツ側は、そのことを受け、COVID-19 でオプトアウトした選手に対して、クラブ側が発表する、「選手の意思を尊重し、出来る限りサポートする」といういつものコメントを発表するも、他の選手の時のように、双方合意したという納得感に今ひとつ欠けたものを感じたのは筆者だけではないと思います。
確かに、COVID-19 の拡散は深刻。マーリンズでは18名がテスト陽性。カージナルスからも陽性反応が複数出ており、これにより7月最終週から8月1週目にかけて延期となったゲームも多数出ております。
セスペデスの心を読み解く
2020シーズンのヨエニス・セスペデスは7月24日のブレーブスとのオープニング・ゲームで、1-0のスコアのゲームで決勝のソロHRを放ち、その存在感を見せつけました。
2020シーズンのセスペデスの成績
セスペデスは8試合、34PA(打席)で31AB(打数)を経験。5安打、打率.161、OBP.235、SLG.387、HR2、RBI 4。
インパクトのある活躍を見せてはいたものの、印象ほど数字がついてきてはおりませんでした。
起用頻度に不満
ヨエニス・セスペデスが今回の決断に至った背景の一部が明らかになっています。それは起用頻度について。
セスペデスはこう思っていたようです。「2020年のサラリーはPA(打席数)によってボーナスが出るよう設定されているので、ベンチはそれを抑えるべく意図的に起用を抑えている」と。
9試合中8試合に出場
では本当にそうか、見てみますとセスペデスは8月1日までのメッツの全9試合中、8試合に出場。このうち、コンプリート・ゲーム、いわゆるフル出場が7試合、先発から8回で退いたのが1試合。
スタメン落ちは7月27日のフェンウェイでのレッドソックス戦のみ。
むしろ良い頻度で出ていたくらいです。
ただ、セスペデスは相当にブルーな状態であったとも言われています。
経済的な理由か?
冷静に考えれば、起用頻度はかなりよかったと認識出来るものの、セスペデスがそこまで落ち込んでいた理由は定かではありません。
AWOLも気持ちが落ち込んでいたがゆえの行動かもしれません。
ただ、サラリーの状況を書いておこうと思います。
2020シーズンはM(プロレーティッド前)
セスペデスは2016年11月にメッツと4年/$110M (2017-20)で再契約。支払いのスケジュールは2017年が$22.5M、2018年が$29M、2019年が$29M、2020年が $29.5Mという配分でした。
サラリーを4年で均等割(AAV: Annual Average)すれば、$27.5M/年。これはA・ロッドと同額。また、AAVでトップのミゲル・カブレラの$29.2Mに次ぐ高額な契約でもありました。
2019年はサラリーカット
2019シーズン、自身の牧場でくぼみに足を取られ、足首を骨折したのは契約で禁止されていた行動ということで、$29Mだったところ、$22.9M($22,919,355)にカットされました (147日/186 日という計算)。
2020年のボーナス設定
2020年は本来の$29.5Mから、 $6M+ボーナスという設定に。パフォーマンス・ボーナスとしてPA(打席数)に応じて、以下のように設定されていました。
- 200/ 250/ 275 PA達成ごとに$250,000
- 300/350/ 375/ 400 PA達成ごとに $500,000
- 425/450/ 475 PA達成ごとに $750,000
- 525/ 550/ 575/ 650 PA達成ごとに$1M
さらに、ベース・サラリーも開幕スタートなら$11Mへ変更という規定もありました。
かなりの高額ではあるが
2020年は$6Mベースで日割り(x37%)で換算すると、$2.22M。もう十分すぎるサラリーではあると思いますが、野球選手は税金がかなり取られますので、全絵年分の支払いは相当なものですね。仮に半分だったとしても、2020年は2019年のサラリーからすると$10M以上の支払いがあったかもしれません。
とは言え、そこはきちんと計算しているでしょう。
セスペデスがどうしてそこまでブルーになったのか。ここはもう個人の領域なのでうかつに下手なことは書けませんが、何か大きな支払いがあったのかもしれません。
行動に矛盾があるのですが、オプトアウトしてしまうとサラリーは0です。だから余計にセスペデスの行動は疑問がつきまといます。何か苦しい悩みでもあったのか?
メッツは2日、ジャイアンツからトレードでビリー・ハミルトンを獲得。ただ、このトレードはセスペデスが球場に来なくなる前に決まっています。むしろ絶妙なタイミングになりました。
色々と話題に事欠かないメッツです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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